2020年4月23日
第6回臨時実行委員会後メディアブリーフィング
2020年4月23日(木)16:00~
Webミーティングシステムにて実施
登壇:村井チェアマン
木村専務理事
試合日程プロジェクトリーダー 黒田フットボール本部長
競技の公平性 プロジェクトリーダー 窪田コミュニケーション・マーケティング本部長
観戦環境対策 プロジェクトリーダー 藤村特命担当部長
財務対応プロジェクトリーダー 鈴木 徳昭クラブ経営本部長
〔司会より説明〕
本日、9時30分から一般社団法人日本野球機構と共同で第6回の新型コロナウイルス対策連絡会議が開催されました。その内容を受けて急遽16時から、2020年度第6回臨時合同実行委員会が開催されましたので、ブリーフィングを開催させていただきます。それでは、本日の臨時合同実行委員会に関しまして、村井からお話しさせていただきます。
〔村井チェアマンよりコメント〕
皆さんこんにちは、村井です。今日はNPB様との連絡会議があり、専門家の皆さんのお話をお聞きする立場でした。先ほどの会見は合同連絡会議後ということもあり、あまり具体的にサッカーのことに限定してお話しするのはどうかと思い、(今回は)実行委員と意見交換した内容のポイントだけ皆様にフィードバックしたほうが良いかと思い会見を実施させていただきます。
まず、Jリーグは5月9日J1再開ということで(予定しておりましたが)、そこから1か月以上空けるとご案内しておりますので、早くて6月からの再開となります。ここから1か月以降、40日くらいあるという状況ですので、現時点においては6月再開をひとつのシナリオに交えながら準備をしています。
5月6日までの緊急事態宣言がこの期間に終わらないということも見えてきましたので、場合によっては、これが7月にずれていくということを織り込みながら準備していこうと実行委員の皆様にお伝えしてきました。また6月および7月で準備していこうということも伝えました。
今日も少し議論がありましたが、無観客試合というシナリオもそろそろ選択肢の中に入ってきます。なるべくお客様と一緒に再開することを望んでおります。
6月、7月の線も50%くらい入場制限をするという準備している内容も含め、選択肢の中には含めておりますが、場合によっては無観客試合の準備が十分できていない可能性があります。選手が移動をする時に、通常と同じようなホテルの宿泊の段取りでよいかどうか、食事はどうなのか、ベンチの中はどのような備えをするべきなのか等…これまでは入場者数の50%の削減を中心に考えていましたので、無観客試合に対してもしっかり準備していこうと申し合わせました。本日Jリーグのクラブ選出の理事メンバーもコメントされていましたが、専門家の皆さんのトーンが非常に緊張感にあふれ、医療現場の皆さまでさえ非常に恐ろしいと感想として述べられていました。改めてしっかり準備していこうと申し合わせました。
そして、私の方から皆様に補足したほうが良いと思うのは、先日首相官邸にお邪魔した際に、JクラブのクラブハウスをPCR検査等の医療機関に提供する考え方はどうでしょうかということを官邸サイドに申し上げたところ、一つの考え方として非常にありがたいと言っていただいたことの一つの顛末について、実行委員の皆さんに説明させていただきました。もともと前回の会見でもお伝えした通り、実行委員会を通じて理事会で決議したことを持ち込んだものでは全くありませんで、我々が持ち込んだところで行政サイド、医療の専門家、政府からすると、言い方は悪いですが余計なお世話、ありがたいですが結構ですよ、と言われる可能性がある話でありました。我々自身は医療の専門家ではない中で、まずは感触を行政サイドに確認した上で、筋が良ければクラブに持ち帰ろうと打診した話でありました。
私どもの申し出に感謝していただけたことは私もうれしかったです。しかし全クラブ、全国でというオプションを行政サイドは全く考えておりませんでしたし、今もそうだと思います。こうした民間からの申し出を、一つでも、二つでも何か具体的な形になればいいですねということを言っていただいた話ですので、私が全クラブに号令をかけたものではありません。クラブハウスの所有そのものは行政所有が大半でありますし、近隣住民の感情もあるでしょうし、クラブの実情や感染度合いも地域によってまちまちだと思いますので、こういう話が具体的になってきたらクラブの皆さんと丁寧に話していきましょうということになっています。
総論としては理事会でも承認いただいているように、我々は何か要請、要望するだけでなくて、我々スポーツ界が国難といわれているようなタイミングで汗をかくことはとても大事なことだと理事会の皆さんにも言っていただいていますので、こうした形で具体的な協力ができれば継続して考えていきたいと思っています。またポンチョなどをセレッソ大阪が非常に多く寄付をされていたり、選手が手洗いや感染防止の働きかけを自発的、自主的に進めていただいたりしていることも見れば、まだまだ我々にもできることはあると思っています。そうした意味で、順番が前後しましたが、クラブにご報告した次第です。現時点で検査施設の提供について具現化しているものがあるわけではありません。それから、少しクラブ経営に関する部分での意見交換をいたしました。昨日、おとといあたりから木村専務理事と私ども財務関係のメンバーでクラブ経営のシミュレーションをしていく中で、現時点ではリーグ戦に関しては7月開催、8月めどでもある程度できるようになっていますが、仮に今年度正規の試合数が予定通り行えなかった時にクラブにどんな影響が出るのか、それに対して具体的にどんな備えをしていくべきなのかの議論を始めています。そうした内容に関しても、少し意見交換をさせていただきました。具体的なケースとしてお話ししますと、試合数が通常の公式試合の予定数がすべて消化できなかった時に、広告看板等を掲出していただいているスポンサーに、いわゆる広告メリット、協賛メリットを全額分提供できないことが想定されます。そうした場合にスポンサー企業が、クラブに対し、何とか新型コロナウイルス対策に関する復旧を支援するという名目で、いわゆる広告費の減額相当分、例えば半分くらいしか試合ができなかった場合、半分くらいがその広告費として見立てた場合、減額にあたる可能性があります。こうした減額相当分をクラブに寄付していただいた場合、税制上、スポンサー企業に税負担が発生することが無いように。当初の広告費と同じように、減額相当分の払い戻し請求権を放棄した場合、(減額相当分の広告費を)「クラブが使ってください」という風になった場合に、これが寄付ではなく、全額が損金計上できるような働きかけを、税当局、政府に対して努力を重ねていきますと、我々リーグもクラブスポンサーが痛みをシェアしてくれた場合にはメリットを還元できるように政府当局に払きかけながらコミュニケーションしていきますということを申し上げました。
すべての試合が開催できることを望んでいますが、個人に対して、またスポンサーに対して、損金計上、税額控除の対象となる施策があるようですが、チケットだけでなくスポンサーにもこうしたことが適用されるような働きかけをしていきたいと申し上げました。クラブサイドにも、日本中の企業が今後の資金繰りが見通せない状況が想定される中で、しっかり資金がつながるように努力してくださいということの働きかけも要請しています。Jリーグとしても現時点で緊急的に借り入れをしなければならないという状況にはありませんが、Jリーグもコミットメントラインをしっかり設定して、必要な時に必要な資金が獲得できるような交渉を、今後も金融関係としていく可能性があります。すべての日本企業、多くの企業がこうした動きをされている中だと思いますが、クラブにも我々Jリーグもしっかりした準備、備えをしていきましょうということを申し上げました。
攻撃は非常に楽観的に、守備、ディフェンスは悲観的にと、社内のメンバーに私から伝えています。しっかり、いろいろな想定をして、たとえば昨日も、クラブのパートナー担当メンバーなども交えた会議が行われています。無観客試合であってもバーチャルでの広告掲出をできるようになる、いわゆる良いプレーに対する投げ銭のような、バーチャルの試合環境でもお客様が支援できるような環境が整っているようです。そうして、積極、果敢に、新しいチャレンジに対してはアグレッシブにアイディアを出していこうということを話しています。一方でどのような経営リスクがクラブ、リーグに来るとも限らないので、しっかりと準備していこうという話をしています。