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2020年度 第2回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

2020年2月28日(金) 13:00

2020年度 第2回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

2020年度 第2回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録
2020年度 第2回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

2020年度 第2回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

2020年2月25日

〔司会より決議事項、報告事項について説明〕
本日行われました理事会の終了報告会見を行います。まずは、決議事項をお伝えいたします。

《決議事項》
1.Jリーグ百年構想クラブ認定の件

本日新たに、下記5クラブをJリーグ百年構想クラブとして認定いたしました。

いわきFC(JFL)
VONDS市原(関東1部)
南葛SC(東京都1部)
ヴィアティン三重(JFL)
FC大阪(JFL)

2.実行委員選任の件
ガンバ大阪U-23の実行委員を山内 隆司氏から和田 昌裕氏に変更することを承認いたしました。

3.理事・監事、特任理事内定の件
理事・監事、特任理事24名を内定いたしました。本件につきましては、3月12日に開催する2020年度第1回社員総会および、その後の理事会で正式決定いたします。内定者一覧は、リリースをご確認ください。

〔報告事項〕
1.2019年度Jリーグ TEAM AS ONE助成について
2019年度Jリーグ TEAM AS ONE助成を活用し44件の被災地支援活動を行いました。詳細は、リリースをご確認ください。

2.2020年度Jリーグ地域スポーツ振興活動助成の件
Jクラブより申請がありました110件を2020年度Jリーグ地域スポーツ振興活動助成対象として承認いたしました。詳細はリリースをご確認ください。

〔質疑応答〕
Q:理事・監事、特任理事内定の件ですが、米田理事が退任されることになりました。いきさつなどを教えてください。

A:村井チェアマン
新理事の審議を致しました。役員候補者選考委員会からの答申という形で野宮委員長から提案されました。委員会には、チェアマンだけではなく、業務執行理事、すべての理事・候補者の推挙をいただきました。まず、米田でございます。米田理事は主に社会連携、そして組織開発本部でバックオフィスを担当する役割でございました。大変有能で、まだ世の中にない「シャレン」という概念を2年の間に打ち立てることができました。またJリーグは2030ビジョン、2022年の中期計画、そして目指す姿と予算、人事など、組織ミッション全体を統合する極めて重要な役割を果たしてくれました。一つの骨格ができあがったと理解しております。

リーグの方は、一定程度財務の安定性や目指す姿の輪郭ができたので、最終フェーズは、この2年でフットボール。先般の内定発表のときに、「本場のフットボールに臨みます」と申し上げましたが、育成・強化・世界に割って入れるくらいの競技レベル、選手の輩出をという目標を掲げる中で、今回の人選は、フットボールを軸にした常勤理事・監事・特任理事をアサインしたフォーメーションでございます。今回、常勤の理事に内定しました佐伯 夕利子さんは、スペイン在住20年近くでございますが、ビジャレアルにおける指導・育成・監督の経験を踏まえ、フットボールに関わる内部のマネジメントも担当されています。数々の知見をもたらしてくれると思っています。その他、非常勤の理事として立石 敬之さんも迎えました。全体の理事の定数がある中で、今回はフットボールに軸を置き、米田さんには、大変感謝をしておりますが、任期満了となりました。二人の追加に関しましては、全体のバランスを見て委員会が答申されました。私自身、この2年が最終年度になります。全体のメンバーの若返りも必要です。長く、久しく外部からの登用ばかりでしたので、内部からの昇格を決定されました。常勤理事となります窪田 慎二は、フットボール本部の担当もしておりまして、ほぼすべてのJリーグ業務を経験しております。ユーティリティな人材の組み合わせができると認識しております。

Q:後継者を育てていくということもチェアマンの役割の一つかと思いますが、今回の理事の中に、将来のJリーグを担える人材がいるというイメージで考えてもよろしいのでしょうか。

A:村井チェアマン
将来のチェアマンを選任するのは委員会であり、私はその立場にありませんが、今回の業務執行理事・社外の理事・クラブからの選出理事・特任理事を含めて、いずれも大変有能な方々です。十分将来を託せる候補の方がこの中にもいると考えております。役員に関しては、長期に渡り一人の人間でということではなく、2年の任期の中で必要なものを発揮していただき、そのとき、そのときに必要な人材を役員として選出していくと理解しております。その点では、これからの2年は、フットボールが軸になり、もう一つ、フットボールを支える事業面の2つの重要要素を鑑みたメンバリングを重視されたと聞いております。

[新型コロナウイルスの影響に伴う試合延期に関して]
2月28日(金)から3月15日(日)の期間、明治安田生命Jリーグ、JリーグYBCルヴァンカップ、すべての開催延期を決定いたしました。本件に関して村井チェアマンよりご説明申し上げます。

〔村井チェアマンのコメント〕
新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、Jリーグは本日、一つの大きな意思決定をいたしました。
明日(2月26日(水))から3月15日(日)までの期間に開催予定の、JリーグYBCルヴァンカップ、明治安田生命Jリーグ(J1・J2・J3)すべての公式試合を延期することを決定いたしました。
昨晩、政府の新型コロナウイルスの感染症対策の専門家会議から発表がございました。それを受ける形で、本日11時に、すべての実行委員をつないだ緊急会議を行いました。その場で、(昨夜の)政府の専門家会議によると、この1-2週が感染拡大を抑えることができるか、できないかの大きな瀬戸際であるという談話の発表がありましたので、我々としてはこの1―2週が極めて重要であるならば、Jリーグとして協力していく必要があるだろうということで、合意を得ました。ここまでのプロセスとしては、大変な幾多の議論がありました。少し振り返ってみます。

2月20日(木)から24日(月・祝)までの5日間の中で、3回にわたり、全クラブの社長との意見交換会がございました。
物理的に集まることができないので、ビデオ会議を3回行いました。
1回目は2月20日(木)で、加藤厚生労働大臣からのイベント等開催に関する談話発表があった後です。翌日の21日(金)がフライデーナイトJリーグだったため、20日夜、全クラブの社長をつなぎました。どうしても会議に入れない場合もあるので、翌21日(金)に朝の部を設け、2回に分けて行いました。
スポーツを通じて、世の中に活力を与えていこう、社会の重要なインフラを担っているという我々としての自負があります。Jリーグの理念に掲げている通り、豊かなスポーツ文化、国民の心身の健全な発達を、サッカー、スポーツを通じて実現していこうという理念があるものですから、しっかり準備をして臨んでいこうという決意を新たにしました。
具体的には、すべてのクラブが、クラブ運営スタッフが感染拡大を担わないようにマスクをしよう、大型ビジョンなどで咳エチケットの啓発をしていこう、ということで試合を実施しました。
(その後は)2月21日(金)~23日(日)の3日間にわたって、明治安田生命J1、J2リーグの第1節を終えることができました。

第2回目は、21日(金)~23日(日)の試合後である昨日、24日(月・祝)に3回のスロットに分けて総括を行いました。
具体的に大会運営に関してどうだったのか、ファン・サポーターの声、地域の行政の声、選手や関係者の声など、全クラブから総括、フィードバックを行いました。
計3回のビデオ会議では、大変大きな知見を得ました。次の試合の運営に関して、メディアの皆様とのミックスゾーンの距離の在り方がどうあるべきか、マスコットが子どもたちに触れる時にどのような留意点があるのか、フードエリアにおける反省はどんなことがあるのか、非常に数多くの次に向けた意見交換が行われました。これが(議論の)半分でした。
もう半分は、今後に向けた開催についてのクラブの意向を確認することといたしました。我々は、今年の大きな指針として、オリンピック開催年でありますので、オリンピックの自国開催を成功させるために、すべてのJ1~J3のカテゴリーでオリンピック開催中には競技を行わないということで国に協力していこうということを決めておりました。一方で、初期段階において感染拡大を止めることによって、早期の段階で競技会をオリンピック期間中に開催することによって国に貢献できることはないだろうかという問題提起をしました。ここに関しては、意見が分かれたところで、競技会を継続することが我々の使命であるという、しかも、先般の政府の談話は一律に政府が自粛を求めるものではないというのが変わらない中で、我々として試合をストップするタイミングではないという意見も出ました。

一方で、感染拡大が深刻度を増している中で慎重に対応した方がいいという意見もあり、24日のビデオ会議はひとつの結論を見出すことはしませんでした。
そうした中、24日の夜半に、専門家会議の方からこの1―2週間が極めて重要だという談話が、専門家から発表されたことで、今日の11時に緊急に第3回の全クラブ会議を行うことにしました。
新たなステージになっている、変わってきているということを全クラブと共有した結果、きわめてイレギュラーな意思決定ではありましたが、翌日に控えている明日のルヴァンカップから中断、日程を変更し、政府の1―2週間という取り組みに関してサッカーとして協力することを全会一致で確認をいたしました。すでに選手の移動が始まっている可能性があるのと、多くのファン・サポーターの皆様がアウェイ観戦に向けて移動をはじめていたと思われます。そういう中で申し訳ない思いでありました。
また、理事会の決議を得ずにチェアマンの判断で翌日のルヴァンカップの開催延期を決めようということでクラブの承認を得ましたのと、いわゆるJリーグの規程によれば、大会運営(開催日程)に関してはチェアマンが決定できるという一文があるものですから、理事会には事後報告をさせていただくことを前提に、メディアの皆様には今日のお昼にリリースを出させていただいた次第です。
その目(視点)で、本日の理事会で残りの3月15日までの延期を決定し、皆様にお知らせする次第であります。

前提として、我々としては万全の体制で第1節を終了しましたので、第2節以降も十分に対応できるという自負と準備をしておりました。一方で、繰り返しますが、1―2週が重要ということで、少し余裕を見て、3週間にわたる試合の延期を意思決定しました。3月15日までは中断をしますが、明けの18日、明治安田生命J1リーグでは第2節を再開するべく、3週間十分な準備をして臨んでまいりたいと考えています。
そういう意味では、本当にサッカーを楽しみにされている皆様には大変申し訳ない思いもありますが、ある種の国難といってもいい状況の中で、ここは協力していくという趣旨を関係の皆様にお伝えしていくつもりです。

〔質疑応答〕
Q:再開の判断ですが、日々刻々と状況が変化し、死者や感染者が増えている状況で、3週間後収束していればよいのですが、事態が好転しない、もしくは被害が増えていく可能性もある中で、再開を3月18日に区切ってしまって大丈夫かという議論はありましたか?また再開できるという判断基準、指針はどこに求めているのでしょうか。

A:村井チェアマン
具体的な目安となるものといえば、専門家会議で1-2週間は集団感染の発生を抑えたいというものがありましたので、そこから 余裕を見て3週間とさせていただいたというのがまず一点目です。
本件に関しては日々状況が変わっているので、いわゆる3月15日時点での状況は今の時点で予見することは非常に難しいですが、例えば、一斉に自粛を申し入れるものではないという政府の判断が変わるのか、変わらないのか。
サッカーをプレーする選手、トップチームにかかわる者たちが感染していると競技が回らないので、クラブや我々自身がどういう状況なのか。また、本日の理事会でも助言をいただきましたが、我々Jリーグの中でも感染症の専門家との協議を開始することを決めましたので、専門家の助言もいただきながら慎重に判断してまいりたいと思っています。
場合によっては当然ですが、そこからもう少し延長する可能性もゼロとは言えませんし、そのときの状況で判断をしていこうと思っていますが、前提として、プロスポーツはこのようなタイミングでも、国民に勇気や元気与える可能性、力を持っているということを信じながら、万全の準備だけは怠らないように進めていこうと思っています。

Q:今回延期になった試合は、今回中断する予定のオリンピック期間中で代替開催するという考えなのでしょうか。

A:村井チェアマン
今回の3月15日までに関しては、極力オリンピック期間中を使わないで、平日開催等、その他の方法でやりくりのなかで克服できるラインだと考えています。
やはり国民が期待しているオリンピックですので、なるべく協力することは継続していきたいと思っています。
当然オリンピック期間中、数多くのテレビ番組や報道関係もオリンピックにシフトされると思います。我々としては代表招集に協力していき、競技の公平性を考えると、代表選手が多くチームから離れるクラブとそうでないクラブが発生するという中での競技会はなるべく控えた方がよいということで、今回の日程変更の移行先に関しては、オリンピック期間以外を前提として考えています。
先ほどの質問でご指摘があった通り、さらに再開までが伸びることになるとしたら、場合によってはオリンピック期間等も併用するプランをサッカー界としても考えなくてはいけないですが、その辺は仮定の状況です。

Q:確認ですが、先に発表したルヴァンカップの順延に関してはチェアマンの判断で、2月28日以降の試合の順延は理事会で決めたということでしょうか。

A:村井チェアマン
はい。基本的には試合日程の変更はルヴァンカップ以外もチェアマンが判断できるということですが、可及的速やかに判断をしなければならなかったのがルヴァンカップだったため、そこは私が判断をさせていただき、理事会に報告をさせていただきました。それ以外の日程に関しては、今日の昼時点でリリースしなくても、理事会後の発表で間に合うと思いましたので、私の方から理事会に起案して承認をいただきました。

Q:Web会議は臨時の実行委員会ということでよいのでしょうか。今回の延期によって、チケットの問題やスタジアムの確保などの影響をどのように考えているのでしょうか。

A:村井チェアマン
正確に言えば、実行委員会というオフィシャルな会議体ではありませんでした。クラブによっては実行委員がどうしても移動中で不在の場合もありましたので、代理出席を認めていました。実行委員を中心としたWeb会議と考えていただければと思います。
今後、試合日程を変更する場合、影響がいくつか起こりうると考えています。
自然災害や台風等での順延時の精算の仕方、クラブへの補填ルールがありますので、そうしたものに準じながら個別にみていきたいと思います。
日程の移行、スタジアムの確保に関してはクラブの協力を得ないと実現できませんので、3月18日(水)以降のシミュレーションに関しては、全クラブと各論で協議していきたいと思っています。

Q:国内の主要プロスポーツで最初の中止の決定となると思いますが、他の競技団体への影響、連携といった点でどのように考えているのでしょうか。(試合を)再開する場合の規約のプロセスを教えてください。

A:村井チェアマン
いろいろなスポーツ団体、東京マラソン等、スポーツ界でも見直しがあることは認識しておりました。限られた時間でした。昨日の夜、正式に認識したのは21時過ぎの専門家会議での談話だと思うのですが、その時点から今日の11時過ぎの会議での意思決定でしたので、時間が限られている中で十分に、日ごろ連携をさせていただいているスポーツ団体と、意思決定と十分なコミュニケーションができたわけではありません。一部競技団体とは意見交換をさせていただきました。リーグとしてはこういう考えですということをお伝えさせていただいた団体もございます。それがすべてではありません。
他の競技団体の影響については、競技種目や日程によってもずいぶん違います。政府がこの1―2週と言っていますが、この1―2週に大規模なイベントがあるのはJリーグだろうと思いましたので、全体を通じては長期に渡ればいろいろな判断があると思いますが、1-2週にできることという意味では、Jリーグが判断しなければいけなかったことと理解しています。

再開のプロセスについては、基本的にはクラブと協議の上、場所の手配、安全性の確認等を行ったうえで、通常の手続きに基づいて判断することですが、規約でケアするものについては、チェアマンが最終的に「よし」と判断すれば、中断の判断もですが、再開の判断も私にゆだねられていると理解しております。
ただ、第1節を開催して、相当数、十数万人の皆様をお迎えした多くの知見もありますので、そうした備えもしていきたいと思います。例えば、お客様をお迎えする際にマスク、消毒液の配備も極めて重要だと思いますので、それらが一定数程度持っているか(確保できているか)、単純に試合会場での確保だけではない、本件特有のシミュレーションが必要になってくるかなと思っています。

Q:今回、無観客試合を検討されたのでしょうか。また、J1・J2リーグ戦第1節、合計20試合の中で、スタッフやファン・サポーターの発熱などの事例があったのでしょうか。

A:村井チェアマン
我々プロのスポーツ団体はある意味ファン・サポーターの皆様に支えられて運営しています。
勝った・負けたの試合結果だけを競い合うのではなくて、ファン・サポーターの皆様にそれをお届けするために存在していると思っていますので、無観客の試合は、最後の最後まで、ぎりぎり手段として取るべきではないと思っています。
時に制裁等でクラブに対して無観客試合を科すこともありますが、試合日程を変更してでも、場合によっては大会方式をチューニングしてでも、お客様の前で試合を行うべきだと考えています。
(無観客試合という結論をとるのは)最後の最後、それを取りうるかどうかも私たちは慎重に考えるべきだという認識に立っています。
(2月20日~23日で)第1節を20試合行いました。今のところ私のところには、クラブの選手、関係者によるコロナウイルスの感染、発症等の情報は出ていません。第1節は私も2月21日の湘南vs浦和の会場で救護室をケアしていましたが、気分が悪いなどで運ばれた方はいませんでした。今のところそういう情報はないという認識です。

Q:今日の臨時のWeb会議では全会一致で決定ということで、難しい判断で賛否両論あるような性質の話だと思いますが、今日の段階で、賛否としてどのような具体的な意見がクラブの代表者から出ていたのでしょうか。また今回延期する日程をどこにはめ込むか、オリンピック前なのか、オリンピック後なのかをお聞かせください。

A:村井チェアマン
11時のWeb会議は緊急を要する会議でした。特にJ1はルヴァンカップを控えている中で、ひとつひとつクラブごとに実現の可否を確認していきました。アウェイで多くのファン・サポーターが移動する可能性もありますので、アウェイクラブにも一人ひとり、実際の運用を確認しました。
18クラブ全員にコメントいただき、明日は延期ができるというコメントをいただきました。
むしろ、昨日朝の10時から、13時から、15時半から第1回~第3回の会議をし、相当議論をしました。その中では賛否がある状況でしたが、政府見解が変わる場合は見解を変える必要があるということと、最終的にはチェアマンがある程度判断するべきだという2回にわたる会議があったものですから、今日は表立った反対はなかったという認識でいます。
延期日程については、どこにはめ込むかは同時進行でやっているところでございます。場合によっては一部オリンピック前に消化する可能性があるかもしれません。場合によっては、会場手配等の関係で、オリンピック後になるという可能性もあります。両方ありうると考えています。

Q:自然災害以外で、Jリーグが中止もしくは延期となったのは初めてでしょうか?

A:村井チェアマン
初めてとなります。

Q:今回は、大規模災害補填規定に該当するのでしょうか。また、今回の中止・延期を含めて、予算規模が少ないクラブは、経営が破綻する可能性が出てくる場合が考えられます。その際の救済措置などは、どのように行うのでしょうか。

A:村井チェアマン
補填ルール等々は、大規模災害規定のルールを準用することになると思いますが、最終的に補填措置を行うかどうかは、理事会決議事項になります。
救済措置については、まずは現状を把握することが大事だと考えております。純資産が薄いクラブで、入場料収入を当てにしないといけないクラブに関しては、キャッシュポジションをしっかり把握・確認をすることを同時進行しております。クラブと連携を取りながら、資金繰り等々の問題が起こらないか、十分に配慮していきます。そのほか、Jリーグには安定開催基金として、10億円ほどの準備金もあります。こうしたものを視野に入れながら、今回は試合を中止するのではなく、日程変更を行ってまいりますので、なるべく財務的な負担にならないような配慮は必要と考えております。

Q:今の質問と関連しますが、財政的に大変なクラブに対してJリーグがしっかりとアシストしていくという認識でよろしいでしょうか。

A:村井チェアマン
まずは、日程変更などでは若干の入場数の減少はあるかもしれません。クラブの自助努力がベースになります。その上で、明らかに損失していることが確認できた場合には、大規模災害等の補填措置はルール化されていますので、それを適用することになります。まずはクラブがしっかりと、本件の新型コロナウイルスの発症者を、クラブから出ないようにする。もちろん、今回の発症は大変広範囲に渡っておりますので、クラブから出ないとは限りませんが、まずは、そのことに集中し、財務的なところは、今のところ、大きな問題は出てきているものではないと考えております。

【担当者より補足】
大規模災害時の補填規程がございます。これは大規模災害によってクラブが損害を受けたときに補填するもので、政府などが認定する激甚災害に当たるものです。もしくはそれに準ずるものですので、今回がそれに準ずるかどうかは、今後の状況にもよりますが、明日の試合で発生している経費については、通常の雷や台風で中止になった場合の補填ルールを適用し、Jリーグが補填します。

Q:今後の状況によってですが、日程が厳しくなる中、例えばルヴァンカップのグループリーグは行わずトーナメント開催にするというようなレギュレーションの変更などは考えられるのでしょうか?また普段の練習やクラブハウスでの取材対応、ファン・サポーター対応などはクラブに委ねることになるのでしょうか?

A:村井チェアマン
大会方式の大きな変更に関しては、今は踏み込んでおりません。場合によっては一部チューニング程度の変更はあるかもしれませんが、グループステージを全部やめてしまうような判断までを考えているわけではございません。
また現在試合は3月15日まで公式試合は行わないとしておりますが、選手個人はキャンプを通じて体をつくっておりますし、最高のコンディションまで調整しておりますので、選手はトレーニングや強化試合などが組まれていくと思います。その際の一般の方、メディアの皆さまとの接触・接点等々につきましては、クラブ判断で考えていくことになりますが、時節柄、こうした公式試合までも中断している状況ですので、慎重に対応してほしいとクラブにはお伝えするつもりでございます。また、メディアの皆さまにも主旨をご理解いただければと思います。

Q:この3週間で「改善してほしい」など、チェアマンの思いをお聞かせください。

A:村井チェアマン
専門的な立場ではないので願いを述べるにとどまりますが、専門家の意見のように、少しでも甚大な拡散、感染拡大にならないことを願っております。それから、我々運営側からすると、マスクやアルコール消毒が底を尽いていく不安の中で、推移を見守っておりましたので、まず国民の皆さまに予防マスクなどが行き渡るように願っています。最終的には、18日のタイミングには、しっかりと試合が再開できること。野球等々も20日くらいから公式戦も始まるわけですが、野球やサッカーなど、国民の多くの皆さまに親しまれているスポーツが、安全に興行できる状況になることを願っています。

Q:今回の中止・延期は、トップチームの公式戦だけでしょうか?アカデミー年代に関してはどのような判断になりますか?また理事会にはJFAのメンバーもいますが、JFAとの相談などは事前にあったのでしょうか。またお話をしたという競技団体を教えてください。また、その内容は「Jリーグはこうなりそうだから」というお話だったのでしょうか?

A:村井チェアマン
今のところ、理事会ではトップチームの公式戦に関してのみで、それ以外に関しては今後協議していくことになります。基本、3月中旬までは、同等の扱いで議論していくことになります。
昨晩21時半の政府における専門家コメント発表の段階から11時までの間に意思決定をしていますので、JFA側とは電話ですが「Jリーグとしては、こういう判断したいと思っている」ということはお伝えして、最終的には「Jリーグの判断に任せる」と、理解・ご協力をいただきながら理事会に臨んでいました。今日の理事会の場でも、JFAの関係者、技術委員の関塚さんもいらっしゃいましたので、その場でも、十分な意見交換ができたと思います。

話をした競技団体については、連絡をしたところ、していないところがあり「リスペクトを欠いてしまった」「こちらにも連絡をしたかった」という思いがある中で全部をお伝えできませんが、バスケットや野球の関係者、相撲などです。ケースによっては事務レベルで、必ずしもトップとお話をできていませんが、その他、いくつかお話をさせていただいております。11時のタイミンッグで、会議を終えて連絡をしましたので、「こういう意思決定をしました。これからリリースを出します」というタイミングでのご案内でした。関係する競技団体の皆さまには、本当に申し訳なく思っておりますが、必要があればこの後、また連絡をしていきたいと思います。

 

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