8日に行われたFUJI XEROX SUPER CUP 2020で話題となったのが連続PK失敗だ。キッカーが圧倒的優位とされるPKにおいて、9人連続で失敗するという珍しい現象が起きたのだ。
これは世界的に見ても稀有なケースで、海外メディアでも取り上げられたほど。もちろん、日本においても初のケースである。
下の表は1992年から今年のFUJI XEROX SUPER CUP 2020までに行われたJリーグ、リーグカップ、チャンピオンシップなど、Jリーグがデータを記録しているJクラブ同士のPK戦(計133試合。天皇杯は含まれない)におけるPK連続失敗記録をまとめたもの。今回の9回はもちろん歴代ワースト記録となった。これに次ぐのは5回で、1993年7月3日に行われた横浜FvsV川崎戦で記録されている。4連続失敗はこれまでに4度あるが、今回の9連続失敗がどれだけ特異なケースかがうかがい知れるだろう。
※画像をクリックして拡大
連続失敗が起こる確率を調べると、2回が7.1185%、3回が1.8993%。4回の時点で1%を切り、0.5067%となった。そして9連続失敗が起こる確率はなんと0.0007%!おそらく今後、起こり得ることのない奇跡的な数値となっている。
そしてこのPK戦後に話題となったのは、PK失敗は果たして“伝染”するのかというテーマだ。前のキッカーが失敗すれば、自分も外すかもしれないという精神的な影響が生まれることは十分に考えられる。
その現象を裏付けるために、状況別のPK成功率を調査した。すると、1人目のキッカーは76.7%の成功率を示し、全PKの73.3%を上回る成功率だった。次に、前のキッカーが成功した場合の成功率は、73.7%と全PKのそれとほぼ同等に。逆に前のキッカーが外した場合は70.8%と、成功率が低下していることが分かった。
※画像をクリックして拡大
そこにメンタル的な影響があるのかは想像の域を超えないものの、数字上ではPK失敗は“伝染”しやすいものだと言えるだろう。
データ提供:データスタジアム