ルヴァンカップ決勝や日本代表の活動などもあり、10月の明治安田生命J1リーグは、28節、29節と2節のみの開催となった。ただし、浦和がACL決勝に進出したため、31節が前倒しで開催された広島と浦和は3試合を消化している。
2節分の開催となったものの、リーグの戦況に大きな変化が生まれている。8節以降首位を走り続けてきたFC東京が28節の鳥栖戦で敗れ首位から陥落。代わって鹿島が順位表のトップに躍り出ている。
22節以降負けなしを続ける鹿島は、10月の2試合も1勝1分とし着実に勝点を積み上げた。怪我人が続出する苦しい状況に追い込まれながらも確実に結果を出せるのは、強豪たるゆえんだろう。一方のFC東京は28節で鳥栖に競り負けたのが痛かった。それでも続く神戸戦では快勝を収めており、同勝点で鹿島にしっかりと食らいついている。
2強の勢いを上回るのは3位の横浜FMだ。10月の2試合では磐田、湘南を連破し、首位とはわずかに勝点1差に迫っている。リーグ最多得点数を誇る攻撃サッカーに陰りは見えず、残り5試合での逆転優勝を狙う。
4位の広島も2連勝で優勝争いに再び名乗りを上げたが、29日に行われた31節の浦和戦で勝ち切れず、逆転優勝が厳しくなった。5位のC大阪、6位の川崎Fも上位との差を詰め切れておらず、優勝の可能性は小さくなっている。
中位以下は混戦が続く。ひとつ消化試合の多い9位の浦和から16位の湘南まで勝点5差のなかに8チームがひしめく状況だ。10位のG大阪と15位の鳥栖が復調の気配を示す一方、11位の神戸(勝点35)、13位の清水(同35)、16位の湘南(同31)は、10月は2連敗と結果を出せなかった。
とりわけ苦しいのは湘南で、ここ7試合勝ちがなく、現在は4連敗中。浮嶋 敏新監督の初陣となった29節の横浜FM戦でも1-3と完敗を喫している。10月の2試合を1勝1分とした17位の松本が2ポイント差で迫っており、自動降格圏に転落する危険性も出てきた。18位の磐田はいよいよ厳しい状況に追い込まれているものの、残留ラインを巡る攻防は、最終節までもつれ込んでいきそうだ。