明治安田生命J1リーグは28節までを消化し、残りは6試合となった。鹿島がFC東京をかわして首位に立ち、9度目のリーグ優勝へ向け優位な状況を手にしている。
下の表は、J1が18チーム制となった2005年以降の優勝争いの傾向をまとめたもの。28節終了時点(2ステージ制の場合は、シーズン通算28試合を消化時点)の順位、勝点、残り試合での獲得勝点などを集計し、今季の優勝争いの行方を占っていく。
まず今季の順位と勝点を見ていくと、1位の鹿島の勝点は平均と比べるとやや低い数値となっている。2位のFC東京はほぼ平均で、3位の横浜FMは平均値を上回る。したがって上位3チームの勝点差は例年よりも詰まっていることが分かる。
では28節終了時点での順位は、最終的にどのように変化しているのか。1位だったチームがそのまま逃げ切るケースは14シーズンで7度あり、つまり確率は50%となる。一方で2位だったチームが優勝したケースも6度あり、43%と高い数値を示す。3位のチームが優勝したのは2007年の鹿島のだけで、4位以下からの逆転はこれまでに生まれていない。
順位ではなく勝点差で見ていくと、最大勝点差をひっくり返したのは、こちらも2007年の鹿島で、この時は首位の浦和と10ポイント差を逆転している。それ以外の逆転劇は5ポイント差までとなっており、この傾向を今季の状況に当てはめれば、首位の鹿島と3ポイント差の横浜FMには十分に逆転の可能性があるものの、4位の川崎Fは8ポイント差をつけられており、3連覇の実現は厳しくなっていると言えそうだ。
また3位以内に与えられるACL出場争いに目を向けると、28節終了時点で4位以下のチームが逆転で3位以内に入ったケースも、さほど多くない。3位と2ポイント差以上をつけられた場合では、わずかに6回のみ。ただし2013年の川崎Fは、残り6試合を5勝1敗とし、6ポイント差を覆して3位に滑り込んでいる。
最後に順位別の残り試合数での獲得勝点を見ると、1位のチームよりも、2位、3位のチームのほうが多くの勝点を得ていることが分かる。逃げる側にかかる重圧と、追いかける側の勢いがこの数値に表れているのかもしれない。
最多獲得勝点は2007年の鹿島をはじめ3チームで、わずか1ポイントにとどまったのは、2009年の清水と昨季の広島の2チーム。広島は3位以下との勝点差が離れていたこともあり、そのまま2位を維持したが、首位に立っていた清水は最終的に7位に転落している。
今季も残り6試合。最後まで目が離せない優勝争いは、果たしていかなるドラマが待ち受けているだろうか。
データ提供:データスタジアム