明治安田生命J1リーグは8月に第21節から第25節までが開催された。
首位に立つFC東京は、第23節に広島に敗れたものの、3勝1分1敗と安定した戦いを保ち、10ポイントを加算。悲願の初優勝に向けて、また一歩前進した。ただし2位の鹿島も同じく10ポイントを獲得し、勝点4差で追走する。主力の移籍が相次ぐなか、上田 綺世ら新戦力が活躍し、チーム力を維持しているのは、さすがは“常勝軍団”と言えるだろう。
横浜FMは3連敗と勢いを失ったが、その後に2連勝と盛り返し、3位をキープ。優勝争いに踏みとどまっている。8月に最も勝点を獲得したのは広島だ。3勝2分と唯一無敗で乗り切った。第15節からの無敗記録を11に伸ばし、4位に浮上。優勝争いに名乗りを上げている。8月の5試合でわずかに1失点。この堅守が今後も広島の強みとなっていきそうだ。
一方で前年王者の川崎Fは苦しい状況に追い込まれている。8月は3分2敗とひとつの勝利も挙げられず。首位に11ポイント差を付けられて、3連覇に黄信号が灯っている。
C大阪は3連勝を達成し、6位に浮上。札幌も着実に勝点を増やし、7位に留まる。なかでも第23節の清水戦で8ゴールを奪って大勝を収めるなど、圧倒的な攻撃力を示した。逆に大分は4分1敗で未勝利に終わった。前半戦の勢いに陰りが見えており、残り試合に向けて正念場を迎えている。
夏の補強で勢い吹き返したのは神戸だ。酒井 高徳、トーマス フェルマーレンがすぐさまフィットし、一時期の不調から脱却した。第24節の鳥栖戦では6ゴールと、持ち前の攻撃力が蘇ってきている。
その鳥栖も、神戸には敗れたとはいえ、8月は3勝1分1敗と好成績を残した。いまだ16位と下位に留まるが、着実に上昇基調を描いている。フェルナンド トーレスが引退したものの、残り試合で残留を目指す。
17位の松本も、粘り強い戦いを示し、徐々に調子を上げつつある。点を与えない戦いを実現できており、あとはいかに得点を奪えるか。このテーマをクリアできれば、残留は近づくはずだ。
苦しいのは磐田だ。8月は1分4敗と勝点を1しか上積みできなかった。第24節のC大阪戦から、今季3人目の指揮官となるフェルナンド フベロ監督が指揮を執るものの、結果につながっていない。残留圏の15位とは10差を付けられており、いよいよ厳しい状況に追い込まれている。残り9試合で巻き返しを実現できるか。新監督の手腕がカギを握る。