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2019年度 第4回Jリーグ理事会 定時会見録について

2019年4月28日(日) 15:25

2019年度 第4回Jリーグ理事会 定時会見録について

2019年度 第4回Jリーグ理事会 定時会見録について
2019年度 第4回Jリーグ理事会 定時会見録について

2019年度 第4回Jリーグ理事会 定時会見録について

2019年4月25日

〔司会より〕
本日の理事会におきまして、決議事項は2件です。

《決議事項》
1.実行委員選任の件(仙台)
本日開催した理事会で、ベガルタ仙台の実行委員を西川 善久氏から菊池 秀逸氏へ変更することを承認しました。

関連プレスリリース
https://www.jleague.jp/release/post-58400/

2.参与選任の件(井畑氏、淵田氏)
本日開催した理事会で、4月25日付で株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー 相談役を退任される井畑 滋氏、4月26日付で浦和レッドダイヤモンズ株式会社 取締役社長付を退任される淵田 敬三氏を参与に選任することを承認しました。
参与の任期は3年間となります。

関連プレスリリース
https://www.jleague.jp/release/post-58403/

[報告事項]
1.2019シーズンJ1クラブホームグロウン選手数の件
3月29日現在のJ1クラブのホームグロウン選手の数を改めてご報告させていただきます。なお、Jリーグ公式サイトの選手名鑑で「HG」と表記されておりますので、そちらより確認することができます。
ホームグロウン選手登録は、J1は2名、J2、J3はございません。J2、J3は2022年シーズンより1名ずつとなります。

2.2019シーズン後半日程発表スケジュールの件
8月9日に後半日程の詳細を発表いたします。開催日は発表済みですが(J2・J3のみ。J1はこの日)、キックオフ時刻、テレビ放送を発表いたします。

関連プレスリリース
https://www.jleague.jp/release/post-58407/

3.2019「Jリーグをつかおう!」開催の件
Jリーグをつかおうという昨年も実施した社会連携のイベントを開催いたします。
当日は村井チェアマンと米田理事が登壇いたします。

〔村井チェアマンのコメント〕
皆さんこんにちは。理事会が先程終わりました。おそらく日本中に「平成最後の」という言葉があふれていると思いますが、本日平成最後の理事会を終えております。思えば平成という時代とともにJリーグはありました。27年目を迎えましたが、皆様には本当にお世話になりました。ありがとうございました。

ホームタウンも39の都道府県に裾野を広げておりますが、この間、全国にプロスポーツクラブをという地域密着の理念に一歩一歩、歩んで参りました。ファン・サポーターの皆様にも本当に感謝しております。今回は大型の連休になりますので、クラブもいろいろと一つの「書き入れ時」とも言えるタイミングでの理事会となりました。活発な議論があり、今後のJリーグの方向性を今年度は決めていくことが目白押しでございますので、今日は、全体の枠組みみたいなものを議論させていただきました。

いろいろなテーマや課題がありますが、平成の時代、考えてみればプロスポーツにかかわる人材を多く育成・輩出し続けた歴史とも言え、55クラブを単純に30人の選手で掛け算をしますと、1,500人くらいの選手が育ってきました。その倍以上のスタッフ、指導者、現場の人材を輩出してきた歴史でもありますが、「令和」になっても人を育てていくことに基軸をおきながら、努力をして参りますので、よろしくお願いします。

本日、一つ大きな特徴と言えますが、入場数がJ1を中心に大きく伸びています。昨年同時期と比べると15%くらい増えています。だいたい1~2%増えることが、今まで言えば箱(スタジアム)も、人数が多くなりましたので、節を重ねてきますと、従来になくJ1も大きく伸びております。

J2は収容率を見ています。今年は、ラグビーワールドカップなどで、味の素スタジアムなどが使えません。収容数のキャパシティ自体が昨年と変わってきていますので、キャパシティに対する収容率の増減を見ないと、単純な人数の増減では比較できません。ラグビーワールドカップイヤーでもありますので、収容率を見ていますが、J1では昨年比106%。人数は115%なので、J1は収容率をもう少し伸ばせるのかなと感じています。J2は、収容率107%ですが、昨年比で実の入場数は96%です。昨年に比べると満杯ですが、入場数が少ないのは大きな箱を使えていないクラブがあるからだと認識しております。そういった指標を見ながら、今後を見ていきたいと思っています。

また、ACLは全クラブグループステージ突破を掲げていて、昨日も非常に悔しい思いをしているわけですが、Jリーグクラブの累計勝ち点が24点。韓国のクラブが28点。中国のクラブは27点です。日本の4クラブすべてにグループステージ突破の可能性を残しておりますが、残り二つがとても大事な正念場となっています。十分戦える力はあると信じていますので、ACLも含めて頑張っていこうと思っています。

〔米田理事の補足コメント〕
「Jリーグをつかおう」というイベントについて補足をいたします。ワークショップイベントで、昨年も多くの皆様に取材をしていただいておりますので、大体の流れなどはご理解いただいていると思います。企業やソーシャルセクター、自治体の方々などを有名なシェアリングエコノミーの第一人者の方などにも来ていただき、「Jリーグをつかおう」と呼びかけることによって、Jリーグの多様な価値を発見、理解していただくこと。また、一緒にバージョンアップしていく活動を行おうという呼びかけが、「Jリーグをつかおう」というメッセージに込められております。

ここに至った背景としては、20,000回を超えてきているホームタウン活動において、社会に上手に伝わっていないという課題感があります。いろいろなメディアの方とお会いすると「全然知らなかった」という方も多く、発信力にまだまだ伸びしろがあると感じています。そうした社会的な多様な価値を、しっかりとストーリーを持って伝えていくことが大事だと思っています。

〔質疑応答〕
Q:今シーズンから外国籍選手の登録枠が緩和され、J1、J2の試合を見ていても外国籍選手が増えた印象があります。現状どのような認識でいるか。また、並行して導入しているホームグロウン制度も踏まえて、どのようなことを感じていますか?

A:村井チェアマン
数字での計測もしています。外国籍枠を緩和したことで、登録、出場等といった数字の詳細はまた改めて提供しますが、見立て通り登録は増えています。
ベンチ入りは5人ですが、登録を緩和したことで、外国籍選手が指定席ではなく、外国籍選手同士での出場をめぐって戦いが行われているので、そこに競争原理が働いているということはプラスに働いているかなと感じて数字を眺めておりました。
ホームグロウン制度については、スターティングラインナップに「HG」という表記がされるようになり、クラブによっては二けた、20に近いクラブもあれば、一人というクラブもあり、加入のタイミングなどによってスタートの時期が違いますので、一概に比較はできないのですが、明確に自クラブの選手の育成に舵を切っているクラブも見て取れるようになりました。
逆に、ファン・サポーター目線からすると、おらが町のHGの選手に注目して応援しようということもいろいろな会話の中から聞こえてきています。当初計画した内容は、一歩ずつではありますが、成果を得られていると思います。
なお、HGに関しては、J1のみならず、J2、J3クラブからも「早く検討したらどうか」というポジティブな意見も出ています。J1だけではないクラブにも、ポジティブな意見を頂戴しております。

Q:先ほど入場者数に触れられましたが、平成の節目としてお伺いすると、一時期落ち込んだ時期もありましたが、Jリーグの入場者数は確固たる一部のファン・サポーターの方に支えられて、しっかりとした基盤があった上でどう増やしていくかというステージにあると思います。実行委員会などでも、デジタル、チケッティングやマーケティングのお話を頻繁にされていると思いますが、今後を見据えて入場者数増の施策や、どういったものを使って増やしていくか、イメージや戦略があれば教えてください。

A:村井チェアマン
まずは、Jリーグの基本的な来場いただくパターンにおいて、「誘い誘われ」という言葉があるように、熱心なファン・サポーターに誘われて行ってみたら、すごく面白かった。その方が熱心なファン・サポーターになって、また誰かを誘っていく。誘うという行為が中核な概念です。来ていただいた方に、どれだけ満足していただける環境を提供できるかに尽きると思います。
前回の実行委員会ではダイナミックプライシングに関する事例共有がなされました。横浜FMが実践していますが、ゲームや席種によって値段が変わる。そういうような、いわゆる宿だったり航空機だったりと、すでに当たり前になっている需要に対しての、値付けがされるような方法を遅ればせながら全クラブで共有しています。
また、初回、2回目、3回目の方には、来場頻度に応じたパーソナライズしたサービスを提供していく。これに関しては、お客様一人ひとりを我々がしっかりと捕捉することが大切なアプローチで、JリーグIDは登録が100万人を超えておりますし、通常のサービス業では当たり前のことをしっかりと提供していこうというのが前提であります。
加えて本業はサッカーですので、魅力あるサッカーを提供していくように、クラブと協力しながら続けていく必要があると思います。世界のスター選手が来るようなJリーグであることも必要です。いろいろな観点でサッカーそのものを楽しんでいただけるようにすること。また、審判も含めて重要な役割を担っていただいているので、ジャッジリプレイのように、良い判定だと原副理事長が発信したり、正していくべきはこうだというところも含めて、情報を開示していくことやJリーグがPUBレポートのような形で検討したり、議論していただく材料を提供しているように、ディスクローズしていくことがお客様のためになるのかなと思っています。

Q:今年、入場者数が増えているのはなぜか。分析などがあれば聞かせてください。

A:村井チェアマン
もう少し時間をみてみたいなと思っています。昨年がワールドカップイヤーでしたし、同節比の中でも、若干、平日開催が多かった年でもあります。昨年比として単純に比較することは、時期尚早かなと思っています。もう少し経過をしたところで、分析をしたいと思います。一つ大きな特徴は、フライデーナイトJリーグの回数を増やしていますが、来場数、DAZNの視聴数など、いろいろな意味でポジティブな数字が出ていますので、新たなお客様との接点が増えている可能性があると思います。

Q:「Jリーグをつかおう!」というイベントで、昨年と似たところ、変えていくところがあると思いますが、開催を経て目指すところ、到達点はどこに設定しているのでしょうか。

A:村井チェアマン
ForbesJAPANという雑誌の表紙を米田が飾りました。個人的には腰が抜けるくらいびっくりしましたが。
持っている意味合い、なぜこうなんだろうということを私なりに考えてきましたが、今までのJリーグではなかなかなかったことです。これからの時代の大きな底流をなす概念が、行政の財政や中央の配分をあてにしたのでは難しい中で、個人の相互扶助というような、一人一人が人生のオーナーシップを持って、自分たちの町をこうする、ああするというエネルギーや社会システムが、次の時代にとても大事なのかなと。思い付きと言っては怒られてしまうかもしれませんが、限界まできたホームタウン活動をこの先、2倍、3倍と増えない中で、逆転の発想で「Jリーグをつかってもらおう」と言った裏側に、Jリーグをつかいたいと思っている、自分たちで社会を作ろうとしている人たちがいた、相互扶助、言い方を変えるとシェアリングエコノミーだったりするかもしれませんが、そういう時代感が非常に重要な方向にあるのかなということを読みながら再確認しました。

Q:収容率のことをおっしゃいましたが、J1が106%、J2が107%とのことですが、100%を超えるというのは、収容数に対して106%を超えているという意味でしょうか。

A:村井チェアマン
昨年に比べて収容率が伸びたという数字なので、収容数に対して106%という意味ではないです。

Q:ホームグロウン制度について、松本山雅FCは1名で不遵守への対応がある(2020シーズンのプロA契約選手数「25名枠」が1名減じられることになる)とのことですが、カウントの基準日をJリーグは登録ウインドー(第1登録ウインドー終了の3月29日に時点)にしていますが、夏にも登録日を設けて考えたりすることはあるのでしょうか。
3月で締めると、夏のウインドーで移籍してきた選手の半分くらいがホームグロウン選手(以下HG選手)となる場合があると思いますが、見直しは今後するのでしょうか。

A:黒田フットボール本部長
今シーズンのルールとしては、第1ウインドー終了の3月末、今年は3月29日を唯一のカウントのタイミングとし、夏のウインドーにおいて追加でカウントすることはございません。
なぜかというと、各クラブが選手を育てて、シーズンの入りでの登録でいったんの結果が出ているはずですので、そこできちんと登録をしてくださいというルールですので、一斉に第一ウインドーを基準日として、年1回にしているということがルールの趣旨です。
第2ウインドーになると、シーズン当初に活躍を期待してHG選手を登録したものの出場機会がない場合、期限付き移籍で当該選手を出すなどもあり、逆に目減りするようなクラブも出てくるので、第1ウインドーを基準日としています。

Q:例えば、鳥栖に4人にいるとして、おそらくHG選手が夏のウインドーでJ2、J3に移籍するという流れがあるとそのクラブのHG選手がゼロになるということもあると思いますが、それでもクリアしているということになるのでしょうか。

A:黒田フットボール本部長
そうなります。

Q:松本がかわいそうだなと個人的に思います。松本はホームのファン・サポーターに愛されているクラブなので、地元に愛されているクラブが、人数が少なくてペナルティを受けるのはどうでしょうか。
オリジナル10のチームなどは昔からユースがあってそこに入りたいという選手が多くいると思いますが、松本は歴史が長くない。不公平感があるのではないでしょうか。

A:黒田フットボール本部長
その点については、ルールを作る際にクラブの皆さんと議論をしました。当然20年近くあるクラブとは育成力の違いがあり、不公平なのではないかという声もありましたが、このルールは守れなかったところに罰則を与えるのが目的ではなくて、本質的には各クラブの育成力を底上げしていきましょう、ということですので、その趣旨に合意をして賛同していただいてこういうルールになっています。

Q:来年は25名枠が24名になって、さらにJ1に残った場合はHG選手を2名登録するということになるのでしょうか。

A:黒田フットボール本部長
そうです。

Q:「Jリーグをつかおう!」という言葉を広めていったほうが良いのでは。

A:村井チェアマン
今回のイベントに合わせて、社会連携のホームページを開設する予定です。そこで概念や取り組み事例を出して、その時に皆さんにご理解いただくことになると思います。
まだ構想段階ですが、一年やってみて、色々な取り組み活動の中で「これこそ『Jリーグをつかおう!』というようなシャレンのアウォーズのようなことをやってもよいのではないかと思います。
そういう意味では、しっかり固めながらこの活動を大事に育てていき、コミュニケーションをとっていければと思います。
収益なのか、世の中に対する還元なのか、2者間でクラブからいろいろなサービスを提供して、その対価としてお金をいただく、2社間の価値の交換のモデルというよりは、米田が申し上げた通り色々な人が集まっていろいろなものを持ち寄って、共創、ともに作っていく概念なので、その概念を、コミュニケーションをとって伝えていくグループも必要だと思っています。

Q:「Jリーグをつかおう!」に関して、ホームタウン活動においてお話しを聞いた際にうかがった、川崎フロンターレの障がい者の就労支援の事例などは、NPOや川崎市も絡んでいて、社会連携に近い動きだと思います。学校にサッカー教室をしに行くといった活動は別だと思いますが、NPOなどが絡んできた場合は、社会連携との親和性が強くて似たような話になると思いますが、すみわけはどうなるのでしょうか。

A:米田理事
まさに川崎フロンターレの就労体験は シャレンですという話をしています。
ホームタウン活動は地域に根差した活動です。
その中で3者以上の人が組み、共通テーマを掲げた活動を、社会連携活動、シャレンと定義としています。
フロンターレの就労活動はホームタウン活動の中でシャレンにあたります、とクラブに伝えています。

Q:「シャレン」を見える化しようということでよいのでしょうか。

A:村井チェアマン
多くのNPO団体や、ボランティア、ソーシャルセクターと言われる方々が、シャレンが競合するものではなく、そういう方々にこそ使っていただきたいという座組を作っていくこととなります。

 

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