今節の明治安田生命J1リーグは、今季の行方を占う重要なカードが組まれている。無敗で首位に立つ広島と、同じく無敗で2位のFC東京が対峙する首位攻防戦が行われるのだ。
広島はここまでわずか3失点の堅守が光る。無失点記録は前節の神戸戦でストップしたが、攻撃陣が意地を見せ、今季最多の4ゴールをマーク。安定した守備に加え、ここ2試合で7得点と攻撃面にも勢いが生まれており、良い状態でこの試合を迎えることができそうだ。
対するFC東京も前節は鹿島に3-1と快勝。こちらも守備組織に自信を持ち、鋭いカウンターから相手ゴールに迫っていく。ともにインテンシティの高いサッカーを特長としており、各局面で激しいバトルが繰り広げられることは間違いないだろう。一瞬でも隙を見せれば、やられてしまう。そんな緊迫感に満ちた戦いが展開されるはずだ。
2連勝で3位に浮上した大分は、G大阪の本拠地に乗り込む。持ち前のパススタイルが機能しており、新加入のオナイウ 阿道が調子を上げてきたのも好材料。昇格チームの勢いは、さらに加速していきそうな気配だ。対するG大阪は3連敗で15位に沈む。課題の守備に加え、ここ2試合は無得点。攻守両面で不安を抱えるなか、この苦境からいかに脱していくのか。宮本 恒靖監督の手腕に注目が集まる。
4位の名古屋はホームに磐田を迎える。前節は先制しながらも追いつかれ、横浜FMと引き分けた。攻撃の形は作れているだけに、いかに得点へと結びつけるか。前節、久しぶりにゴールを決めたジョーが重要な役割を担いそうだ。対する磐田は前節、清水との静岡ダービーに敗れ、連勝はならなかった。ライバルに敗れたショックは小さくないはずだが、上手く切り替え、復調のきっかけを見出したい。
5位の横浜FMは、札幌の本拠地に乗り込む。ここ3試合は負けがなく、好調を維持する。直近の2試合で3得点を決めているマルコス ジュニオールのパフォーマンスに注目が集まる。一方の札幌は、前節C大阪を下し、連敗を3で食い止めた。課題の守備が無失点に抑えたのは好材料で、今節も横浜FMの攻撃に対し、粘り強く対抗したい。
鹿島はホームに仙台を迎える。前節はFC東京に敗れ開幕以来の黒星を喫したが、後半に見せた反攻には鹿島らしい迫力が備わっていた。状態は悪くなく、上位に食らいつくためにも、ホームで確実に勝点3を手にしたい。対する仙台は前々節に今季初勝利を挙げたものの、前節は大分に完敗。得点力に課題を抱えており、攻撃陣の奮起が求められるだろう。
浦和vs神戸も今節の注目カードとなる。浦和は前節、G大阪に競り勝ち、3試合ぶりに勝利を手にした。新戦力のエヴェルトンに今季初ゴールが生まれるなどポジティブな材料は多く、良い状態でこの試合に臨めそうだ。一方の神戸は、水曜日に監督交代を断行。吉田 孝行新監督の下で、再起を図る。ここ3試合で9失点と守備に課題を抱えるなか、守備組織の構築に定評のある新監督が、どのように修正してくるのか。その手腕に大きな注目が集まる。
川崎Fはホームに湘南を迎える。前節は鳥栖に競り勝ち、8位に順位を上げている。その試合で復帰した大島 僚太のパスワークが、今節でもポイントとなるだろう。湘南はここ2試合勝利がない。前節は終了間際のゴールで追いつかれ、松本と引き分けた。終盤の失点が増えているだけに、この時間帯の戦い方がカギを握りそうだ。
清水は前節、磐田との静岡ダービーを制し、待望の今季初勝利を挙げた。鄭 大世、北川 航也と取るべき人が結果を出しており、ここからの巻き返しに期待がかかる。一方、対戦相手のC大阪は2試合勝利がない。守備の安定性は備わるものの、攻撃面の迫力不足は否めない。柿谷 曜一朗、清武 弘嗣の2枚看板にかかる期待は大きい。
最下位に沈む鳥栖は松本とアウェイで対戦。7試合でわずか1得点しか奪えていない攻撃面をいかに改善できるか。フェルナンド トーレス、金崎 夢生ら前線のタレントを生かすスタイルを構築したいところだ。松本は2試合負けなしで12位に順位を上げた。前節、同点ゴールを決めたレアンドロ ペレイラが、さらなる浮上のキーマンとなりそうだ。
■各試合の見どころをチェック
川崎Fvs湘南
広島vsFC東京
札幌vs横浜FM
浦和vs神戸
松本vs鳥栖
名古屋vs磐田
鹿島vs仙台
清水vsC大阪
G大阪vs大分