Jリーグは5月9日、JFAハウスで今シーズンよりスタートするスポーツビジネスの経営人材育成事業「Jリーグヒューマンキャピタル(JHC)」の一環として、「Jリーグ・立命館『JHC教育・研修コース』立命館マネジメント講座(基礎)」(以下、本講座)の開講式およびキックオフイベントを開催した。昨年5月、Jリーグと立命館大学は教育・研究・文化・スポーツ振興と発展、人材育成、地域振興、国際交流、学生・生徒などの人的交流という5項目にわたる「業務提携に関する合意書」を取り交わした。本講座は人材育成に関わる取り組みで、日本のプロスポーツクラブの将来を担うマネジメント人材、経営候補者を育てようという取り組みだ。
開講式ではまず、Jリーグの村井 満チェアマンが第一期受講生43人を前にあいさつ。「どんなことをやるにしても、トップにどういう人が立つかによって方向性が決まってしまう。自分を超える力を持った人を探そうというのが選考基準。スポーツが日本を変えるというぐらいの視座を持って取り組んでほしい」と激励した。続いて立命館大学の吉田美喜夫 総長も「日本のスポーツ界、ひいてはスポーツにとどまらない、日本そのものの未来を担うリーダーになることを期待する」と述べた。また、塾頭という立場で実際に本講座の運営に携わる中村 聡Jリーグ経営人材育成グループリーダーは共有しておきたい考えとして、受講者と提供者ではなく、一緒にゴールを目指すパートナーという関係であることを強調した。
本講座は2016年2月25日(木)までの約9カ月間、毎週1回、平日(火曜または木曜)の夜間に立命館大学東京キャンパス(丸の内)またはJFAハウス(本郷)で開かれる。同大が提供する前期はビジネススクール科目、スポーツビジネス科目で、リーダーシップ論やスポーツマーケティング論などを、それぞれの専門家である同大教員が講義する。後期は同大と連携し、Jリーグが提供するJリーグ・Jクラブ科目。歴代チェアマンやJクラブ社長らが講師となる予定で、JリーグやJクラブの現場で実際に起きている事象を材料に、まさに“生きた”学習も可能となりそうだ。
第一期受講生の内訳は、男性が39人で女性が4人。年齢は26~53歳で、平均年齢は38.0歳。職種もJリーグ選手OB、会社経営、国会議員秘書、フリーランスメディアなど多岐にわたる。その中の一人で、鹿島アントラーズや日本代表で活躍した中田浩二氏(現 鹿島クラブスタッフ)は、受講生を代表して「いつかは村井チェアマンを超えられるように、(受講者の)みんなで協力し、刺激し合い、励まし合って頑張っていきたい」とスピーチした。開講式を終えた受講生たちは、続くキックオフイベントで全員の握手、グループ分け、各グループのリーダーによるメンバー紹介と進むにつれて緊張もほぐれた印象。新たな仲間たちとの会話も弾む中、新たなチャレンジへの第一歩を踏み出した。