2月22日に開幕した明治安田生命J1リーグはすでに第5節までを消化。昨季残留争いに巻き込まれた名古屋が首位に立つ一方、前年王者の川崎Fはスタートダッシュに躓くなど、波乱含みの序盤戦となっている。
勝点12で首位に立つ名古屋は、今季もその攻撃力は健在。昨季得点王のジョーだけでなく、ジョアン シミッチ、赤﨑 秀平ら新加入組もすぐさまフィットし、攻撃力アップの要因となっている。課題の守備もここまで3失点と安定感を備えており、今季の優勝レースの主役に躍り出たとしても不思議はない。
2位につけるのはFC東京だ。第4節では名古屋に唯一、土を付けるなどここまで無敗をキープ。堅い守りと前線のスピードを生かした攻撃が機能し、着実に勝点を積み重ねている。3位の広島も無敗を維持。3バックへの変更で守備力がさらに向上し、5試合でわずか1失点と堅守を実現。攻撃面に課題を抱えるものの、安定した戦いを続けている。
大型補強の神戸は、そのタレント力に偽りのない実力を発揮している。大きいのはやはりダビド ビジャの存在だろう。すでに3得点を挙げ、チームの攻撃をリード。アンドレス イニエスタ、ルーカス ポドルスキとの連係は、間違いなくリーグ屈指の破壊力を秘めている。
昨季王者の川崎Fは苦しいスタートを強いられた。開幕3試合連続ドローと勝ち切れず、第4節にはG大阪に惜敗。終盤の失点で勝点を落とすケースが目についた。それでも第5節に松本に快勝を収め、ようやく初白星を手にしている。この勝利をきっかけに、今後の巻き返しを狙う。
昇格組の2チームは、明暗分かれる序盤戦となった。大分は開幕戦で鹿島を撃破するなど、ここまで3勝を挙げて6位に位置する。ポゼッションスタイルを軸とした攻撃スタイルは、今季のJ1に旋風を巻き起こしている。5得点を挙げている藤本 憲明も一躍今季の注目選手に。しばらくこのチームから目が離せそうもない。
一方、松本は大分との対戦では意地を見せたものの、その後に3連敗で14位に沈んでいる。J2を制した守備力はJ1でも十分に通用しているが、攻撃面に課題を抱えている。5試合でわずか2得点の状況をいかに改善していくのか。反町 康治監督の手腕に注目が集まる。
カレーラス新監督を迎えた鳥栖は、開幕3連敗スタートとなったが、その後は1勝1分とし、復調の兆しを見せている。苦しいのは静岡の2チームだ。ともに5試合を終えて勝利がない。磐田は攻撃面、清水はリーグワーストの14失点を喫する守備面に不安を抱えている。ともに地力は備わるだけに、4月の反攻が期待される。
さらに厳しいのは仙台だ。開幕戦を引き分けた後は4連敗。6年目を迎えた渡邉 晋監督のもと、組織の成熟度は高まっているはずだが、なかなか結果を手にすることができていない。複数失点が続く守備組織の修正が、復調のためには求められてきそうだ。
明治安田生命J1リーグ結果(2月)
明治安田生命J1リーグ結果(3月)