明治安田生命J1リーグは、前節に川崎Fの優勝が決定。残り2試合の焦点は、3位までに与えられるACL出場権争いと、残留争いとなった。
ACL出場権争いは2位の広島から8位のC大阪にまで可能性が残されている。一方、残留争いはすでに最下位の長崎の降格が決定。自動降格の危険性があるのは、14位の湘南から17位の柏までで、11位の横浜FMから13位の磐田までが、J1参入プレーオフに回る可能性が残されている。
つまり、優勝を決めた川崎Fと9位のG大阪、10位の仙台、18位の長崎を除く14チームがACL出場、もしくは残留争いを繰り広げている状況であり、大混戦となった今季のJ1は最後まで目が離せない展開が続いているのだ。
今節に勝利を収めれば2位を確定できる広島は、ホームに16位の名古屋を迎える。現在5連敗と苦境に陥るなか、今節はエースのパトリックが出場停止に。得点源不在のなかで、他の攻撃陣の奮起が求められる。対する名古屋は勝てば自動降格を回避できる状況となる。もっとも前節は、清水に完敗。こちらも無得点に終わった攻撃面の修正がポイントとなりそうだ。
3位の鹿島は仙台の本拠地に乗り込む。アジアの頂点に立ち、水曜日には甲府を下して、天皇杯の4強に名乗りを上げている。天皇杯の準決勝、クラブワールドカップを控え、ハードスケジュールはまだまだ続くが、リーグ戦でも3位以内を確保し、その後の戦いに弾みをつけたいところだ。
4位の札幌はアウェイで磐田と対戦。3位の鹿島との差はわずかに1ポイント。クラブ史上初のACL出場に向けて、勝点3の確保が求められる。一方の磐田は、勝てば残留が確定。現在4戦負けなしと好調を維持しており、その勢いを今節にも持ち込みたいところだ。
5位のFC東京は、ホームに川崎Fを迎える。前節は磐田とスコアレスドロー。攻撃面の課題をクリアし、ACL出場に望みをつなぎたい。川崎Fは優勝を成し遂げたとはいえ、前節はC大阪に敗戦。多摩川クラシコと銘打たれるライバル対決を制し、王者の意地を示せるか。
6位の浦和はアウェイで湘南と対戦。3位以内を狙うには、勝利こそが求められる状況だ。司令塔の柏木 陽介、日本代表の活動で負傷した槙野 智章を欠くなか、代わって出場する選手のパフォーマンスがカギを握るだろう。一方の湘南も、残留のためには勝点3の確保が必須。ルヴァンカップを制した後のリーグ戦では3試合連続で無得点。攻撃陣が意地を示し、ホーム最終戦で残留につながる勝利を手にしたい。
8位のC大阪はホームで柏と対戦。3位以内を確保するには、2連勝が絶対条件。前節に川崎Fを撃破した勢いを、今節にもつなげたいところだ。対する柏は敗れれば自動降格が決定する。加藤 望監督を解任し、今節からは岩瀬 健コーチが指揮を執る。この決断が英断となるか。まさに運命の一戦となる。
鳥栖vs横浜FMも、残留をかけた重要な戦いに。鳥栖は勝てば自動降格を回避でき、横浜FMも15位以上が確定。2試合連続でクリーンシートを達成し、守備が安定する鳥栖に対し、横浜FMはリーグトップの得点力を誇る攻撃が売り。対照的な両者の戦いは、そのストロングポイントが生かされたほうに、勝利が近づくだろう。
横浜FMと同じく、勝てば残留が決まる神戸は、清水の本拠地に乗り込む。ここ2試合は負けがなく、フアン マヌエル リージョ監督の戦術が徐々に浸透してきた印象だ。イニエスタとポドルスキの両雄の状態も悪くなく、標ぼうする攻撃スタイルを示して残留を確定させたい。
8連勝中のG大阪は、ホームに長崎を迎える。途中から指揮を執る宮本 恒靖監督の下で大きく生まれなかったチームは、この連勝記録をどこまで伸ばすことができるのか。来季につながる戦いを示し、ひとつでも上の順位を狙う。一方の長崎は、17位以下が確定し、降格が決まった。J1での挑戦は1年で幕を閉じたが、今季示したアグレッシブな戦いは十分にインパクトを残した。その積極果敢な戦いを貫き、G大阪の連勝記録を止められるか。
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仙台vs鹿島
FC東京vs川崎F
湘南vs浦和
清水vs神戸
磐田vs札幌
G大阪vs長崎
C大阪vs柏
広島vs名古屋
鳥栖vs横浜FM