2月25日に開幕したJ2リーグは、すでに7節を消化。42試合のリーグ戦の6分の1を終えたことになる。
昨季までJ1に所属した甲府、新潟、大宮の3チームや、昨季の昇格プレーオフに進出した福岡、千葉、東京Vらが今季の昇格レースを牽引するかと思われたが、序盤戦を終えて首位に立つのは昨季13位に留まった岡山だ。開幕3連勝と好スタートを切ると、引き分けを挟んで再び2連勝。7節に愛媛に敗れ初黒星を喫したものの、5勝1分1敗で勝点16を稼ぎ、堂々と首位を走っている。7試合で失点わずか2の堅守が光り、少ないチャンスをものにする勝負強さが際立っている。攻撃面にやや迫力を欠くものの、安定した守備組織が備わる限り、しばらくはリーグ戦を牽引していきそうだ。
2位の町田は4勝3分と無敗を続ける。ボール支配率で劣る試合が多いものの、強烈なプレスと素早い攻撃が機能し、好結果を生んでいる。大宮や松本といった難敵にも競り勝つなど、決してフロックではない力強い戦いを続けており、この勢いを今後の戦いへもつなげていきたい。
3位の大分は攻撃力が光る。すでに4得点以上を二度記録するなど、リーグ最多の15得点をマーク。後方からパスをつなぐスタイルがしっかりと浸透しており、今後も攻撃力を打ち出したサッカーでさらなる上位進出を窺う。4位の山口も大分と並んで15得点を記録。霜田 正浩監督が求める攻撃スタイルが早くもフィットし、オナイウ 阿道ら新戦力も躍動。失点の多さが気がかりながら、アグレッシブなサッカーで結果を出す山口は、今季のダークホースとなる可能性を大いに秘めている。
東京Vも無敗をキープし7位につける。安定した守備組織を備えており、今後も着実に勝点を積み上げていきそうだ。福岡は勝ち負けを繰り返す不安定な戦いが続く。強みであるはずの守備に不安を覗かせており、早急な改善が求められるだろう。
昇格候補と見られていた千葉は、よもやの苦戦を強いられている。開幕から4試合勝ちがなく、5節から2連勝を達成するも、7節には大分に0-4と完敗。大量失点で敗れる試合が目に付くだけに、リスクマネジメントの徹底が求められてきそうだ。同じく昇格候補の松本も開幕6試合で勝利がなく、厳しいスタートとなった。7節の大宮戦でようやく初勝利を挙げており、この1勝が巻き返しのきっかけとなるか。4月の戦いに注目が集まる。
昨季までJ1に所属した3チームもなかなかエンジンがかかってこない。まずまずのスタートを切った新潟だったが、ここ3試合で2敗と結果につながる戦いを実現できていない。大宮は2節から4試合未勝利で、直近の試合では松本に競り負けて早くも4敗目を喫した。甲府もここまでわずか2勝。無得点試合がすでに4つを数えるなど、攻撃面に課題を抱えている。いずれも1年でのJ1復帰に向けて、苦しい序盤戦を過ごしている。
一方でJ3から昇格してきた栃木は、開幕3連敗と厳しい現実を突きつけられたが、その後に盛り返し、徐々にJ2の戦いにアジャストしてきた印象だ。持ち味である堅い守りを取り戻しつつあり、今後の躍進が期待される。
最も厳しい状況にあるのは讃岐だ。ここまで勝点4で最下位に沈む。6失点を喫した5節の千葉戦以外は、接戦に持ち込みながら敗れるケースが多く、決して他チームから大きく引けを取っているわけではない。ちょっとしたきっかけで流れは変わるだけに、競り合いを制して勝ちにつなげる勝負強さを身に付けたいところだ。