明治安田生命Ｊ２リーグ第5節は、前節から中3日での開催となる。4試合を終え、徐々に今季の勢力図が明らかとなるなか、上位チームは勢いをさらに加速させられるか。一方、下位に沈むチームは、そろそろ悪い流れを断ち切りたいところだろう。
前節、首位に浮上した水戸は、アウェイで大分と対戦する。同じく上位の山口に3-0と快勝を収めた戦いは、チームに大きな自信をもたらしたはずだ。ここまで8得点・1失点と攻守両面で安定したパフォーマンスを示しており、今節もハイプレス＆ショートカウンターのアグレッシブなサッカーを披露するはずだ。対する大分は前節、東京Ｖとスコアレスドロー。チャンスを作りながらも決定力を欠き、勝利を掴めなかった。今節は持ち前のポゼッションスタイルで、水戸のプレスをいかにかいくぐるかがポイントとなるだろう。
2位につける岡山は京都の本拠地に乗り込む。前節は松本と引き分け4連勝はならなかったが、ここまでわずか1失点の堅守にほころびは見られない。今節もこの堅い守りをベースに、相手の隙を窺う戦いで勝利を狙う。一方の京都は前節、初勝利を挙げて勢いに乗る。2ゴールを奪った小屋松 知哉が今節も重要な役割を担うだろう。
水戸に敗れ連勝がストップした山口はホームで金沢と対戦。水戸のプレスの前に持ち前の攻撃サッカーが機能せず、0-3と完敗を喫した。それでもスタイルは明確なだけに、今節もアグレッシブな姿勢を示して勝利を狙う。一方の金沢は、前節は大宮と引き分けた。先制点を守り切れなかっただけに、リード時の試合運びがポイントとなりそうだ。
新潟は前節、横浜FCに3-0と快勝。1年でのＪ１復帰に向けて、まずまずの序盤戦を過ごしている。3試合連続ゴール中と絶好調の矢野 貴章のパフォーマンスに注目が集まる。対戦相手の愛媛は開幕4連敗と苦しい状況にある。前節は熊本に1-2と惜敗。2得点、8失点と攻守両面で不安定な戦いが続くなか、この悪い流れを断ち切れるかどうか。間瀬 秀一監督の手腕が問われる一戦となるだろう。
2勝2分で無敗を続ける町田は、ホームに松本を迎える。前節は終了間際のゴールで追いつき、山形と引き分けており、粘り強い戦いを展開する。セットプレーからの得点が多く、今節もこの得意の形からゴールを奪えるか。松本は3分1敗とまだ勝ちがない。先制される展開が目に付くだけに、試合の入り方がポイントとなりそうだ。
東京Ｖと福岡の一戦は、今節の注目カードとなる。昨年のＪ１昇格プレーオフ準決勝でも対峙した両者の戦いは、白熱の展開となることが予想される。東京Ｖは2勝2分で6位、福岡は勝点1差で7位につける。ともにクオリティの高い守備組織を備えているだけに、1点を争う緊迫した戦いが繰り広げられそうだ。
熊本vs大宮も興味深い。熊本を率いる渋谷 洋樹監督は、昨季途中まで大宮を指揮していた。そうした因縁が、試合の熱をさらに高めるだろう。熊本は前節、愛媛に競り勝ち好調を維持。大宮は金沢に勝ち切れず、現在15位と苦戦が続く。嫌な流れを断ち切るためにも、アウェイとはいえ積極性を示し、勝点3を狙いたい。
甲府はホームに徳島を迎える。前節は福岡を撃破し、ようやく初勝利を挙げた。ジネイとリンスの外国籍コンビが結果を出しており、今節も彼らのパフォーマンスに期待がかかる。一方の徳島も千葉に快勝を収めて勢いに乗る。4ゴールを奪った攻撃陣が調子を上げているのは好材料で、今節もアグレッシブなサッカーを展開していきそうだ。
山形は前節、終了間際の失点で町田とドロー。2勝目を手にできなかった。それでもエースの阪野 豊史に初ゴールが生まれるなど、攻撃面が良化しつつある。いかに失点を減らせるかが、重要なテーマとなるだろう。対する横浜FCは、前節、新潟に3失点の完敗。連敗を避けるためにも勝利が求められる一戦となる。前節は不発に終わったイバにかかる期待は大きい。
岐阜は前節、京都に惜敗。相手の鋭いカウンターに屈しただけに、攻撃時のリスクマネジメントが求められるだろう。対する栃木は、讃岐に競り勝ち、Ｊ２復帰後初勝利を挙げた。持ち前の堅守を取り戻しつつあるだけに、今節も岐阜のパス回しに粘り強く対抗しながら、一発のチャンスを窺う戦いに勝機を見出したい。
苦戦が続く千葉は、ホームに讃岐を迎える。前節は徳島に4ゴールを奪われての完敗。4試合で9失点を喫する守備の立て直しが急務となっている。一方の讃岐も2連敗と苦戦が続く。こちらは得点力不足がテーマに。重松 健太郎以外に得点を奪えておらず、他の攻撃陣の奮起が求められる。
■各試合の見どころをチェック
熊本vs大宮
山形vs横浜FC
千葉vs讃岐
甲府vs徳島
岐阜vs栃木
大分vs水戸
京都vs岡山
山口vs金沢
新潟vs愛媛
東京Ｖvs福岡
町田vs松本
