明治安田生命Ｊ１リーグは18日の日曜日に全9試合が一斉開催となる。今節を終えるとインターナショナルマッチウィークに突入するため、各チームとともにインターバルを迎える前に良い結果を手にしておきたいところだろう。
唯一の3連勝で首位に立つ広島は、ホームに磐田を迎える。前節は粘り強い守備を保ち、鹿島に完封勝利。この守備力の高さが広島の躍進の要因となっている。一方で攻撃面も徐々に良化しておりチャンスの数も増えている。その攻撃のカギを握る川辺 駿は、昨季まで所属していた磐田との一戦に強い気持ちを持って臨むだろう。若きアタッカーのパフォーマンスが試合の行方を左右するポイントとなるはずだ。一方の磐田は前節FC東京に快勝を収め、調子を上げている。こちらも安定した守備が持ち味なだけに、1点を争う緊迫した展開となりそうだ。
今節最大の注目は、名古屋vs川崎Ｆだろう。前年王者とそのチームの礎を築いた風間 八宏監督が激突する因縁対決は、互いに攻撃サッカーを標榜し、好調を維持したまま迎える一戦とあって、スペクタクルな戦いが期待できそうだ。成熟度で勝る川崎Ｆが主導権を握りそうだが、強力な外国籍選手を備える名古屋の攻撃も破壊力を秘める。相手の力を知り尽くす風間監督の手腕が大きなカギを握りそうだ。
同じく好調同士の対戦となる清水vs仙台も興味深い。清水は守備組織を整えつつ、攻撃力も増している。なかでも昨季まで仙台に所属したクリスランが絶好調で、このストライカーが古巣相手にどのようなプレーを見せるかが、この試合の焦点となる。対する仙台は前節、連勝がストップしたものの終了間際のゴールで追いつき、粘り強さを示した。ここまでわずか1失点と堅守が際立っており、清水の攻撃にしっかりと対応しながら好調の石原 直樹を活かす展開に持ち込みたい。
前節、初勝利を挙げた鳥栖はホームに鹿島を迎える。ビクトル イバルボに初ゴールが生まれるなど、攻撃陣が調子を上げている。一方で、毎試合失点をしている守備に課題を残しており、90分を通して安定した試合運びが求められる。対する鹿島は前節、広島に完封負け。こちらは3試合で1得点と攻撃面に課題を抱える。エースの金崎 夢生が厳しいマークを受けるなか、他の攻撃陣の奮起が求められるだろう。
神戸vsＣ大阪はともに初勝利をかけた戦いとなる。神戸は前節、リードを守り切れずに仙台と引き分けた。守備に不安を覗かせる一方、リーグ戦ではいまだノーゴールのルーカス ポドルスキの爆発が待たれるところだ。Ｃ大阪は3戦連続ドローと勝ち切れない戦いが続く。前節は開始早々の失点で展開を苦しくしただけに、試合の入り方がポイントとなりそうだ。
札幌と長崎もともに勝利がない。札幌は前節、清水に完敗。攻撃の形は作れているが、3試合で7失点の守備が課題に。リスクマネジメントに気を配り、隙を与えない戦いを実現したい。長崎は先制しながら勝ち切れない試合が続くも、水曜日のルヴァンカップで公式戦初勝利を挙げた。Ｊ１でもやれるという手応えが芽生えつつあるだけに、今節こそリーグ戦初勝利を掴みたい。
不調のFC東京は湘南をホームに迎える。1分2敗と勝ちがなく、得点もわずかにひとつのみ。攻撃の形が見えないなか、光明はルヴァンカップで結果を出した久保 建英の存在だろう。試合を重ねるごとに存在感を増しつつあるこの16歳が、FC東京の救世主となれるか。湘南は1勝2分と負けがない。ここ2試合は勝ち切れなかったが、アグレッシブ戦いを実現できており、状態は悪くない。崩しの場面の質を高め、開幕戦以来の勝利を狙う。
浦和と横浜FMの両チームも調子が上がってこない。ともにここまで未勝利とスタートダッシュに躓いている。浦和は攻撃の迫力不足が課題。新加入のアンドリュー ナバウトが現状打破のキーマンとなる。横浜FMは攻撃サッカーを標榜するもミスからピンチを招く場面が目立つなど戦い方が安定しない。失点を減らすのはもちろん、攻勢時に得点を奪い切る決定力も求められる。
3連敗で最下位に沈むＧ大阪は、ホームに柏を迎える。前節はいいところなく川崎Ｆに完敗。それでもルヴァンカップでは浦和を下し、今季初勝利を挙げた。その試合で結果を出した中村 敬斗ら若手が徐々に力を発揮しているのは好材料で、ホームで初勝利を手にし、悪い流れを断ち切りたい。一方の柏も本調子にあるとは言えない。前節もＣ大阪に追いつかれ引き分けに終わっている。ここまで3得点に留まる攻撃陣の爆発が求められるだろう。
■各試合の見どころをチェック
札幌vs長崎
清水vs仙台
FC東京vs湘南
Ｇ大阪vs柏
浦和vs横浜FM
神戸vsＣ大阪
広島vs磐田
鳥栖vs鹿島
名古屋vs川崎Ｆ
