ワールドカップイヤーの影響で、例年よりも早く2月23日に幕を開ける今季の明治安田生命J1リーグ。王者、川崎Fが連覇を成し遂げるのか。鹿島、C大阪ら昨季の上位陣が“打倒川崎F”を実現するのか。昇格3チームの躍進はあるのか――。今季も興味が尽きないシーズンとなることは間違いない。
他試合に先がけて23日に行われるのは鳥栖と神戸の一戦。「明治安田生命Jリーグ フライデーナイトJリーグ」と銘打たれ、金曜日のナイトゲームとして開催される。
鳥栖はエースの豊田 陽平が韓国の蔚山現代に移籍。大黒柱が不在となる一方で、田川 亨介という若きエース候補の台頭が期待される。一方の神戸は、ルーカス ポドルスキという絶対エースに加え、ウェリントン、三田 啓貴らを迎え入れ、攻撃面のスケールアップを実現。破壊力満点の攻撃サッカーが、鳥栖の堅守をいかに崩していくかに注目が集まる。
王者・川崎Fを含めたACL参戦4チームは、25日に登場。川崎Fはアウェイで磐田と対戦。開幕までの公式戦で3連敗スタートといきなり苦境に追い込まれた川崎Fがいかに立て直しを図ってくるのか。鬼木 達監督の手腕が問われてくるだろう。磐田は5年目を迎える名波 浩監督の下で成熟の域を辿る。中村 俊輔の左足はもちろん、新加入の田口 泰士のパフォーマンスも見どころの一つとなる。
昨季、無冠に終わった鹿島は巻き返しのシーズンとなる。開幕戦はアウェイで清水と対戦。ドイツ帰りの内田 篤人に注目が集まる中、直近のACLで2ゴールを奪った金崎 夢生の出来も勝敗を分かつポイントとなりそうだ。ヤン ヨンソン新監督を迎えた清水は守備力の向上が見込まれる。鹿島の攻撃に粘り強く耐え、鄭 大世、クリスランの2トップに望みをつなぎたい。
C大阪はホームに横浜FMを迎える。開幕直前に清武 弘嗣が負傷離脱したのは痛手だが、新加入の高木 俊幸らが早くもフィットしているだけに、致命傷とはならないだろう。攻撃スタイルへの転換を図るなか、相手を押し込むサッカーを実現できるか。対する横浜FMはアンジェ ポステコグルー新監督の采配に注目が集まる。堅守には定評があるチームなだけに、標榜するポゼッションスタイルを体現できるかがカギを握るだろう。
柏は仙台の本拠地に乗り込む。開幕前のACLでは結果を残せていないが、江坂 任らを加えた攻撃陣は昨季以上の破壊力を秘める。凄みを増す伊東 純也のパフォーマンスも注目ポイントだ。仙台は5年目を迎える渡邉 晋監督のもとで、ポゼッションスタイルが成果を上げている。柏のハイプレスをかいくぐりボールを保持する時間が増えれば、勝機は高まるはずだ。
24日の試合にも注目カードは満載だ。長谷川 健太監督を迎えたFC東京はホームに浦和を迎える。G大阪に多くのタイトルをもたらした名将は、昨季低迷したチームをいかに立て直してくるのか。プレシーズンで好調を維持した久保 建英の起用法も含め、その手腕がクローズアップされるだろう。アジア王者の浦和は、リーグタイトル獲得に向け、並々ならぬ意欲を燃やしている。アジアを制した堅守は保たれているが、ポイントはラファエル シルバが抜けた攻撃面。新戦力のマルティノスはもちろん、柏木 陽介、長澤 和輝の2列目の得点力向上も求められてきそうだ。
広島vs札幌は、新監督対決、そしてタイ人対決として注目が集まる。ともに攻撃スタイルを標榜する城福 浩、ミハイロ ペトロヴィッチの両指揮官はいかにこの開幕戦でチームを機能させてくるのか。とりわけペトロヴィッチ監督はかつて指揮した古巣との一戦であり、負けられない想いを強くしているに違いない。また、すでに前線の軸に収まりつつある広島のティーラシンと、小気味よいドリブルでアクセントをつける札幌のチャナティップ。この2人のタイ人プレーヤーの出来も、試合の行方を左右するポイントとなるだろう。
昇格3チームの戦いも見どころとなる。いきなりの直接対決となったのは湘南と長崎。湘南は曺 貴裁監督が築いてきたアグレッシブなスタイルが健在。梅崎 司ら経験豊富な人材を迎え入れ、2シーズンぶりに復帰したJ1での躍進を狙う。初めてJ1に参戦する長崎も、組織力では湘南に見劣りしない。堅守速攻スタイルを徹底し、昨季のJ2では勝てなかった相手に雪辱を果たしたいところだ。
名古屋はアウェイでG大阪と対戦。攻撃スタイルを徹底し、J1に戻ってきた名古屋が2年ぶり舞台でどのような戦いを示すのか。元セレソンのジョーのパフォーマンスも見どころのひとつで、ワールドクラスのプレーに期待したい。クルピ監督を迎えたG大阪も昨季とは違ったスタイルを示してくれそうだ。こちらも持ち味は攻撃力。お互いの攻守が目まぐるしく入れ替わる、エキサイティングなサッカーが展開されるだろう。
■各試合の見どころをチェック
鳥栖vs神戸
FC東京vs浦和
広島vs札幌
G大阪vs名古屋
湘南vs長崎
仙台vs柏
清水vs鹿島
磐田vs川崎F
C大阪vs横浜FM