明治安田生命Ｊ１リーグも残り2試合となり、今節にも優勝、ＡＦＣチャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）出場チーム、降格チームのすべてが決定する可能性がある。
優勝争いでは、首位の鹿島はホームで柏と対戦する。勝てば優勝が決定し、引き分け以下の場合でも、29日に浦和と対戦する川崎Ｆの結果次第で優勝が決まる。
もっともホームの大観衆の前で優勝を決めるには、勝利こそが求められる一戦。勝ちに拘った戦いを披露するだろう。前節は終了間際のゴールで浦和に1-0と競り勝ったように、シーズン終盤にきて、その勝負強さにますます拍車がかかっている。重圧のかかる一戦ながら、勝ち方を知る常勝軍団が連覇を決める可能性は十分だ。一方の柏もＡＣＬ出場権を得るためにも、勝利が求められる。今節敗れればその可能性を絶たれることも考えられる。前節、上位の磐田に競り勝った勢いをこの試合にも持ち込みたいところだ。
2位の川崎Ｆは土曜日に浦和がＡＣＬ決勝を戦う影響で、試合は水曜日開催となる。鹿島が勝てば優勝の可能性は絶たれるが、わずかな可能性を信じ、準備を推し進めたい。
ＡＣＬ出場に王手をかける3位のＣ大阪はホームに神戸を迎える。現在、4連勝と勢いに乗るチームは、前節、横浜FMに4-1と快勝。清武 弘嗣が状態を上げているだけに、再びのゴールラッシュも期待できる。一方の神戸は前節、広島に敗戦。ここ3試合で6失点を喫する守備の修正が求められるだろう。
5位の横浜FMもわずかにＡＣＬ出場の可能性を残す。2連勝が絶対条件で、Ｃ大阪と柏の停滞を願う状況だが、可能性ある限り、残り2試合に全力で立ち向かうだろう。今節はアウェイで仙台と激突。現在2連敗中と苦しい状況ながら、持ち前の堅守を取り戻し、勝利をつかみたい。仙台は3戦負けなしと安定した戦いを続けており、前節は大宮に3-0と快勝。攻撃陣が調子を上げているだけに、アグレッシブなサッカーを展開しそうだ。
6位の磐田も2連勝が絶対条件。今節はアウェイで鳥栖と対戦する。前節は柏に0-1と敗戦。柏の守備陣を崩し切れなかった攻撃陣の奮起が求められる。一方の鳥栖は前節、FC東京に競り勝ち、8位に浮上。勝てばさらなる上の順位も狙えるだけに、今季ホーム最終戦で果敢な戦いを披露するはずだ。
残留争いに目を向ければ、前節、新潟の降格が決定し、降格枠は残り2つとなった。もっとも苦しいのは17位に沈む大宮。今節、勝利を収められないようだと降格が決定。また勝ったとしても15位の広島が勝点1を加算すれば、降格が決定する。
仙台の対戦相手は16位の甲府。こちらも今節の結果次第で降格が決まる。大宮に負けるか引き分け、15位の広島と14位の清水が揃って勝利を収めると、降格が決定する。つまり、大宮vs甲府の一戦は、結果次第で両チームが揃って降格する可能性があるのだ。
大宮は10試合勝利がなく、甲府も3連敗中と、ともに状況は苦しい。残留の可能性を高めるためにも、互いに勝利が欲しい一戦。気持ちを前面に押し出した、激しい戦いが展開されそうだ。
前節、神戸に競り勝ち残留圏に浮上した広島は、ホームにFC東京を迎える。勝てば残留が決まる可能性もあるだけに、高いモチベーションでこの試合に臨むだろう。今季ホーム最終戦で、苦しかったシーズンに決着を付けられるか。FC東京は6試合未勝利と元気がない。ポジティブな要素を見いだせないなか、注目は久保 建英。先日、プロ契約を結んだばかりの16歳はベンチ入りが濃厚となっており、Ｊ１デビューを果たせば大きなトピックスとなるだろう。
7試合勝利がない清水も残留争いから抜け出せないでいる。今節は、すでに残留が決まった新潟と対戦。失うもののない相手だけに、清水にとってはやりづらい戦いとなるだろう。看過できないのは攻撃面。5試合連続ノーゴールと得点力不足は深刻で、この状況が続けば他チームに逆転を許す可能性も十分に考えられる。攻撃陣に怪我人が続出するなか、前節復帰を果たした鄭 大世にかかる期待は大きい。
Ｇ大阪はホームに札幌を迎える。現在8試合勝利がなく、苦しい戦いが続く。攻守両面に不安を抱えるなか、今季限りで退任する長谷川 健太監督のホームラストマッチを白星で締めくくりたいところだ。一方の札幌は前節、残留を確定させた。重圧から解き放たれただけに、のびのびとしたサッカーを展開するだろう。ここ4試合で6得点のジェイが再び爆発するのか。そのパフォーマンスに注目したい。
■各試合の見どころをチェック
仙台vs横浜FM
鹿島vs柏
大宮vs甲府
清水vs新潟
Ｇ大阪vs札幌
Ｃ大阪vs神戸
広島vsFC東京
鳥栖vs磐田
浦和vs川崎Ｆ
