代表ウイークを挟み、2週間ぶりの再開となる明治安田生命Ｊ１リーグ。今節も含め、残り10試合となり、シーズン終盤へ向けてさらなる盛り上がりを見せていきそうだ。
首位の座を堅持する鹿島は、ホームに大宮を迎える。前節、Ｃ大阪との首位攻防戦を制して、勢いに乗る。もっとも先週行われたルヴァンカップ準々決勝では仙台に敗れ、代表活動での疲労が残る昌子 源のコンディションも懸念材料に。万全の状態とは言えないなか、チームの総合力が問われる一戦となる。対する大宮は降格圏から抜け出すためにも、勝利が求められる。前節は広島に引き分け、2試合勝利がない。得意のセットプレーがカギを握りそうだ。
今節、最大の注目は、2位横浜FMと3位川崎Ｆの神奈川ダービーだろう。14試合負けなしと盤石の戦いを続ける前者に対し、後者も5戦負けなしと状態を上げている。両者の勝点差はわずかに1。堅守が際立つ横浜FMか、攻撃陣が好調の川崎Ｆか。鹿島を追いかけるためにも負けられない一戦は、一瞬たりとも目が離せない激闘が繰り広げられそうだ。
6試合負けなしと再び調子を上げてきた柏は、アウェイで浦和と対戦。前節は退場者を出しながらも、新潟と引き分け勝点1を確保した。退場となった中谷 進之介が出場停止となるのは痛手だが、今節もハイプレスを軸としたアグレッシブな戦いを披露するはずだ。一方の浦和はルヴァンカップこそ敗退に終わったものの、リーグ戦では3連勝と復調の気配を示している。優勝は厳しくなったとはいえ、ＡＦＣチャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）出場圏内は十分に狙える位置につける。安定感を増しつつある守備陣のパフォーマンスが、今節もカギを握るだろう。
3試合勝利がなく5位に転落したＣ大阪は、FC東京の本拠地に乗り込む。前節は鹿島に0-1と敗戦。攻撃面が停滞しつつあるなか、代表帰りの杉本 健勇が意地を見せられるか。一方のFC東京は、2連敗中。ルヴァンカップでは川崎Ｆに完敗と、苦しい状況に陥っている。守備が崩壊し、攻撃の形もなかなか見えてこないなか、リーグ戦では3試合ゴールがない大久保 嘉人の爆発が求められてきそうだ。
4戦負けなしと上位争いに踏みとどまる磐田は、アウェイで札幌と対戦。前節は中村 俊輔が不在のなかで、神戸相手に逆転勝利を飾った。今節はその中村が復帰予定で、攻撃面にさらなる厚みが生み出されていきそうだ。札幌は前節、仙台に競り勝ち、5試合ぶりの勝点3を手にした。もっとも16位の大宮との差は3ポイントと、危険水域にあるのに変わりはない。ホームで連勝を達成し、残留争いからの脱却を狙う。
Ｇ大阪vs神戸は、ルヴァンカップ準々決勝からの3連戦となる。ルヴァンカップではＧ大阪が勝利を収めており、神戸とすればリベンジの戦いだ。また局面の争いに目を向けても、興味深い。日本代表のニューヒーローとなった井手口 陽介と、元ドイツ代表のルーカス ポドルスキ。マッチアップが予想される両者の激突は、試合を盛り上げる要素となるだろう。
仙台はホームで鳥栖と対戦。前節は札幌に敗れたものの、ルヴァンカップでは鹿島を撃破し、ベスト4に名乗りを上げた。その勢いを持って、ひとつでも上の順位を目指したい。鳥栖は前節、Ｇ大阪に完敗。浮上のチャンスを逃したが、豊田 陽平とビクトル イバルボの強力2トップが調子を上げているのは明るい材料。ハードワークを軸としたアグレッシブな戦いを展開していきそうだ。
甲府と清水の一戦は、残留がキーワードとなる。勝点21で15位に沈む甲府に対し、清水は勝点25で13位に留まる。降格圏が背後に迫るなか、なにより勝利こそが求められる戦いに。甲府は得点力不足が課題。清水は失点の多さが目立つ。その課題を解消したほうに、勝利は近づくだろう。
18位の新潟と、17位の広島の直接対決も、今節の注目だ。ともに苦しい戦いが続くなか、前節はともに引き分けと、わずかな前進を見せている。とりわけ新潟は敗れれば、降格が現実のものとして近づく危険性があるだけに、並々ならぬ想いでこの一戦に臨んでくるはずだ。対する広島も、勝てば残留圏に浮上する可能性のある一戦。こちらも高いモチベーションと危機感を備え、気持ちのこもった戦いを見せるだろう。
■各試合の見どころをチェック
札幌vs磐田
甲府vs清水
鹿島vs大宮
浦和vs柏
FC東京vsＣ大阪
川崎Ｆvs横浜FM
新潟vs広島
G大阪vs神戸
仙台vs鳥栖
