川崎FvsG大阪の見どころ(FUJI XEROX SUPER CUP:2021年2月20日)
一覧へFUJI XEROX SUPER CUP 2021年2月20日(土)13:35KO 埼玉スタジアム2002
試合終了
32前半0
1後半2
15SH7
8CK4
13FK7
2
始まりの合図。相まみえるは王者と次点
通常は明治安田J1王者と天皇杯王者の対決だが、昨季はそのどちらも川崎Fが制した。リーグ戦で2位、そして天皇杯でも準優勝に終わったG大阪が、“2冠王者”の相手だ。
過密だった昨季をともに1月1日まで戦い抜いており、オフを挟んでから急ピッチで調整を続けてきた。川崎Fは予定していた1月の宮崎キャンプが新型コロナウイルスの影響もあって中止となり、G大阪はブラジル国籍FWレアンドロ ペレイラ、チアゴ アウベスといった補強組の合流が遅れたという事情がある。100%の状態とは言えないだろう。
それでも、5,000人以下という限定的な動員での開催ではあるが、チケットは完売。非公開の練習がほとんどだった両者は、今季初めてサポーターの前でプレーすることになり、モチベーションは高い。
「まだ練習試合は何試合もできていないですし、コンディション的には難しい面もありますが、注目される試合だと思います。『今年の川崎Fはすごいな』という試合ができるようにしたい。3得点以上というのは今年も掲げていっているので、達成できるようにしたい」(山根 視来)
「川崎Fには昨季、悔しい思いをさせられたし、今年そういう相手と一発目の試合ができる。そこで良い勝ち方ができれば波に乗っていける。サポーターの方に『今年はいけるぞ』というところを見せられるので、大事な試合になる」(倉田 秋)
互いに、昨季の好成績に満足することなく、チームとしてのレベルアップを求めている。G大阪はあと一歩で届かなかったタイトルに向けて、宮本 恒靖監督はより攻撃的なチームにするための新たなシステムの採用を示唆。川崎Fは初のアジア制覇を目標に、鬼木 達監督はより勝つチームになろうと柔軟な戦い方を目指すと明かした。
注目選手は、ともに新戦力。川崎Fは名古屋から獲得したジョアン シミッチがポイントになりそうだ。守田 英正が海外移籍、中村 憲剛が現役引退を決めて中盤の主力選手2名がいなくなり、そこに補強されたのがブラジル国籍のレフティーだった。ジョアン シミッチと近くでプレーすることになる脇坂 泰斗は「左利きの選手なので、(ボールの)持ち方に特徴がある。サイズがあって競り勝ってくれるところは本当に助かると思っています」と話している。G大阪は、韓国代表のチュ セジョンを獲得した。彼も中盤でのプレーを本職とし、アンカーで起用されそう。ロシアW杯にも出場した俊英がどんなプレーを見せるのか。彼ら2人のパフォーマンスに期待がかかる。
舞台は埼玉スタジアム2002だ。1年前のゲームは横浜FMと神戸が対戦して、3-3の打ち合いになり、PK戦で決着がついた。昨季、川崎Fと公式戦で三度戦って一度も勝てず、さらに無得点に終わったG大阪は挽回を期している。2月20日、キックオフは13時35分。海外でも放映が決まった世界でも注目の一戦だ。三笘 薫が「スタートダッシュの意味ではすごく大事なところ。(開幕後に控えるのが)連戦だからこそ、最初勝てるか勝てないかが大事」と語ったように、両者とも勝つためにいまの100%をぶつけ合うだろう。
[ 文:田中 直希 ]