磐田vs神戸の見どころ(明治安田J1リーグ:2024年2月24日)
一覧へ明治安田J1リーグ 第1節 2024年2月24日(土)13:03KO ヤマハスタジアム(磐田)
強度でどこまで抗えるか。磐田がJ1王者に真っ向勝負を挑む
磐田は昨季、補強禁止処分を課されながらも昇格という目標を達成し、J1復帰を果たした。昇格に導いた横内 昭展監督体制2年目を迎える今季は補強も解禁。14シーズンぶりのJリーグ復帰となる川島 永嗣、昨季J2ベストイレブンに輝いた平川 怜ら総勢15名を獲得した。昨季から半分近い顔ぶれが入れ替わった新チームは、1月14日のチーム始動から“J1基準”の強度に適応するため、最善の準備を図ってきた。
プレシーズンでは、フィジカルコンディションや強度のベースアップを最優先に、チームとしては攻撃よりも守備に重点を置いてきた。強度と連動性を高めてきた守備は、横内監督をはじめ、選手たちが昨季以上に成長を実感できているポイントでもある。一方、攻撃面はキャンプ後に課題を感じていたが、キャンプ地の鹿児島から磐田に戻ったあとに攻撃の精度を高めるトレーニングを積んできた。「攻守両面で開幕に向けて積み上げてきたことを、まず開幕戦で出せる良い準備をしていきたい」と横内監督。J1の中でも特に強度が高い神戸に対し、進化を遂げた“サックスブルー”の姿を開幕戦でしっかりとぶつけたい。
また昨季、天皇杯3回戦で神戸と対戦した際は2-5という大敗を喫しただけでなく、一人ひとりのクオリティーの差を思い知らされた。その悔しさを鮮明に覚えているスタッフや選手たちは、もちろんリベンジに燃えている。その上で指揮官はチームの成長ぶりを力強く語った。
「神戸は昨年のチャンピオンで本当に一人ひとりの個の能力が非常に高いチーム。そのタレントたちが本当に当たり前のことを当たり前に100%実行できるので、チームとしても大きな力を発揮できる。ただ、(昨年対戦した頃よりも磐田は)間違いなく成長していると確信している。そういう意味でも、われわれがチャンピオンを相手にどのくらいやれるのかがすごく楽しみ」
特に球際や切り替えといった神戸が強みとする強度という土俵で、昨季から積み上げてきた“横内ジュビロ”がどこまで抗えるか。各局面で発生する“個人vs個人”のマッチアップで泥臭く、粘り強く挑み続けるハードワークがポイントになる。
対するリーグ連覇を狙う神戸は先週末にFUJIFILM SUPER CUPへ臨み、一足先に新シーズンをスタートさせている。天皇杯王者の川崎Fに0-1で敗れたが、横内監督は「神戸そのものは変わらない。逆に(試合後の)コメントを見ても、もう1回自分たちを見つめ直して原点に戻ってくると思うので、本当に難しい相手だと思う」と警戒を強めている。
大迫 勇也のポストプレーや山口 蛍らの中盤での守備強度など、J1王者との対戦を前に警戒すべきポイントは多いが、磐田は積み上げを信じて真っ向勝負を挑む。
[ 文:森 亮太 ]