J1昇格プレーオフ決勝を12月7日(日)に迎えるジェフユナイテッド市原・千葉に、元監督のイビチャ・オシム氏からも激励のメッセージを頂きましたので、お知らせいたします。
■イビチャ オシム氏
「日曜におこなわれるモンテディオ山形とのプレーオフ決勝は、ジェフにとって難しい試合だ。誰もが勝利を求めている。
一方で昇格への大きな望みがあり、他方で同じ望みを持つ対戦相手がいる。選手にも監督にも、誰にとっても望ましい状況とは言えない。
ただし、引き分けでも昇格が決まるのは、ジェフにとって有利であるといえる。山形は勝たねばならず、たとえレアル・マドリードでも、勝たねばならないときに勝つのは簡単ではないからだ。「ねばならない」というときは、ほとんど生きるか死ぬかになる。「死ぬまで戦う」といって勝つことは可能だが、「絶対に勝たねばならない」ときに、勝てるとは限らない。相手もあらゆる手を尽くして、勝利を阻止しようとする。
ジェフにとっても山形にとっても、この試合はいちサッカーの試合以上のものだ。街と地域の命運が、この試合の結果にかかっている。昇格すれば、地域は活気づくだろう。そうした経済的・社会的側面も見逃せない。人々の生活はクラブと結びつき、それが社会の構造を変えることになるかも知れない。
サポーターたちも長い間、J1でジェフがプレーする姿を見ていない。彼らもまたずっと待っている。そしてサポーター以外の人々も、その間にジェフがどう変わったのか、どんな風に進歩したのかを、知りたがっていることだろう。
だが、進歩のためには変化が必要だ。それも大きな変化が。いったいどういうクラブを目指していくのか。毎週末に楽しい試合が見られる、安定した心地よいクラブがいいのか。あるいは選手獲得に大金をかけ、スター選手はたくさんいるがなかなか勝てないクラブがいいのか。私は前者が好きだ。戦う以上は勝つべきだし、勝つために全力を尽くす。そうした姿勢を常に抱き続ける、小さくとも親近感のあるクラブだ。
今、私は、グラーツに雪が降り始めるのを待っている。雪とともにスキーのシーズンが到来し、本格的な冬が始まる。同時に、ジェフの幸運を祈っている。関塚監督は、ここまでいい仕事をしていると聞く。彼のことはフロンターレ時代から良く知っているし、サラエボでも話をした。彼のもとで万全の準備を整え、ポジティブなサプライズをチームが起こすことを。そして試合の後で、皆さんと心ゆくまでチームの進歩を語り合えることを、心から願っている」
以上