■ピックアップマッチ
Y.S.C.C.横浜(神奈川県代表)3−1(前半0−0、後半3−1) SRC広島(広島県代表)
第94回天皇杯全日本サッカー選手権大会1回戦2日目が7月6日、大和スポーツセンター競技場で行われ、神奈川県代表のY.S.C.C.横浜が広島県代表のSRC広島に3−1で勝利しました。
試合は開始直後に、Y.S.C.C.横浜の松田康佑選手がゴール正面でヘディングシュートする決定機で始まりました。
広島教員チームが前身のSRC広島の森脇誠司監督は、上位カテゴリーであるJ3所属のY.S.C.C.横浜との対戦を前に「ビビらずに戦おう」と選手たちを鼓舞。その言葉を受けた選手たちが堅守で応えます。
攻撃でもSRC広島は、左サイドバックの日高直選手が持ち前のドリブルで相手守備陣を切り裂いてリズムを作り、ゲームキャプテンの長谷川博一選手とのコンビネーションでY.S.C.C.横浜ゴールを脅かす活躍します。
0-0のまま後半に入ると、28.8度にまで上昇した気温の影響からか、SRC広島の足が止まり始めます。そんな中、後半57分にY.S.C.C.横浜が先制点を奪います。左サイドを深く入り込んだた山本真也選手からのクロスを、ニアサイドに詰めた松田選手がシュート。こぼれ球を吉田明生選手が押し込みました。
1失点目については「焦りはなかった」(日高選手)SRC広島でしたが、その6分後にCKから「痛かった」(同選手)2失点目を決められます。「チャンスも作れていたので、そこでうちが決めてればわからなかった」と悔しさを滲ませていました。
SRC広島は77分に、1点差に追いつくゴールを上田純治選手が決めますが、そのわずか1分後の78分にY.S.C.C.横浜の伊池翔吾選手が試合を決定づける3点目を奪い、横浜が再びリードを2点差へと広げました。
1点を返そうとゴールを目指すSRC広島でしたが、体力面での消耗もあり、追加点を決めることはできず、試合はそのまま3-1で終了。Y.S.C.C.横浜がSRC広島を下し2回戦進出を決めました。
Y.S.C.C.横浜の有馬賢二監督は試合後に、川崎フロンターレとの2回戦に向け、「自分たちの今の力を測る上で最高の相手だと思います」と述べ、チャレンジ精神を持って試合に臨みたいと意気込んでいました。
一方、SRC広島の森脇監督は、戦術において通用した部分があったとチームのプレーを評価し、好ゲームをした選手たちの健闘をねぎらっていました。
なお、Y.S.C.C.横浜は7月12日に等々力陸上競技場にてJ1の川崎フロンターレと2回戦を戦います。
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■監督・選手コメント
有馬賢二 監督(Y.S.C.C.横浜)
ノックアウト方式なので試合の入りが硬かったのと、綺麗にサッカーをしようとした部分があって、なかなかリズムをこちらに持って来られないまま、前半が終わってしまいました。後半、球際にしっかりいくということと、コンパクトにするということで、なんとか点は取れたかなという感じです。(2回戦について)一つ一つ目の前のことをやっていく大会です。自分たちの本当の今の力を測るには、川崎フロンターレは最高の相手だと思います。対戦するからには、どこまでできるのか、チャレンジしたいです。
吉田明生 選手(Y.S.C.C.横浜)
普段、J3では引いた相手とはやっていないのですが、試合に入って相手が引いてきた時に、『前半はこういう展開になる』と思っていました。イージーなミスだけが怖かったので、まずは慣れることを考えながらプレーしました。後半、相手の足が止まるのはわかっていました。そこからはフィジカルの勝負になるという話は(チームで)していたので、いい時間帯に点がとれて良かったです。(次のフロンターレとは)シーズン前に練習試合をさせてもらっているので、その時の感覚と、今まで積み上げてきたものをどう出せるのかをやってみたいと思います。
藤川祐司 選手(Y.S.C.C.横浜)
自分で数えたら1年8ヶ月ぶりの公式戦でした。ベストは尽くしましたが、自分の理想からはまだまだです。とにかく早く試合に出たかったので、いつでも準備をしていました。天皇杯で復帰出来て良かったです。去年は1年間、担任を持って教員をしていました。サッカーからは離れていたので、そこからまたサッカーに戻ってこられたことには、感謝しかありません。
森脇誠司 監督(SRC広島)
前半はある程度戦えましたが、最後は体力勝負で持ちませんでした。選手はよく頑張ったと思います。あまり上のカテゴリーのチームという意識を持たずに、言葉は悪いですがビビらずに、胸を借りるつもりで、いつも通りやればいいと思っていました。このチームにとっては初めての全国大会で、これだけのお客さんの中でやることも、うちにはないことです。いい経験をさせてもらったと思います。
長谷川博一 選手(SRC広島)
とにかく負けは負けです。勝てるチャンスもあったので、その分、悔しさはあります。チームは初めての全国大会、相手はJ3で、試合に入ってすぐピンチがありましたが、ちょっとリズムが出てきて、『やれる』という手応えは感じました。チームの練習は基本的に週3回ですが、今週は2回しかやっていません。その中であれだけ頑張れたのは良かった。個人的には、チームに天皇杯に出る喜びを知ってもらえたかなと思うので、僕はすごく嬉しいです。(編注:長谷川選手はサガン鳥栖などで過去に天皇杯本大会に進出してプレーしています。)
日高直 選手(SRC広島)
天皇杯本大会は大学3年の時に出ていたので、そんなに緊張はしませんでした。1点目を取られても焦りはなかったですが、2点目が痛かったです。でもいい勝負はできていたと思いますし、チャンスも作れていて、そこでうちが決めてれば(結果は)わからなかったなと思います。もったいない試合でした。明日は朝7時半からまた仕事です。建築系の営業です。
■その他の試合結果
ブラウブリッツ秋田(秋田県代表) 7-1(前半2-0、後半5-1) さいたまSC(埼玉県代表)
佐賀大学(佐賀県代表) 0-1(前半0-1、後半0-0) 徳山大学(山口県代表)
三菱重工長崎SC(長崎県代表) 1-2(前半0-0、後半1-2) ホンダロックSC(宮崎県代表)
富山新庄クラブ(富山県代表) 0-7(前半0-4、後半0-3) サウルコス福井(福井県代表)
FC今治(愛媛県代表) 1-2(前半0-1、後半1-1) ファジアーノ岡山ネクスト(岡山県代表)
Y.S.C.C.横浜(神奈川県代表) 3-1(前半0-0、後半3-1) SRC広島(広島県代表)
ヴァンラーレ八戸(青森県代表) 1-0(前半0-0、後半1-0) モンテディオ山形ユース(山形県代表)
熊本県教員蹴友団(熊本県代表) 0-2(前半0-0、後半0-2) FC琉球(沖縄県代表)
グルージャ盛岡(岩手県代表) 0-1(前半0-1、後半0-0) 浦安SC(千葉県代表)
ガイナーレ鳥取(鳥取県代表) 6-0(前半2‐0、後半4-0) 多度津FC(香川県代表)
デッツォーラ島根(島根県代表) 0-5(前半0-3、後半0-2) ヴェルスパ大分(大分県代表)
トヨタ蹴球団(愛知県代表) 4-1(前半3-0、後半1-1) 上田ジェンシャン(長野県代表)
AC長野パルセイロ(シード) 2-0(前半1-0、後半1-0) JAPANサッカーカレッジ(新潟県代表)
■その他の試合結果一覧
以上