日本代表チームは現地時間6月14日、2014FIFAワールドカップ・ブラジル大会グループステージ初戦をレシフェのペルナンブコ・アリーナで迎え、コートジボワールに1−2の逆転負けを喫しました。
前半16分に本田圭佑選手の一撃で先制しましたが、後半64分にウィルフリード・ボニ選手、同66分にジェルビーニョ選手と続けてゴールを許しました。
日本は先発にGK川島永嗣選手、バックラインを内田篤人選手、森重真人選手、吉田麻也選手、長友佑都選手で固め、MFに山口蛍選手と長谷部誠選手のペアを配し、2列目右外に岡崎慎司選手、左に香川真司選手、トップ下に本田圭佑選手、1トップに大迫勇也選手の布陣で臨みました。
4万人超の観客で埋まったスタンドから国歌斉唱の大合唱と「ニッポン」コールが聞こえる雰囲気のなかで試合が始まり、前半14分に左CKから岡崎選手、香川選手が立て続けにシュートを狙い、最初の好機を迎えます。
先制点が生まれたのはその直後のプレーでした。左サイドの長友選手のスローインを香川選手が長友選手に戻し、長友選手から本田選手にパスが通ります。本田選手はこれを受けると、左足で豪快な一撃を相手ゴールに突き刺しました。
その4分後の前半20分には右サイドを攻め上がった内田選手が本田選手のパスを受けて、相手を交わしてエリアからシュートを放ち、相手ゴールを脅かしますが、GKブバカール・バリ選手に止められました。
一方、反撃を試みるコートジボワールはヤヤ・トーレ選手を中心に攻撃を組み立てます。右SBのセルジュ・オーリエ選手、左SBアルトゥール・ボカ選手にサイドを使われてゴール前に迫られる場面が続きます。日本は森重選手や山口選手、長谷部選手らを中心によく対応。川島選手も好セーブを見せて、前半を1−0リードで折り返しました。
しかし後半に入ると、コートジボワールが攻勢を強め、オーリエ選手のサイド攻撃やカルー選手が中央から攻め上がり日本ゴールを狙う場面が続きます。後半62分にFWディディエ・ドログバ選手がベンチから投入されると、相手の攻撃が活性化されました。
そして後半64分、右サイドのオーリエ選手のクロスに、ゴール前に走り込んだボニ選手に頭で合わされて同点。さらにその2分後、再びオーリエ選手からニアポストに走り込んだジェルビーニョ選手に速いクロスボールを入れられ、近い距離から頭で決められました。
日本はその直後に大迫選手に代えて大久保嘉人選手、香川選手に代えて柿谷曜一朗選手を投入。終盤には吉田麻也選手をバックラインから前線にあげてパワープレーを試みますが、再び相手ゴールを割ることはできませんでした。
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この日、もう一つの試合でコロンビアがギリシャを3−0で下し、Cグループ首位に立ち、コートジボワールが得失点差で2位。日本は得失点差でギリシャを上回って3位スタートとなりました。
日本はグループステージ第2戦で19日にナタルでギリシャと対戦します。
【コメント】
■アルベルト・ザッケローニ監督
日本の立ち上がりは非常にダイナミックで良かったのですがその後、相手が力を増してスペースをうまく使い、我々を上回るプレーを見せました。前半最後の20分間、相手に対して十分な攻撃ができなかったのですが、もっとボールを奪ってボールを保持すべきでしたし、もっとアグレッシブにスペースを使ってプレーすべきでした。いつものスピードもなく、選手間の距離が開いてしまい、守備も攻撃もうまくできませんでした。選手交代で状況を変えようとしたのですが、状況は変わりませんでした。コンディショニングに失敗したとは思いません。チームの状態はよかったですし、精神的にも準備出来ていました。ですが、今日はこの4年間で出来ていたプレーができなかった。何がうまくいかなかったか、次の2試合で何をすべきか、今日の試合を分析して見極めたいと思います。
■MF 長谷部誠 選手(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)
今日は自分たちのやろうとしているサッカーを、試合を通して表現できませんでした。それが一番悔しいです。先制して引いてしまって、守りに頭がいってしまった。でも1点を守り切るチーム作りをしていないので、もっと点を獲りにいっていればと思いますし、コンパクトにすべきでした。全体的にボールを簡単に失う場面も多かったですし、ボールを獲る位置も低すぎて、そこから相手ゴール前へ行く前にボールとられてという悪循環になってしまいました。
■FW 岡崎慎司 選手(1.FSVマインツ05/ドイツ)
前に出るのに失敗してカウンターを受けてしまい、そこをつなげませんでした。ドログバが入ったあと、我慢できずに相手に獲られることが多くなってしまいました。踏ん張らなければいけない試合だったと思います。やられてしまったのは仕方ないですし、2連勝すれば、まだ次へ上がれる可能性はあると思うので、チームとして落ち込まないで切り替えてやることが大事だと思います。もう一点とれるチャンスはあったので、次はもっと多くチャンスをつくるという、そういう開き直りが大事になってくると思います。
■DF 長友佑都 選手(インテル・ミラノ/イタリア)
なかなか自分たちのサッカーが出来なくて、厳しい試合になりました。ラインも全体的に低くて、相手にボールを回されて、全体的に体力も消耗させられて、走らされてしまいました。相手は軽くボールを回しているだけで、僕たちも前からはめて行こうとしていたんですが、なかなかはまらなくて、ボールの奪いどころがありませんでした。ただ、ネガティブに下を向いていても状況は変わらないので、次のギリシャ戦へ向けてやるだけです。
■サブリ・ラムシ コートジボワール代表監督
ワールドカップの初戦で勝つのは良いことですが、難しい試合でかろうじて勝ちました。ハーフタイムには選手を落ち着かせて、より注意して攻めに出るように指示しました。ドログバが出て状況が良くなったと思います。彼は100%の状態ではないので、途中起用が効果的だろうと考えていましたが、彼のような存在はチームの助けになっています。
以上