AFC女子アジアカップ ベトナム 2014は25日(日)、ホーチミンで決勝戦を行い、日本女子代表(なでしこジャパン)がオーストラリア女子代表に1-0で勝利し、初のアジアカップ制覇を果たしました。
決勝は大会グループステージ初戦と同じ顔合わせとなったオーストラリアとの一戦。日本は準決勝と同じく福元選手がGKに、ディフェンスライン、ボランチも同じ布陣で臨みます。右サイドハーフには中島選手、左に川澄選手、1トップに高瀬選手、そして宮間選手を1.5列目の位置に配置して試合をスタートしました。前半立ち上がりの相手の勢いを警戒していた日本。オーストラリアはデバンナ選手を中心に突破を仕掛けてきますが、必死にくらいつき、集中した守備で大きなチャンスを作らせません。19分には澤選手からボールを受けた宮間選手が前線へスルーパスを入れるも高瀬選手はわずかにあわず。逆に23分にはショートコーナーを奪われデバンナ選手が一気にゴールへと迫ります。日本がチャンスを伺うなか、28分、左のコーナーキック。宮間選手から左サイドで受けた宇津木選手がゴール前にクロスを上げ、岩清水選手がゴール。大事な先制点を挙げます。その後も一進一退の状況が続き、65分には澤選手に替わって菅澤選手が、75分に後藤選手、83分に吉良選手が続けてピッチに送り出され、前線の活性化を図ります。試合は1-0で終了、岩清水選手の決勝点を守りきりました。ホイッスルの瞬間を宮間選手は「澤選手が9大会出場してきて、優勝がないなんておかしいと思っていた。彼女がいるチームで優勝できて良かったと思った」と振り返りました。
1981年の日本女子代表の大会初出場から33年。初めてアジアの頂点に立ちました。
オーストラリア女子代表は準優勝、大会3位は韓国女子代表に2-1で勝利した中国女子代表となりました。日本はフェアプレー賞もあわせて授賞し、大会MVPにはキャプテンの宮間あや選手が選出されました。
■監督・選手コメント
・佐々木則夫 監督
オーストラリアを相手に、前半は1、2回チャンスを作られましたが、?瀬選手や宮間選手、そして中盤の選手たちを中心にアグレッシブな守備を見せ、相手の特徴を消すことができたと思います。得点後、リードしていることでこちらの勢いが少し落ちた部分もありましたが、福元選手を中心に素晴らしいプレーを見せてくれ、感謝しています。ここベトナムには初優勝のタイトルを獲るために来ましたので、結果は嬉しく思います。この大会で得た課題を、ワールドカップまでの準備期間で修正して高めていきたいと思います。
・宮間あや 選手(岡山湯郷Belle)
アジアカップを獲る前にワールドカップで優勝していましたが、このタイトルが本当に欲しいとチームとして感じていました。こうして優勝すると今まで頑張ってきてよかったと思いますし、最高の気持ちです。
得点につながったコーナーキックはイメージ通りでした。その前にあったショートコーナーでミスをしていたので、ああいったつなぎ方に変えました。宇津木選手が素晴らしいキックでいいボールを入れてくれました。
MVPをいただきましたが、新しい選手たちもいたなかで、すべての選手が、チームとしての結果も優勝以上の意味があったと思います。まだまだチームとしても、個人としてもやらなければいけないことがあります。自分たちのペースで試合を進められる時間もまだまだ短いですし、パス&コントロールからすべて、レベルアップしなければいけません。チームとしての一体感を作ることを今後どう活かしていくかは自分たち次第ですし、所属クラブに戻ってどう各選手がそれを始めるかにかかっていると思っています。
・宇津木瑠美 選手(HSCモンペリエ/フランス)
(優勝の瞬間は)みんながいて良かったな、と思いました。アジアを制してこそ世界で戦える、と選手同士で試合前に話をしていました。前半、あの位置からクロスを入れれば得点になることはイメージができていたので、無事に得点につながって良かったです。今大会は、左利きであったり、ボランチのポジションでもプレーする自分だからこそのサイドバックを見せることができたと思いますし、チームに少しでも貢献できたことが良かったです。自分のなかでも自信になりました。
自分たちがいい試合をするのはもちろんですが、関わってくれる人すべてにその熱が伝わってこそ、なでしこらしさが見せられると思っています。一生懸命結果を残して、がんばる姿で支えてくれる人に何かを返せたり、チームがより一丸となれる。これがさらに強くなれば、日本はもっと強くなれると思います。
・高瀬愛実 選手(INAC神戸レオネッサ)
最後は動けなかったですし、得点を挙げることができなかったのは悔しいですが、みんなで優勝できたことは本当に嬉しいです。自分としてもいい経験になった、プラスになった大会でした。「点を取る」ことは課題として残りましたので、それを今後また高めていきたいです。
以上