【マッチレポート】
2011年10月8日(土)16:00キックオフ(現地時間)
ベトナム、ホーチミン市@Thong Nhat Stadium
≪U-19日本女子代表 3−1(前半0-0) U-19韓国女子代表≫
初戦で北朝鮮に敗た韓国との対戦となった日本は、この試合で勝って勝点を一気に伸ばしたいところ。試合前には豪雨に見舞われ、試合開始時にはほぼ止んでいたものの、ピッチは非常にスリッピーな状態。
序盤に先にリズムをつかんだのは日本。
4分には中国戦で値千金のゴールを決めていた浜田遥が柴田華絵のクロスに合わせてチャンスを得たが、オフサイドの判定。その3分後には左サイドの田中陽子からのパスを受けた柴田がシュートするも韓国GKの正面と、序盤のチャンスを活かせない。
逆に8分、韓国のChoi Miraeにペナルティエリア内からシュートチャンスを許したが、これはGK望月ありさの正面。
日本は持ち前のパスワークを活かして16分には浜田、23分には京川舞がチャンスを迎えるもいずれも決まらず。韓国も25分、27分とシュートを放ったものの、ゴールの枠を捉えきれない。
前半の日本の最大のチャンスは31分、右サイドの柴田からのボールを受けた藤田が逆サイドのDFの裏に放り込んだボールに田中が走りこみ、ドリブルでゴールエリア近くまで持ち込んでシュートを放ったが、韓国GKにはじかれた。
韓国が41分に日本ペナルティエリア内にロングボールをけりこみ、飛び出したGK望月がボールをこぼして日本はピンチを迎えるが、このボールを何とかクリアし、前半は両者とも決定機を決めきれないまま0−0で折り返した。
日本は後半からキャプテンの藤田に替えて横山久美を送り込む。
53分には日本のパスミスからMoon Miraのシュートを許したが、ゴールの枠外。
その6分後、韓国陣内中央でボールを受けた浜田が、右を走る京川に絶妙なスルーパスを出す。これを受けた京川がドリブルし、ペナルティエリア付近からGKとの1対1の状況で冷静にシュートを右足でファーサイドに流し込み、待望の先制点を決めた。
そのわずか2分後、左サイドの横山が得意のドリブルから中に切れ込み、25mの距離から放ったシュートが韓国GKの頭上を抜けてゴールに吸い込まれ、日本が連続ゴールでリードを広げた。
韓国も66分には途中出場のYeo Minjiがペナルティエリア内右サイドからシュートを放ったが、日本もGK望月の好セーブで韓国の反撃を断ちきる。
79分には柴田のシュートが韓国GKの脇をすり抜け、3−0と大量リードを奪って勝利を決定づける。
終了4分前にCKからKim Ji Hyeのゴールを許して無失点での勝利は逃したものの、日本が快勝して勝点を4に伸ばした。
【試合後コメント】
[吉田 弘監督コメント]
前半の立ち上がりはよいペースで試合を進められたが、点が取れないまま、自分たちのミスでボールを失い、危ない場面も何度かあった。
しかし後半、先取点を取り、さらに追加点を取れて楽になった。
韓国は1試合目の朝鮮民主主義人民共和国との試合に逆転負けを喫し、この試合でも3失点したので精神的にガクッときたのだろう。
初戦は緊張というよりも、ほぼ負けていた試合で追いついて勝点を拾ったので、今日はどうしても勝ちたかった。先に点が取れ、それによって自分たちがボールを回せるようになり、自分たちがやろうと思っていた場面を多く作り出せた。
ただ、今までやってきた個人での仕掛けやDFラインの裏を突くということをしたかったが、その数は少なかったように感じる。
次は1日おきの3連戦の3試合目となるため、非常にきつい試合になると思う。頭を切り替えてメンバーを考えて臨みたい。
[横山 久美選手コメント]
今日はチームが一丸となって戦えた試合だと思う。
(ベンチから見ていた)前半から、日本がボールを回していたので、シュートが入る予感がしていた。
後半からの出場だったが、前半から出ていた選手が相手を疲れさせてくれていたので、自分は得意なドリブルを活かして得点しようと思い、臨んだ。
シュートシーンは外から中にドリブルで切れ込んでのシュートという得意のパターンだった。早い時間に追加点を取ろうとしていたし、チームがあそこまでボールをつなげてくれたので、絶対に決めてやろうと思って打った。
試合を楽しむことと、出ていない選手の分も頑張ろうと思っていた。今日は勝ったが、今後の試合で負ければ優勝に手が届かなくなるので、次も勝たないといけない。次の試合は今日よりもっとチーム一丸となって勝ちたい。出場できれば、チームにより貢献したいし、そのために得点したい。
[高木 ひかり選手コメント]
2年前のAFC U-16女子選手権、昨年のFIFA U-17女子ワールドカップと負けていた相手だったので、今日は試合前に選手でミーティングをし、気持ちを高めて試合に臨んだ。
初戦の中国との試合よりも攻守にわたる課題がいくらか改善出来ていたので、立ち上がりからよい攻撃ができていた。
自分はDFとしてラインコントロールをしたり、相手にボールが入る前のインターセプトを前試合よりも意識して出来たと思う。ロングボールをけってくる相手に対し、素早く下がってヘディングで跳ね返すことが、疲れてきた後半はできなくなっていたことが課題だ。また、ラインコントロールも意識しながらもそろっていなかったり、ラインを上げきれないところもあったので、そこは改善していきたい。
次の対戦相手のオーストラリアが長身を活かそうとするロングボールをしっかり跳ね返し、足が速い選手に対しては裏を取られないことを意識してやりたい。
相手も勝点3を目指して勢いよく来ると思うが、落ち着いて自分たちらしいプレーをして勝利をつかみたい。
[京川 舞選手コメント]
今日は相手の状況を見て攻撃できたり、守備では狙うところがはっきりしていて、味方同士でコミュニケーションをしっかりとりながら試合を進められたことが良かった。韓国を相手にもう少し苦戦するかと思っていたが、自分たちのサッカーを見せられたと思う。
今日の勝点3は大きいし、チーム一丸となって勝利できたことがうれしい。
得点シーンは、韓国DFの裏に抜けてGKとの1対1となったとき、見えたコースに無心でシュートを打つことができて決まった。
中国戦と比べてフリーでボールを持つことができたし、ピッチも前よりもやりやすかった。
試合前にやろうとしていた、自信を持ってプレーすることや、ミスをしても下を向かずにチャレンジすることができた。ベンチも含めて1つになったチームに助けられたこともあり、自分自身もプレーしやすかった。
次の試合でもやることは同じ。日本らしいポゼッションサッカーをし、自分もピッチに立てば持ち味を発揮して勝利に貢献できるよう、良い準備をしたい。
以上