ドイツ・フランクフルトで7月17日に行われた女子ワールドカップ決勝で、アメリカを延長2−2を経てPK戦3−1で破り、なでしこジャパン日本代表が初のワールドカップ優勝を達成した。以下は、日本女子代表選手の優勝の一言。(順不同)
■MF 澤穂希選手:
頂点を目指してやってきたので、優勝はうれしい。得点王もMVPも、みんながいたから獲れた。アメリカに対してゴールが取れたこと、あそこで同点ゴールができたのがすごくうれしい。みんなが最後まで走り続けた結果があの点だったと思う。本当にみんなに感謝している。北京(五輪)の時に中堅だった選手がすごく成長して頼もしくなった。
自分が好きなことをやって、たくさんの人が笑顔になったり応援してくれたりというのはすごくうれしいし、今後、女の子がもっともっとサッカーをやってくれたらいいと思う。(女子サッカーに注目が集まるが)、北京の時は一瞬だけだった。それを持続させるためにも、自分たちがしっかりと結果を残さなくてはならないと思う。
■MF 宮間あや選手:
実感はあまりないが、「感動をありがとう」と言われてうれしかったが、本当に「あの国はいい」と言われるには、PK戦になる前に決着を付けないといけない。ラッキーなところがあったので、(優勝しても)その悔しさがあった。でも、あれだけ声が聞こえなくても、(ピッチ上で)みんなが考えることは一緒だと感じたし、みんなが良い融合をした。チームの成長もあるが、自分たちの方が運を引きこむ力や積み上げてきたものなど、全てがいい形で出たかと思う。
■FW 永里優希選手:
素直にうれしい。大会中、いろいろと苦しい時期もあったが、その中で学んだこともすごく大きかった。結果には満足しているけれど、自分が歩んできたプロセスに関しては満足していないところがすごく多いので、今後の自分の成長につながる、大きな糧となる経験となったのではないかと思う。1回優勝するのは、幸運でもできるけれど、2回優勝するのは本当に実力がないとできない。そういう点で、今後、自分たちにかかるプレッシャーは今まで以上に大きくなると思うし、それを背負っていかなくてならなくなった。大きなチャレンジだが、それは自分の中ではうれしいこと。
■FW 安藤梢選手:
信じられない気持あるが、世界を驚かせたと思う。ドイツ人も驚いている。日本人のサッカーが世界一だというところを見せられたのはすごくうれしい。細かいパスワークも他の国には無いもので美しいと言ってもらえている。もっとその精度を上げて行きたいし、自分たちのサッカーのレベルを上げていきたい。
(自分が)無得点だったのはすごく悔しいが、出来たことの方が多かったと思うし、自分が成長できている部分は出せたと思う。(ワンランク上げるには)今までと同様に、個人個人が上を目指してやっていくこと。個人的な課題はチームに戻って伸ばして行ければいい。
■DF 近賀ゆかり選手:
相手にリードされる展開で追いついて取ったというのが、なでしこらしい勝ち方だったかと思う。チーム力で勝てた。自分自身は不甲斐ないプレーで迷惑をかけてばかりだったが、ベンチからも声をかけてもらって、力をもらったのが大きかった。
今まで女子サッカーを築いてきた人たちが、状況が厳しい中でもがんばってきてくれたから、今の自分がある。結果を目指すことで良くなるということを先輩方から教えてもらった。
■MF 阪口夢穂選手::
(決勝は)めちゃ、しんどかった。守りが多くなるだろうと思っていた。これまではアメリカに先に点を取られると追いつけなかったが、2回も追いつけたのは大きな成果。優勝の実感はないが、アメリカに勝てたことが大きい。次は90分で勝てたら最高です。
(自身にケガなど苦しいことがあったが)これでやっと新しい自分になれた。よかったです。
■DF 熊谷紗希選手:
最後まで仲間を信じてよかった。対戦相手との駆け引きなどいろいろと試せて、決勝では2得点されたが、その場面も含めて相手との駆け引きも楽しめた。優勝はしたが、自分にとってはまだ通過点。次につながる大会になったと思う。
PK戦は自分が蹴るとは思っていなかったが、あれだけ海堀選手が止めてくれていたので、あまり気負うことなく蹴れた。いろいろなことが見えた大会だったと思う。
■DF 岩清水梓選手:
優勝はうれしい。(退場になった場面は)行くしかないと思っていたが、与えたFKの場所が相手にとって良い場所だったので、「入らないで」と、どきどきしながら見守った。みんなすごいなと思った。
クロスボールの対応をしっかりやればある程度やれると思っていた。相手はそこを狙っていたが、うまく防げたと思う。失点しても追いつけると信じていた。常に諦めずに粘り強く闘う気持ちがあって、それで日本を元気づけられたらという思いがあった。
■MF 川澄奈穂美選手:
まだ夢を見ているみたい。決勝で日本の選手の方が楽しそうにサッカーをやっていたので、1失点した後も自分たちにチャンスがあったし、勝機はあると感じていた。だから、「このぐらいの方が楽しいよね」と永里選手と話していたし、PK戦へ入る前に円陣を組んだときにも「こんな状況はめったにない。楽しむしかない」と言っていた。攻めでも守備でも貢献できたと思う。楽しい大会だった。
■GK 海堀あゆみ選手:
体を張って守ってくれたDF陣に感謝しているし、ベンチの人間も含めてチーム一丸となって得た勝利だと思う。PK戦では自信のある方に飛んだ。決勝のMVPは、自分だけの力で選ばれたのではないと思うので実感がない。自分がピッチに立てたのは、山郷選手と福元選手がいてくれたおかげ。セットプレーでのマークなど、自分では分からないことなどを指摘してもらった。いつも3人で戦っているつもりでいた。いい仲間がいたから勝てたのだと思う。
■GK 福元美穂選手:
(優勝は)まだ信じられないが、うれしい。GK陣は誰が出てもいいように、セットプレーなど共通理解ができていた。GK3人とスタッフ含めて毎回いい試合ができた。一人一人がチームのためにと考えて、自分の役割に徹していた。この経験は今後のサッカーだけでなく自分の人生全般にすごく生きてくると思う。
今回の優勝で、もう少し女子サッカーが注目されてメディアで取り上げられるようになって、サッカーをする少女が増えたら、日本女子サッカーの底上げになる。やはり、一番はトップの代表チームが結果を出すことだと思った。
■DF 矢野喬子選手:
今までやってきたことがこの大会で出し切れて、結果につながったのでうれしく思う。一人一人、みんなが自分の立場を考えて100%以上の力を出した結果だと思うので、素直に喜んでいる。
(試合に出られなかったことは)ふっ切れたというか、自分が何をしなければいけないかがはっきりした。それに向かっていい準備をしながら、みんなをサポートするという立場で、自分もやり切った感があるので、悔いのない大会です。
■MF 宇津木瑠美選手:
(優勝の)実感がない。すごい試合で、決勝にふさわしい試合だった。みんなでがんばって練習してきて、自分の力が1%でも入っていてくれればいいなと思う。いろいろと試してみたい大会だったが、まだまだチャレンジするレベルになかったかな、と思う。自分には経験が足りない。年間を通して試合に出続けている選手との違いを感じて、勉強になった。
■FW 岩渕真奈選手:
うれしいです。日本を見る目が変わると思うので、責任を持って、自分もしっかりやっていきたい。先輩方は勝負強いし、自分も見習わないと、と思う。これからもっと努力して、この舞台を経験させてもらったので、責任を持ってやっていきたい。
以上