若き日本代表がまた一歩、大きな前進をした。グループB1位通過を果たしたU-17日本代表は、ラウンド16で、グループリーグ3試合で失点2という堅守を誇るニュージーランド代表と対戦した。
GK中村航輔、DF植田直通、岩波拓也、川口尚紀、室屋成、MF喜田拓也、望月嶺臣、石毛秀樹、FW松本昌也、早川史哉、秋野央樹のスターティングメンバーで試合をスタートした。
前半20分、右サイドを突破した石毛のクロスが、そのままゴールに吸い込まれ、日本が幸運な形で先制した。
毎試合相手に20本以上のシュートを放たれながらも、グループリーグ3試合を僅か2失点で抑えてきたニュージーランドにとって、前半で先制されたことは大きなビハインドとなった。22分、中盤で相手のボールを奪取し望月が左から仕掛けると、DFラインの裏に走り込んできた早川の動きを見逃さず、浮き球のループパス。これに抜け出した早川がGKを引き付けてセンタリング。これを石毛がスライディングで押し込んで日本が追加点を奪った。
追加点を奪った後も、日本はボールを保持してリズムを作り、32分にはペナルティーエリア右で突破を仕掛けた石毛のシュートのこぼれを、早川が落ち着いて拾ってゴールにけり込み、3点目。42分には望月と早川のコンビネーションで左サイドを崩すと、望月のクロスが相手のオウンゴールとなり前半だけで4-0という大差がついた。
44分に望月に代わって南野拓実を投入。56分に松本の縦パスに室屋が抜け出し、室屋の折り返しを詰めたのは南野が今大会初ゴールで、5点差となった。その後、80分に秋野のスルーパスに抜け出した早川が落ち着いて決めて、6点目を奪った。
85分にはGK中村に代え、GK阿波加俊太を投入、阿波加は終了間際に好セーブを見せて無失点を保った。阿波加の出場によって大会登録メンバー全員がピッチに立ち、文字通りチーム全員の力で18年ぶりに準々決勝に進出を決めた。
準々決勝の対戦相手はブラジル。U-17日本代表史上初のベスト4進出に向けて、全力でぶつかって、最高の結果をもぎ取ってほしい。
■監督・選手コメント
○吉武博文監督
ーこの結果についてどう思うか?
日本はグループリーグで試合をした会場でピッチや気候にも慣れていたうえ、最初の得点も幸運なもので、6−0という結果は我々にとってラッキーだったと思う。結果的に大差になったが、チームの差はそれほどのものではないと思う。
ーここまでの大差はサプライズだったか?
良いゲームにはなると思っていたが、ここまで大差になるとは思っていなかった。ニュージーランドは日本にとって組みやすい、日本に有利な形で試合を進められる相手だったので、もしかすると、これは試合をする前からの必然だったのかもしれません。
ーこの大量得点で、もう優勝候補の一角と見られてもいいのでは?
決勝トーナメントに進むことができたのも18年ぶりのことで、そんなことはないと思う。それよりも王者・ブラジルと試合ができることはうれしい。大量得点に関しては、ここの環境に対する慣れがあったことと、サイドにいる選手のスピードが相手より勝っていたので、この点差になったと思う。
ー日本の戦いは、ちょっとずつ成長してきた印象があります。次のブラジルもこの勢いで行けるのではないでしょうか?
少しずつの成長をしていくことは、当初からの目標でした。世界大会で1試合ごとに成長している手ごたえはある。ブラジルとも今までよりも良いパフォーマンスで良い試合が出来ればと思っている。当たって砕けろという気持ちでやりたいです。ブラジルに勝つ可能性は1%か2%かもしれませんが、でも1%でもあるのならば、勝ちを目指して準備していく。
ー次はブラジルが相手です。
ブラジルについては、準々決勝で対戦することが分かっていなかったので、まだ詳しくは見ていない。ブラジルは個の力があり、選手がサッカーを理解しているチームだと思う。
○南野拓実
―ようやくとったゴール。このゴールはどうつながるか?
まずこの大会でゴール出来たことは凄く嬉しく思います。ただ、もっとチャンスがあったので、2点目、3点目が取れたはず。ここをしっかり決めないといけない。チームが苦しい時にゴールが奪えてないので、最後のシュートの質をもっと高めていきたいと思います。これまでなかなかチャンスがあっても決められなかったのですが、1点きめられたのは後につながるし、この1点で変わるので、これで弾みをつけて頑張りたい。
○石毛秀樹
1点目は狙っていないです(笑)。入ってよかったです。2点目は逆のFWがドリブルで行ってくれたので、僕は外にいる必要がなかったので、センタリングが来ると思って、中に入っていきました。2つのゴールを決めることが出来たのは本当によかったです。
以上