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次はなでしこジャパンで世界一を!〜U-17女子代表・銀メダルを胸に笑顔で帰国〜(10.09.30)

トリニダード・トバゴで行われていたFIFA U-17女子ワールドカップ。U-17日本女子代表は、決勝で惜しくも韓国に敗れたが、堂々の準優勝に輝いた。その若き女子代表チームが9月28日に帰国した。
空港で出迎えた小倉純二日本サッカー協会会長に花束を手渡され、思わず笑顔がこぼれた選手たち。胸には銀メダルが輝いていた。

グループリーグの初戦でスペインに敗れ、黒星スタートとなった日本。出足は決して順当ではなかった。
しかし、続くベネズエラ、ニュージーランドに大勝。グループC2位で決勝トーナメントに駒を進めた。準々決勝では体格差のあるアイルランドに競り勝ち、ベスト4へ。
そのベスト4には日本をはじめ、韓国、朝鮮民主主義人民共和国のアジア勢すべてが勝ち進み、改めてアジアのレベルの高さを証明してみせた。ファイナリストとなったのは日本と韓国。両チーム一歩も譲らぬ戦いはまさに死闘と呼ぶにふさわしいものだった。

「最後は技術云々ではなく気持ちで戦っていた」と猶本光は語る。韓国に先制されるも、すぐさま猶本のゴールで日本が同点にする。さらに田中陽子が決めて逆転に成功するも、前半ロスタイムに韓国が再び試合を振り出しに戻す。後半、加藤千佳のゴールで勝利を引き寄せたかに見えたが、諦めない韓国が同点ゴール。延長戦でも決着がつかないまま、勝負の行方はPK戦へ。最後まで勝利を目指し続けた日本だったが、PK5-4で涙を飲んだ。
 大会前、全員で目標に掲げた世界一。あと一歩及ばなかったが、見事な銀メダルだった。

今大会で、一躍シンデレラガールとして注目されたのが、横山久美だ。
初戦はベンチスタート。前半の途中からピッチに送り出された横山は、この試合で日本唯一のゴールを決める。ここから横山は流れを自分のモノにした。第2戦、第3戦と連続ゴールを挙げ、その勢いは決勝トーナメントに進出してからも止まらない。圧巻だったのは準決勝の対朝鮮民主主義人民共和国戦。日本は先制された10分後に高木ひかりのゴールで同点に追いついた。そのわずか1分後、ボールを受けた横山は得意のドリブルで次々と相手DF5人を抜き去り、残る最後の一人をかわすと華麗に決勝ゴールを決めた。「メッシみたいって? まだまだです(笑)。でも印象に残るゴールですね」とは横山本人。決勝では徹底的に研究されていたためゴールこそならなかったが、3点目をアシストするなど、最後までその積極的な攻撃スタイルは崩れなかった。
 自身のゴールでチームを導き、6得点を挙げた横山はブロンズシュー(得点ランク3位)とシルバーボール(準MVP)を獲得した。「みんなでもらった賞だと思ってます。目指していたのは世界一だったので正直に言って悔しい。次はなでしこジャパンで世界一を狙いたいです!」と、すでに次なる目標に思いを巡らせていた。今後の活躍が期待される。
 また、指揮を執った吉田弘監督は、「最後のところで勝ち切れなかったのは課題として残りますが、選手たちにとっては大きな経験になったと思います。将来のなでしこジャパンを目指してがんばってもらいたいですね」と、選手たちをねぎらい、その成長に目をほそめた。
 一か月にわたる長き戦い。海外でここまで長期間、戦う経験はもちろん初めてのことだ。全6試合 ――、世界大会という緊張感の中で自分らしさを失わず、最後の瞬間までファイナリストとしてピッチで戦い続けた選手たちに大きな拍手を送りたい。
 “世界一”というポジションがはっきりと視野に入った今大会。だからこそ、“なでしこジャパン”は、はるか彼方の夢の話ではなく、少しリアルな目標として捉えることができたのかもしれない。大会後に選手たちの口から、なでしこジャパンとして歩む将来を意識した言葉が自然と出てきていたことからもそれは強く感じられる。次なるステージに向かって、すでに気持ちを切り替えている選手たち。さらなる成長を遂げ、なでしこジャパンの一員として世界大会のピッチに立つ姿を見ることができるのもそれほど遠い未来のことではない。

以上
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