AFC女子アジアカップ2010中国壮行試合を前に、なでしこジャパンは会場となる松本平広域運動公園アルウィン横の芝生グランドでトレーニングを行った。雨模様の中、朝9時30分から約1時間半に及ぶトレーニングは、ウォーミングアップ後、4人でボール回し、そして2人でパス、ヘディング、スライディングへ。体が温まったところでスタメン組とサブ組に分かれて、展開の確認を行った。佐々木則夫監督の指示で、コンビネーションやポジションチェンジの際の動きなどを入念にチェックしていく選手たち。30分のゲーム形式の最後はセットプレーの攻防で締めくくった。

今回の壮行試合は、5月19日から中国で行われるAFC女子アジアカップに向けて行われる最後の国際試合として、8日（長野）、 11日（新潟）の2試合を戦う。本大会は来年行われるFIFA女子ワールドカップの出場権（上位3チーム）がかかっており、絶対に負けられない戦いだ。このメキシコとの2連戦は、本大会を前に最後の貴重な実戦の場となる。

対戦相手のメキシコは2003、2007年のFIFA女子ワールドカッププレーオフで続けて対戦している馴染み深い相手だ（このホーム＆アウェイ方式による2度のプレーオフ対決では2勝1敗1分）。典型的なラテンサッカーを主体としたパワー溢れる攻撃力は要注意だ。今回、4名の初選出選手を含む22名（海外組4名は後日合流）でそのメキシコを迎え撃つなでしこジャパン。壮行試合後の14日には本大会へ参加する23名が発表される。選手たちにとっても、アピールできる最後のチャンス。佐々木監督も「全員を起用したい」と公言しているように、チャンスは全員に与えられる。新たな戦力は飛び出すのか、どれだけの有効なオプションが生まれるのか、注目の2連戦の初戦は8日、松本平広域運動公園アルウィンで13時にキックオフを迎える。

・佐々木則夫監督コメント
AFC女子アジアカップ2010中国へ向けての壮行試合で、素晴らしいメキシコというチームと対戦できるということで、（大会へ向けて）いい準備をさせていただきたいと思います。一人一人がやってきたことを、第一戦では準備不足も否めませんが、チームとしてやることは変わらないので、しっかりとやってくれればと思います。現在、代表に呼んでいる選手は全員出場させて、どんな組み合わせのオプションがあるのか、この試合で確認したい。中国でドイツから合流する2人の選手については、攻撃の選手で戦う上でのパーツとなると思います。国内の選手をここでしっかりと確認していきたいですね。（メキシコとの2連戦は）相手というよりは、自分たちでイニシアティブを持った攻撃な守備を展開したい。奪ってから果敢に攻めるという形で、90分間フルに自分たちの良さを出せるように選手たちにアプローチしていきたいです。

・澤穂希選手コメント
まずは明日からの試合をしっかり勝っていきたいと思います。まだチームが集まって時間が経っていないのですが、AFC女子アジアカップで優勝するために、この2試合でしっかりと準備ができるようにしたいです。アメリカでは4月から4試合を終了して、2得点。代表とはシステムもポジションも違いますが、調子は・・・普通です（笑）。普通というか、AFC女子アジアカップで優勝するために、予選リーグもそうですが、準決勝以降にピークを持っていけたらという感じです。メキシコは高地でトレーニングをしているということで、走れる、体力のある選手が多い。そしてパスもつなぐとこはしっかりとつなげる。先日、アメリカとの親善試合と観たんですが、積極的に攻めるアメリカに対し、最後のところはしっかりと体を張って守るという感じでした。自分たちも守られた時にどう崩すかが課題になると思います。長野県でなでしこジャパンのサッカーをやるということはなかなかないので、なでしこのひたむきさだったり、最後まで諦めない一生懸命なところとかをみなさんに見てほしいと思います。

・大野忍選手コメント
とにかく全力で戦っていきたいです。今シーズンはここまで所属チームでは苦しい状況が続いていますが、個人的には4得点ということで、調子はいいと思います。それを代表で出せるようにしたいです。メキシコ戦では自分自身はあまりいい仕事をできていないので、メキシコ独特の攻撃と守備に負けないように、組織として戦いたいですし、個人としてもしっかりと何か残せるようにやりたいと思います。アルウィンの芝は自分としては好きなピッチです。ドリブルをするときは、少し引っかかっちゃうかもしれないので注意はしたいと思います。澤さんも言ったようにアジアカップでいい結果を残せるようにみんなと一緒にがんばりたい。しっかりと松本のみなさんになでしこらしさを見せられるようにしたいです。

以上