■国際親善試合
2009年11月14日(土) 13:00 KO
埼玉・さいたま市浦和駒場スタジアム
なでしこジャパン 2 - 1 (1-0、1-1) ニュージーランド女子代表
<得点経過>
43分 1-0 日本 宮間あや
58分 2-0 日本 大野忍
92分+ 2-1 NZ ケイトリン・キャンベル
<マッチレポート>
14 日、朝からの雨が上がった駒場スタジアムで、なでしこジャパン国内初の親善試合が行われた。迎える相手は昨年の北京オリンピックの初戦で引き分けたニュージーランドだ。なでしこジャパンは今シーズンをアメリカで過ごした澤穂希、荒川恵理子、宮間あやらと、この1年しっかり力をつけてきた国内組とが初めて融合するゲームとあって、自然と注目は集まる。対するニュージーランドは主力とする選手たちに負傷が多く、若い力を中心としたチーム構成だが、北京オリンピックでの強烈な印象は薄らいではいない。両チームともにロンドンを目指す第一歩となる重要な一戦が始まりを告げた。
日本は安藤梢、北本綾子を2トップに据え、澤、宇津木瑠美のボランチに右サイドに大野忍、左サイドに宮間あやを置く。守備の要となるセンターバックには岩清水梓と矢野喬子、右に近賀ゆかり、左には鮫島彩が入った。立ち上がりからペースを握ったのは日本。4分、近賀からのクロスに安藤がシュート、続く6分には宮間からのパスを受けた安藤がドリブルからゴールを狙う。まだチーム始動から1週間ということもあり、ぎこちなさを残しながらもボールをつなぐ日本。 31分にはニュージーランドのアンナ・グリーンにクロス性のシュートを蹴りこまれるが、ここは山郷のぞみがCKへ逃れた。試合が動いたのは43分、宇津木、宮間とワンツーでつなぎ、宮間がGKを交わしてゴール。日本が先制して前半を終える。
後半は永里優希を投入し、大野との2トップで試合は動き出した。50分、大野からのパスを受けた近賀がゴールを狙う。GKが弾いたところを再び大野がシュート。DFに阻まれたボールを永里(優)が追うもここはさわれず。その3分後には、安藤からのアーリークロスに大野が合わせるもわずかに右。日本の時間帯が続く58分、クリアボールを拾った澤から永里 (優)、そして再び澤とつなぎ、最後は大野が左足でゴールネットに突き刺した。ニュージーランドも中盤で日本ボールをカットするも、守備意識の高い日本の中盤と落ち着いた最終ラインの判断の前にボールを展開させることができない。日本の攻撃は続く。78分には左サイドの鮫島彩がオーバーラップから上げたクロスに永里(優)が絶好のタイミングで合わせる。その3分後にも右サイドの近賀のクロスに永里(優)が滑り込むがゴールは割れず。終始日本ペースで進んだ試合は、終了間際にFKをケイトリン・キャンベルに直接決められて1点を返されるも、2−1で日本が勝利をおさめた。
<試合後コメント>
佐々木監督
キャンプの始めに、選手・スタッフともにワールドカップのチャンピオンを目指そうと話をしました。今日の試合は、そのスタートという気持ちで臨みました。攻撃の面でも、一人一人のポテンシャルや技での仕掛けというのはもちろんだが、(互いの)意識を合わせてやらなくてはいけないというのが北京オリンピックで感じたことでした。今日もボールを動かしながら、タイミングとリズムを取っていきたかったが、前半はちょっと掴みきれなかった。後半に入って、大分具現化してきたが、相手も疲れてきたというのもあったと思います。
今日はあえて、カウンターでいかないでつなぐサッカーをした。ボールを動かしながら、意図することができるか。ただ単にクロスを入れるのではなく、跳ね返された後どうするのか。アイデアを失ったときにもう一度やり直すということをやって欲しかった。中でも、アーリークロスには狙いを定めて、こだわっていこうとやっていた。
チームも動き始めてまだまだ1週間ですから、これから東アジア大会、アジア大会、アジアカップと準備していきたいと思います。
澤選手
今までとコンセプトは変わらないので、合宿でやってきたことをグランドで表現するだけ。ただ、北京でやった選手は初戦で引き分けたことを悔しいと思っているので、今日は絶対勝とう!と試合に入りました。「ニアに早いボールを」と狙っていたので、ニアばっかりになっちゃってましたけど、後半は裏が空いてくるので、そこを狙っていくように意識していました。
欲を言えば、もっと点が欲しかったですね。上の年代が抜けて、中堅の選手が“自分たちがが引っ張っていかないと!”って思ってる気持ちとかがよくわかる。若い選手たちもそれについていこうとしてるし、そういう部分はすごく感じます。
大野選手
前半は自分で我慢している時間帯があったし、前半に関しては不満です。後半はFWとして使ってもらえたのは嬉しかった。ここは自分のウリなんで。真ん中に澤さんが入ってきたり、1−1の状況がもっとできるはずなのに、あまり出来てこなかった。これは課題ですね。自分がサイドにいたとき、もっとニアに入って欲しかったので、そこは意識してやっていましたし、安藤選手もよく私の位置を見ていてくれた。コンビネーションはちょっと戸惑ったところもあったけど、チャレンジしよう!ってみんなで言ってくれていたので、いろいろと試せたと思います。
宇津木選手
チームがやろうとしていることは意識できた。できたか、できていないかは別として、やろうとすることはまとまっていたと思います。練習だと、相手が自分たちなので戦術も一緒じゃないですか。だから引っかかってしまうところもある。でも、今日は相手が全然別のチームなのでできるところもあった。外から中へ入れるのは一つの“手”。中央に集めたり、サイドに振ってさらに中とか、いろんなパターンがあって、いろいろなアイデアを試せたと思います。
矢野選手
息があってないところは前半も後半もあった。そこはもうコミュニケーションを取っていくしかないと思います。もっと上を目指していれば結果はついてくると思いますし。今日はセンターバックだったんですが、イワシ(岩清水)はやっぱりラインの上げ方が上手。遅れないように、左サイドの鮫島に指示を出すように意識してました。前半の途中でもっとラインをコンパクトにしてほしいと前線から言われていたので、ハーフタイムはそこのところの修正を話し合いました。後半は相手も蹴ってくるようになっていたので、試合中にも自分たちで変化をさせていた。私自信、海外のチームと対戦するのは久しぶりで、体格とか、プレーの質が日本選手と違うので最初は戸惑いました。でも、ここできちんと見せないと、次呼んでもらえませんし、やっとケガなく合宿を乗り切れたので、気が引き締まりました。
以上