■AFC U19女子選手権大会2009
2009年8月9日 18:00KO(現地時間)会場:中国・武漢 Hankou Sports Culture Stadium
U-19日本女子代表 1−0 ( 0-0, 1-0 ) U-19朝鮮民主主義人民共和国代表
・得点
岩渕
・マッチMVP
岩渕
この結果、U-19日本女子代表は、来年7月からドイツで行われるFIFA U-20女子ワールドカップへの出場権を獲得しました。
■マッチレポート
「全員でね!思いっきりやろう!」――ベンチ前で円陣を組み、キャプテンの熊谷紗希が大声でチームを鼓舞する。相手は前回大会の決勝で敗れ、そしてFIFA U-20女子ワールドカップの準々決勝でも敗れている朝鮮民主主義共和国だ。18時の武漢はまだ陽はあるものの、ピッチ自体は陰に覆われ、気温は昼間ほど高くは感じられない。キックオフと同時に日本は一斉にプレスをかけ始めた。5分、最初のFKを得た日本だったが、これは合わせることができず。動き出しの早いHO UN BYOLにラインを裂かれそうになるのを、熊谷・櫻本尚子らDF陣がカバーし合い、確実にその芽を摘んでいく。大一番でスタメンに抜擢された亀岡夏美、小柄ながらもスピードとスタミナを兼ね備えた藤田のぞみのボランチが中盤で激しいプレスを見せ、朝鮮民主主義共和国に自由を許さない。朝鮮民主主義共和国も高さとボール際の強さを駆使しながら着々と日本ゴールを脅かす。27分にはクリアにもたついている隙にKIM CHUNG SIMにシュートにまで持っていかれ、35分には右サイドから絶妙なクロスを上げられるが、DF陣がかき出した。そして37分、日本は岩渕真奈がドリブルで持ち込むと中で待つ高瀬愛実へ、さらにつないで最後は藤田にいい形でボールが入るが、惜しくもゴールならず。前半最大のチャンスだった。
いい展開で折り返した日本は、後半いきなりシュートチャンスを掴む。左サイドの齋藤あかねからのロングフィードを高瀬がキープ、中への折り返しに亀岡がゴールを狙う。日本の流れで迎えた58分、高瀬が相手DFを追い込んで掴んだCKのチャンス。後藤三知のCKを熊谷がヘッドで落としたところを「たまたまアウトサイドにいた」という岩渕が押し込んでゴール。大きな大きな先制点が日本に入った。この後も朝鮮民主主義共和国は猛攻を仕掛けるが、日本は「疲れなんて感じなかった」(藤田)というほどの集中力で冷静に対応していく。76分にはHOに強烈なシュートを放たれたが、ここは山根恵里奈がファインセーブを見せCKに逃れた。ロスタイムは3分。一番危ない時間を全員で乗り切った日本は1−0で朝鮮民主主義共和国を下し、前回大会の雪辱を果たすとともに、FIFA U-20女子ワールドカップの出場権を手にした。
■試合後コメント
・佐々木監督
勝利は選手たちが最後までタフに頑張ってくれた証拠です。1試合目の試合中の怪我で加戸由佳が帰国しましたが、彼女からも励ましがあった。今日は岩渕のゴールで勝ちましたが、そこに至るまでにはみんなの力があった。朝鮮民主主義人民共和国に勝てたことは私自身よりも、選手たちの方が喜んでいると思いますが、でももともと彼女たちの目標はアジア制覇です。この勝利は勝利として、次のチャレンジに切り替えたい。展開は狙い通りでした。おそらく朝鮮民主主義人民共和国は世界に出て行ってもNO.4くらいには入るフィジカルを持っている。そのチームに自分たちがどれだけできるのか。今日の選手たちは意識も高く、意欲があったと思います。次の決勝も目新しいことをするということはなく、自分たちのしてきたことをしっかりと出すように持っていきたいですね。
・岩渕選手
勝ててよかった!朝鮮民主主義人民共和国に勝てたことはきっとみんなも自信につながったと思うし、アジア制覇に一歩近づいたと思います。朝鮮民主主義人民共和国は体が大きい分、前へのプレーは強いけど、ターンに反応はあまりしていないように思った。だから常に裏を狙っていました。ゴールはいつもはニアに入っているんですけど、あのときはたまたまアウトサイドにいて・・・そしたらボールがきたので私は押し込んだだけです(笑)。
・藤田選手
もう、勝ててホントに嬉しいです。やってる間は疲れは感じなかったですね。トレーニングはちょっとしかできなかったんですけど、選手同士でもミーティングを何度もして、ビデオも何度も見て、試合に臨む前はもう不安なところなんてありませんでした。みんな一つになってて、相手よりも強いと感じました。オーストラリア、中国と勝ちきれなかったので、絶対に勝ちたかった。前半のシュート・・・あれを決めていたら絶対に楽だった。次は絶対に決めます!決勝もこれまで通りにやります。次勝たないと、この勝ちも意味がないので頑張ります。
・亀岡選手
今まで朝鮮民主主義人民共和国に勝ったことがなかったので正直嬉しいです。今まではサブとして準備していて、今回スタメンということで緊張もプレッシャーもあったんですけど、出れない選手の分も戦おうと思っていました。DPR.Kはスピードもあったし、体格も大きかった。当たり負けした部分もあったんですけど、みんなでカバーし合うことができたと思います。後半は相手もプレッシャーかけてくるからと監督にも言われていました。その対応はDFラインがしっかりと声をかけてカバーできていた。後半に入って少し攻めの部分も出てきて点も入ったので少し落ち着いてできたと思います。今日1試合勝ったのは大きいですけど、自分たちにはアジア制覇という大きな目標を掲げています。アジア制覇という目標を達成出来るように、最後までしっかりと戦いたいと思います。
以上