AFC U19女子選手権大会2009
2009年8月5日 19:30KO(現地時間)会場:中国・Hankou Sports Culture Stadium
U-19日本女子代表 1−1 ( 0-0, 1-1 ) U19中国女子代表
得点:
49分 岩渕(日本)
84分 AN NING (中国)
5日、決勝トーナメント進出をかけて日本は中国と対戦した。地元中国チームの活躍を一目見ようと、多くの地元サポーターが詰め掛け、スタンドは中国チームカラーの赤一色に染められた。完全アウェイの異様な空気の中、グループリーグ最後の一戦がキックオフを迎えた。
開始1分に日本はいきなりFKのチャンスを手にするが生かない。続けてボールを支配したい日本だったが、「空気にのまれていた」と佐々木則夫監督も語ったように、日本選手のプレーはどこかぎこちない。中盤でボールを落ち着かせることができず、セカンドボールも拾えない。一方の中国は大声援を受け、日本の十八番を奪うかのようにパスを回していく。次第に中国が主導権を握り始めた。
それでも30分には直接狙った竹山裕子のFKからCKのチャンスが生まれ、安本紗和子が合わせようとするがオフサイド。日本も攻撃のリズムを掴みかける。しかし41分、日本にピンチが訪れる。中盤から出たボールを受けたSONG SICHENGが完全にDFを抜いてGKと1−1に。これをGK山根恵里奈が思い切り飛び出してファインセーブ。決定的な場面を回避したことで流れを引き戻した日本はいい形で後半へつないだ。
後半、佐々木監督は高瀬愛実をピッチに送り出し、攻撃に流れを生み出そうとする。165cmという恵まれた高さを生かし、前線で高瀬がボールをキープし始めると、その瞬間はすぐにやってきた。49分、左サイドから受けたボールを岩渕真奈が鮮やかなターンでDFを振り切ると、高瀬の動きに引きずられたDFによって生まれたスペースを逃さず、右足を思い切り振りぬいた。岩渕の先制ゴールで日本がリードする。ようやく日本らしいプレーがよみがえり、ここから日本の攻撃の時間帯となるもゴールは遠く、追加点までは至らない。
このまま終えるかと思われた84分、ケアしていたCKからのこぼれ球をAN NINGに決められ、ここで中国に同点に追いつかれる。なんとしても1位通過を狙いたい日本はFKの流れから高良亮子がシュートを放つなど、怒涛の攻撃を仕掛けるが2分のロスタイムも思いは実らず、1−1のドロー。
日本はグループB2位として決勝トーナメントに進むことになった。
■試合後後コメント
・佐々木監督
前試合を休ませただけあって、攻撃に守備に選手たちはよく頑張ってくれたと思います。
こういったアウェイの環境を選手たちが経験することはいい勉強になる。でも前半は完全にビビッてしまって周りが全然見れていなかった。ハーフタイムはゲキを飛ばしました。後半はユニットもしっかりと持ち直して、改善できたと思います。失点のシーンはオーストラリア戦でも同じような時間帯に同じような場所に決められていますのでね・・・。ここから中3日あるのでしっかりとトレーニングをして修正し、ベストメンバーで臨めるようにしたいですね。
・岩渕真奈選手
得点シーンはトラップでいい形できたし、前で高瀬さんがスペースを開けてくれていたのを見て思い切り打ちました。いい位置でもらえたからだと思います。もう一つの試合の結果もわからなかったし、とにかく勝つしかなかった。守備はみんな頑張ってくれていたので、自分もできることはやりたいと思っていました。前半は全然ボールも動かず、苦しかったけど後半はイニシアティブを取れたと思います。次の試合はどのチームが来ても自分たちのサッカーをするだけ。オーストラリア、中国と勝ちきれていないので次はしっかりと勝っていきたいです。
・山根恵里奈選手
前半の決定機を止めたときは、ボールも流れてきていたので相手選手の顔を見たらボールしか見ていなかったので「自分は見えていない、飛び込めば絶対に止められる」と思って出ました。完全アウェイの状態で歓声もすごく、声を出しても出しても聞こえなくて伝わらないので戸惑っていました。やっぱり1位で通過したかったのであの失点は悔しいですね。GKというポジションに入っているわけだし、全部止めなきゃいけないと思います。自分のプレーでチームを左右することもあるし、あそこは頑張って止めたかった。次は全部止めるつもりでプレーします。朝鮮民主主義人民共和国とは一昨年(前回大会)、去年(FIFA U-20女子ワールドカップ)と全部で3回(前回大会で2度対戦)負けている相手なので、一番負けたくない相手。この後は絶対に3位以内・・・いや、優勝を目指したい!自分と仲間の力を信じて一生懸命全力を尽くす。そうすれば絶対に結果はついてくると信じています。
・櫻本尚子選手
先制点を取れたのは良かったんですけど、後半、最後の粘りが足りなくて失点しまった。最後のところでもしっかり守り切るというのを自分たちの中で改善しなきゃいけない。予選リーグを引き分けで上がるというのも頭の中にあったので、決勝トーナメントに上がれたことは大きいと思います。前半、ビルドアップで焦って蹴ってしまった。(相手の)アプローチが1枚で、ボールを動かせば相手のユニットをずらして縦にいけたんですけど、一発で行くことが増えてしまった。後半、高瀬が入ったことでポストに入れて、(岩渕)真奈を自由に動かしてという部分では、自分たちもフォワードに当ててという思いがあった。組み立ててボランチに当てて、サイドから仕掛けようと考えていたので、ポストが出来て後半の攻撃は良かったと思います。(昨年のU-20W杯では)朝鮮民主主義人民共和国に負けて敗退しているので、勝って世界でも良い結果が残せるように、まずは優勝してメダルを取りたいと思います。
■今後の試合日程
8月9日 準決勝
8月12日 決勝
以上