11月16日(日)、名古屋市瑞穂陸上競技場で名古屋市『ぜん息予防サッカー教室』(主催:名古屋市、協力:(株)名古屋グランパスエイト)が開催されました。このサッカー教室の参加者はぜん息の症状が見られる小・中・高校生約50名。ぜん息の症状が見られる少年・少女へのサッカー指導は名古屋グランパスエイトでは初の試みとなり、竹内彬・井上渉の2選手と育成普及部より浅野・狩野・磯村・古川の4コーチが参加し、工夫をこらしたメニューで指導を行いました。
朝から小雨が降り残念ながら秋晴れの空は見られませんでしたが、ぜん息という病気には湿度の高い空気が適しているとのこと。あいにくの天候でピッチでのサッカー教室が出来るか心配されましたが、サッカーが大好きな生徒達は全員トレーニングウェアーをしっかりと着込み、瑞穂陸上競技場に集まりました。
ぜん息予防サッカー教室は、屋内での“専門医によるぜん息予防の講話”とピッチでの“サッカー教室”の2本立てで開催。名古屋市環境局の広田保子公害保健課長からの挨拶の後、藤田保健衛生大学病院の近藤康人先生によるぜん息予防の講話が始められました。
「サッカーは走り回るスポーツの代名詞。そのため一昔前までは、発作が起きて呼吸が苦しくなるぜん息にはとんでもないスポーツと言われていました。しかし今日では医学の進歩によりぜん息の仕組みが明らかにされ、治療も発作の時だけでなく予防を兼ねた方法に変化。治療に用いられる薬も進歩し、日常生活に加えどんなスポーツも出来るようになることが目標とされています。サッカーが出来るのはコンディションがとても良い証。」という近藤先生の講話を真剣な表情で聞く参加者の中には、ノートにメモを取る姿も多く見られました。
ぜん息予防の講話が終了すると、竹内選手と井上選手が登場。大きな拍手で迎えられ、トークタイムが始められました。井上選手はプロになってから経験した骨折で、一人だけ別メニューに取り組み苦しさを乗り越えたことを、竹内選手は小さい頃に経験した病気で、薬を飲み続けなければならなかったストレスを語り、病気を克服した体験を話して参加者を勇気付けました。元気のエネルギー源を尋ねられると、2選手は「サッカーが好きだという気持ちと上手くなりたいという目標」とコメント。竹内選手の「自分もみんなも、ぜん息にかかわらず大小の困難があると思うけど、それに負けずに乗り越えていく気持ちが大切だと思います。」というメッセージが印象的でした。
続いて待ちに待ったサッカー教室が行われ、参加者はウォームアップでコンディションを整えた後、ピッチに出てゲームを楽しみました。じゅうたんのような芝生がとても心地良く、サッカー少年・少女達は「スライディングが気持ち良い!」と嬉しそうな表情に。ゲームの感想を尋ねてみると「苦しくても、チームプレーは楽しいから頑張れました。」と目を輝かせていました。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、閉会式ではゲームを見守っていた近藤先生から「みんながこんなに頑張れるなんてびっくりしました。」との言葉が。井上選手から「頑張れるんだなと安心しました。困難を乗り越えて頑張ってください。」と生徒達へメッセージが贈られると、竹内選手からは「僕たちも優勝を目指して頑張ります!」という意気込みが語られました。
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