4月29日のJ1リーグ戦のFC東京対大分トリニータでの審判の発言に関して、日本サッカー協会とJリーグは本日(5月2日)、東京・文京区のJFAハウスで記者会見を行いました。
この問題は、大分の選手が、同試合の主審を務めた西村雄一審判員から「死ね」という暴言を受けたとしているもので、JFAとJリーグは問題の場面を映像で確認した上で、5月1日と2日の両日、西村主審ら審判員4人と大分、FC東京に対して聞き取り調査を行いました。その結果、西村主審本人は暴言を否定し、一方、当該選手はそのような発言を聞いたと主張しています。JFAとJリーグは当該選手以外そのような発言を聞いた者はいないことなどから、主審の主張を認めるものの、当該選手の主張も否定はしないと結論づけました。
記者会見に登壇した鬼武健二Jリーグチェアマンは、「翌日の新聞を見て非常に驚いた。時間を要することはよくないと考え、すぐに両クラブに対して事情を聞いた。色々な状況を確認し、西村主審は暴言を吐いていないと話しており、暴言はなかったと判断したが、当該選手がそう聞いたということも全く否定することはできない」と説明しました。田嶋幸三JFA専務理事も「西村主審は、抗議した選手に対して『うるさい。黙ってプレーして』と注意を促したが、『死ね』とは言っていないと否定している。映像や調査からも、主審がそう発言するほどの状況だったとは思えない」とコメント。また、JFA審判委員会の松崎康弘委員長は、「お互いがリスペクトし合い、コミュニケーションを取ることが良い試合づくりに欠かせない。審判員にも言葉遣いに注意するよう喚起する」と述べました。
本来、試合中に選手が審判員に対して抗議することは認められていません。JFAとJリーグは、改めてチームや選手に対してフェアプレーを徹底するとともに、審判員に対しても、より一層選手との良いコミュニケーションが取れるよう指導していきます。
以上