●渡邉晋監督（仙台）：
「お疲れさまでした。まずは遠い広島まで大勢のサポーターが駆けつけてくれたことに、感謝を申し上げます。今日の試合に限らず、一年間を通してホーム・アウェイ戦、各地に大勢のサポーターが駆けつけて我々を後押ししてくれました。その思いに応えることができずに、今は本当に悔しい思いと、申し訳ない思いでいっぱいです。
今日のゲームにあたって、今週一週間に非常に良い準備ができていたと私は感じていました。前節でJ1残留という最低限のノルマを達成したあとも気持ちを切らさず、前向きに練習に取り組んでくれていました。
ただ、今日のゲームに関しては、どうしてもそのパワーを出し尽くすことができなかった。それは私自身のマネージメントの部分での反省でもありますし、選手一人ひとりにその部分も反省してもらいたいと感じています。今までやれていたアグレッシブさであったり、切り替えの速さや走力で上回ることであったり、戦ううえでの最低限の部分を表現しないと、どうしてもゲームとして後手を踏んでしまう。私もそうですし、選手も十二分に感じたことだと思います。
そうはいっても、0-0の膠着状態が長く続けば、もっと我々にもチャンスがあったと思うのですが、失点のしかたもつまらないミスでした。その後の2失点目も早かったですし、そういったところは十二分に反省して、なんとか来年以降の仙台の発展につなげていければと思います」
Q: 監督はシーズンの途中から指揮を執られたということで大変な部分もあったのですが、14位という成績についてどのように感じていますか？
「全く満足できる成績ではない、ということは私自身もそうですし、選手も一人ひとり、そう感じていると思います。J1残留という最低限のノルマを果たしましたが、もっともっと上を目指すべきチームだと思いますし、これが我々の目標ではないと感じています。
その中でも、本当に選手が未熟な私についてきてくれて、何とか来年もJ1で戦えるという舞台を勝ち取ってくれた。選手の頑張り・サポーターの後押し、そういった部分には私は感謝する思いしかありません。
途中から率いたとはいえ、30試合近く私は指揮をさせてもらった。そのなかでのこの成績というのは私にも責任がありますし、何が良くて何が悪かったのかというのはしっかりと分析して反省しながら、しっかり来季以降につなげていきたいというふうに思います」
Q:柳沢選手の投入は失点をしてからですが、その準備は0-0の段階でした。雪などのイレギュラーなことはありましたが、0-0の膠着状態で一人目の交代で柳沢選手を投入したのは、プラン通りだったのでしょうか？
「引退をするから彼を出す、ということは全く考えていません。そういう話はヤナギ（柳沢）本人と話をしていましたし、とにかく勝つための采配をしてほしいと彼も言っていました。私もそれがベストだろうという判断をしていました。
プラン通りというか予定通りという感じで、彼を出したつもりはありません。ゲームの中で収めどころがどこなのかということ、ボールを奪った後にどういったところに運べば効果的なのかということを考えた時の判断。あの時間帯にヤナギが入ればもっともっと我々のカウンターアタックが効いただろうし、パワーを出すこともできただろうと判断したところでの投入準備でした。
なので本当に、その前に失点してしまったのは誤算だった。0-0のままでいって、ヤナギが入ってもっとゲームを落ち着かせることができれば良かったというのが、今の感想です」
Q: 19年のキャリアを終えたの柳沢選手にかけたい言葉は？
「個人的には、彼が仙台に在籍していた期間しか、一緒のチームで関わることはできませんでした。ただその中で、彼がベガルタ仙台というクラブにもたらしたもの、仙台・宮城・東北という地域にもたらしたものの大きさは計り知れないと思います。
それがなんなのかと言われると、本当にひとつやふたつではないので、ここで話を始めたらおそらく20分・30分とかかってしまうと思います。それは一人ひとりがどれくらい感じることができるかが、今後に大事になってくる。いろんなことを彼がもたらしてくれた。それを自分の身に置き換えたときに、その経験や彼の落としてくれたものが何だったのか、そこで何が必要なのかということを、今度は我々が真剣になって考えなければいけません。次に何かを我々がもたらすことが、ヤナギに対しての感謝の気持ちというか、彼の功績に報いることだと私は感じています。
この先、ヤナギがまた日本サッカーの発展に尽力してくれると思いますし、１人のサッカー人として、いろいろなかたちで仙台という街とクラブに貢献してくれることを私も願っています。その中で、また一緒に何かを成し遂げることをできればいいなと思います。本当にお疲れさまと言いたいし、これからもぜひ日本サッカーの発展のために頑張ってほしい」
以上
