●名波浩監督(磐田):
「前半、ちょっと雑なプレーが多くて、相手のプレッシャーをかいくぐれた時も雑なプレーが出て追いつかれてしまったり、帰陣されてしまったということで、そこを改善しようと伝えました。ビハインドになって、後半出なければいけないと、後半の開始20分アグレッシブにやれていて、戦う気持ちも出ていたと思います。あとは前がかりになっているところではないところで2点目を失い、非常に残念なゲームです。今回、山形の戦い方とか気持ちの入り方とかを含め我々にとっては完敗だったと思います」
Q:いい時間帯でもなかなかフィニッシュに行けないこともありましたが、そのあたりの課題は?
「就任してからずっとアタッキングサードの質は求めていましたし、今日もホワイトボードに書きました。それでいけば、山形との差はラストパスの差だったと。そこに尽きるかなと。一日やそこらではタイミングがあったり、質がよくなるということではないので、地道ですが、やっていく作業の一つだと思います」
Q:試合途中で両サイドバックの位置を入れ替えた意図は?
「雑なプレーが続いたので、気分転換も含めてと。試合前にも本人たちにも伝えてあったので入れ替えましたが、ちょっと重みがありました。岡田を入れてからはだいぶスムーズに人が動き出したので、あれが最初から欲しかったという感じがしました」
Q:なかなか勝ち切れない試合が続いている中、リーグ最終戦へ向けどう調整していきますか?
「当たり前ではありますが、勝ったり負けたりということがずっと続いていくことがリーグ戦だと思っています。我々は1か月以上勝てていない時間ができてしまうので、メンタル的にもプレーの質としても後ろ向きにならず、ということは言っていこうかなと。言っていくというより言い続けてきていますが、今まで以上に明るく立ち振る舞えたらと思います」
Q:後半から投入した山崎選手の評価は?
「山崎に関しては前の突破はもちろん、背後への飛び出しといった部分は回数多くやってくれたと思いますし、守備のスターティングポジション以外はほとんど自分が望むプレーを平均点以上出してくれたと思います。シュートがちょっと最後の左足と、もう一つぐらいしかなかったので、もう少しゴール前に入っていくタイミング、スペースを見つけて行ってほしかったと思いますが、2トップ自体は悪くなかったかなと。今日、就任してから8試合の中で前田が一番ボールが収まっていたと思うので、そういう意味ではアクションを起こす人間が隣にいたことも大きかっただろうし、今後へ向けて今日のゲームでいくと唯一と言ってもいいぐらい明るい材料かなと」
Q:磐田のリズムを壊しにかかるチームがJ2には多いと思いますが、そのあたりを乗り越える難しさは?
「僕も実際J2でプレーしているので、その難しさは非常に感じます。足ごと来たり、スペースもそこまで人数をかけなくていいだろうというぐらい人をかけてきたり、そのあたりのハードワークというのはJ2特有のものがありますが、そこでも自分たちのスタイル、これはもうクラブがいくらお金を持っているとか、どれだけ代表選手、代表OBがいるとか関係なく、僕が監督をやっている以上はそのクラブは自分たちのスタイルを貫きたいと思うので。そんなハードワークをしてくるチームに対しても90分通してとは口が裂けても言えませんが、そういう時間をなるべく長く、それから高い、深い位置でボールが動かせればと思います」
Q:なかなか縦にパスが入らない印象を受けますが、打開策は?
「今日は特に縦パスがちょっと少なくて、出し手のタイミングもそうですが、受け手のタイミングもあまりよくなかったりして。ラフなボールが前田に収まっていたとい部分では、意図的な縦パスを出さなくてもいいいとは思っていないと思いますが、出す必要性をあまり感じなかったのかなと。もしくは相手がそれをケアして、突っ込んだらインターセプトされるという怖さがあったかなと。そのあたりは映像を見てみなければわかりませんが、どちらかと言えば後者にあったのかなと。選手のメンタルが。もう少し怖がらずに前に入れるべきだし、前はタイミングよく顔を出すべきだし、それがあって向こうのハードワークを逆手に取れると思うので、そこは極端に少なかったなと。ここ8試合でたぶん一番少なかった気がします」
以上