●山岸智選手(広島)
Q:ヘディングのゴールは何回目?
「3回目かな。広島では初めてです(笑)。決めようというよりかは、枠に飛ばそうと思っていました。ヘディングは得意ではないので、まず当てようと思っていました。入っちゃったって感じでした(笑)。でも、あれだけサイドから行けていたし、逆サイドのところまで来てくれればという気持ちで入っていった。最近はサイドからいい攻撃ができているし、突破もできている。カッシー(柏好文)ともよく話しているけど、クロスがファーまで行ければ、もしかしたら折り返しもあるかもしれない。お互いに、ファーサイドを意識してやってみようと話をしていた。その形がうまく出せたかなと思います」
Q:でも、大宮に守られた?
「中をあれだけ固めてきていると、クロスをどこに上げようか、考えると難しい。でもその中でもうまくスペースを見つけながら、出し手と受け手の関係をうまくつくれれば何とか崩せると思っていた。
ただ、前半からいい入りができないと、こういう残留争いをするチームと対戦する時は難しくなる。特に、先に失点してしまうと中を固めてきて守りに入るチームが多いし、そういう相手にも最初から押し込んで相手にプレッシャーをかけなければいけなかった」
Q:あれだけ人数をかけられると、単純にクロスを入れても仕方ないですよね。
「単純に上げてもいい時もあるかもしれないけど、どこかで縦に行ったり勝負しないと、上げる時に相手は読みやすい。ただ、僕は左でも右でも突破できる自信はある」
Q:好調を維持してるが、この勢いをヤマザキナビスコカップ決勝に向けたいのでは?
「ヤマザキナビスコカップは、個人的にも相性のいい大会。4年前は自分の得点で勝ち越したのに、90分に同点ゴールを許してタイトルを逃してしまった。その悔しさを晴らすやめにも、決勝は強い思いで臨みたい。今の調子のよさを相手にぶつけてまたゴールして、今度は自分がMVPを狙えるように。それくらい貪欲に、タイトルを求めたい」
Q:2010年の時もあのままいけばMVPだったかもしれないし、千葉時代にもなにか賞を獲得してもおかしくないほどの活躍だった。
「そうですね、サポーターの人もそれを望んでいると思う。今日の試合が終わった後、サポーターが横断幕にタイトル奪取への想いを書いていた。みんなに期待されている。何とかしてタイトルを持ち帰れるよう、しっかり準備したい」
Q:試合に出られなくて厳しい時も腐らずに頑張ってきたが?
「僕自身もいろんな経験をしてきている。若い選手と話すことも多い。試合に出られないからって腐ってしまうと、選手としてもう終わってしまう。まずは自分のために頑張らないと。たとえ試合に出られなくても、ここでサッカーが終わるわけではない。サッカー選手としてやり続けるために、自分をどう高めていくのか、そこは若い選手と話しながら伝えてきた。試合に使ってもらった時に自分がその力を発揮できるか、どうトレーニングしていくのか、話しながらやってきた。今、自分の状況を見ると、そういう積み重ねが報われ始めている。自分のやってきたことは間違いではなかったと思う」
●塩谷司選手(広島)
「完璧に自分のミスです。相手のプレッシャーもなかったし、トラップする余裕もあった。コミュニケーションのところで(林)卓人さんと入れ違ったところもあったんだけど、あそこでバックパスをするにしても、何が起こるかわからないので、ゴールは外さないといけなかった。卓人さんから声はかかってました。OKってかかりました。あそこは自分の判断としてのミス。失点後は“切り替えよう”と声を掛け合いましたし、千葉ちゃんも試合中に声をかけてくれて“俺も何回もミスしているよ”って言ってくれました。だから試合中に気持ちを切り替えることはできました。終わってからも、そのシーンの確認をしましたけど。
あの失点がなかったら、もっと圧倒できた。あの1点があったから大宮は心折れずに最後まで頑張って守備できたと思う。あれがなくて、ああいう展開になっていれば、いつか緊張の糸が切れていた。それを考えると、絶対に与えてはいけないゴールでした。
入りのところから、どこかボーッとしていた。そこはしっかり見つめ直して、入りからいいプレーができるようにしないといけない。今日は自分のせいで勝てる試合を引き分けにしてしまったので、相当悔しい。この借りを返せるよう、ヤマザキナビスコカップ決勝でいいプレーをしてチームの勝利に貢献できるように、気持ちを切り替えたい。
入りの悪さの理由はいろいろとあると思いますが、もっともっとみんなで声を掛け合って、試合の入りから後半のサッカーができるようにしたいと思います。円陣組んだ時にはみんなで声を掛け合ってますが、試合中でも声を出していけるようにしなければいけない。
後半はもう取り返すしかないと思いました。ヤマ(山岸)さんが点を取ってくれて引き分けに持ち込めた。最悪、負けなくてよかった。今日はヤマさんやみんなに助けられたので、次は自分がチームを助けられるようにしたい」
Q:それはヤマザキナビスコカップ決勝で?
「はい。試合後、サポーターが(ヤマザキナビスコカップ決勝に向けて)大きな横断幕を掲げられていた。改めて、このチームでヤマザキナビスコカップのタイトルを取りたいなと思いました。今年はもう、それしかないんで。そこに全力をぶつけて、死ぬ気でぶつかって勝ちきって、みんなで喜びたいなと思います」
●林卓人選手(広島)
「失点シーンは、自分では声をかけていたんですけど、シオ(塩谷)に確認したら聞こえていなかったということでした。聞こえていないということは声をかけていないということ。自分のミスです。与えてしまったものは仕方ない。自分の仕事としては、次にどれだけ得点させないことができるか。ただもう自分のミスは取り返せないので、味方に託すしかなかった。
もう、やるしかなかった。とにかくやりきろうとハーフタイムにも話しました。後半はずっと押し込んでいたし、シュートもほとんど打たれていない。そういうサッカーを90分間通してできればいいんですけど、サッカーは相手あってのことなので、できない時もある。そして、今日は自分たちで失点を招いてしまって、もったいなかったです。
試合の入りは、パスがズレていると思ったし、守備に迫力が欠けているなと感じていた。だからこそ注意しようと思っていましたが、その矢先の失点でした。自分が『出来のよくなさ』を感じていた時に、何かやれることはなかったのか。そこは反省しています。何がそうさせたのか、それぞれの集中力なのか、チーム全体の雰囲気なのか、わかりません。でも、試合の入りがよくない時はままあるので、そこは修正する必要があります。より強いチームになるために、改善しなければならない。そこを埋められれば、チームとしてより成長できると思います」
●家長昭博選手(大宮)
「今日の勝点1がどういう意味を持つのか、(それがわかるのは、シーズンが)終わってからじゃないですかね。広島にボールを握られるのはわかっていたので、しっかり守備から行こうと思っていた。(押し込まれた)後半は、もう我慢しかなかったです。あれだけチャンスをつくられてしまったので、失点1は仕方ないんじゃないですか」
Q:自身も後ろに下がって守備をしたのは、自分の意思ですか?
「はい、そうです」
Q:大宮からも、たくさんのサポーターが来られていましたね。
「僕らは残留する、それしかない。サポーターに向けて何か言うというより、残留することがメッセージです」
●菊地光将選手(大宮)
「ラインも上げたかったんですが、相手にボールを持たれている時間も長かったんで、前線の選手から守備をしようとしていました。ボールを回されはしましたが、外からクロスを上げられても中で守り切る自信がありました。そこは割り切って、最後のところで失点しなければいいと考えていました。ただ、結局は失点してしまいました……」
以上