●安間貴義監督(富山):
「22位が決まり申し訳なく思う。選手もスタッフも応援してくださった方も精一杯やってくれた。全責任は私にある。この心の痛みを忘れることはない。またカターレが良いクラブになるように願うばかりです」
Q:ハーフタイムの時点で21位の讃岐が引き分けて最下位が決まったが、情報は選手に伝えていたのか。
「讃岐の結果に関係なく自分たちが勝たなければならない状況だったので、こちらから選手には何も伝えないことにしていた。試合が終わり、レフェリーと握手して振り向いた時にスーツを着たベンチ外の選手がフィールドに出てきていたので初めて気づいた」
Q:今の心境は。
「サポーターの前に出て、謝罪を含めてありがとうと伝えたかったが、言葉がでてこなかった。『罵声でもブーイングでも浴びせてほしい』と言うことしかできなかった。富山に来て4年、5年といろんなことを変えようとやってきた。サポーターはそのことを分かっていてくれただけに、本当に申し訳ない気持ちだ。22位という成績にもかかわらず、今季も1試合平均4200人もの来場者があり、クラブのことを思ってくれる人が増えたことをありがたく思う。残り3試合、全力でうちらしく挑んでいかなければならないと改めて思った」
Q:このような結果に終わった要因は。
「要因はもちろんひとつではない。うちの選手は努力し、よく練習するので力をつける。成長した選手がこのクラブに残ってプロ選手として勝負できる環境にするのが一番。そうすることで積み重ねができる。クラブが上位を目指すならそういう選手を引き留めるのが大事になると思う。クラブとしての力をつけなければいけない。今思うのはそこ。情熱的で人の心を動かす試合をしていると思う。しかし、第三者から言わせると「ゲームを捨てる」ようなミスが多く出てしまった。決めるべきところで決め切れない、ゲームの流れと関係のないところでミスをするとか。選手の組み合わせというよりも、そういうところを突き詰める必要がある。今は試合途中のシステム変更などいろんなやり方に対応できるようになってきているが、そこは時間のかかる作業だったのかもしれない」
Q:試合後、選手には何を伝えた。
「選手にも、申し訳ないと頭を下げた。選手のみんなも勝ちたかったし、サポーターの気持ちに応えたかった。選手を選んだのも私。選手たちは本当に一生懸命に練習してくれた。週初めに彼らの顔を見て、また頑張ろうという気持ちがわく。このサイクルは残り3試合も変わらない。サポーターのためにもまた次の試合に向けて準備をしようと伝えた。選手はオフを使って、来週にはまた良い顔をして練習場に来てくれると思う」
Q:今日の試合をどうみたか。
「前半は少し硬くなっているのかなと思った。それを取り除き、道筋をたててもう一度挑んでいった。前が決めたようにリスクを負ってゴール前に飛び込んでいった。アディショナルタイムにも(大西)容平がシュートを打ちにいった。本来なら時間かせぎをするところかもしれないが、あれがうちらしい。最後までゴールを目指して果敢にやってくれた」
Q:改めて今思うことは。
「グラウンド外のことも含めて、変えられたらよいと思ってやってきた。自治体への表敬訪問やスポンサー回り、高校生の強化事業などもやらせてもらった。今日の試合後にも温かい言葉をもらい、ありがたいというよりも申し訳なく思った。22位のチームに今季も1試合平均4200人もの入場者がある。選手には勝ち負けも大事だが、心を動かすのもプロだと言ってきた。クラブのことを思ってくれているみなさんが残り3試合を全力で勝ちにいくことを望んでいる。そこに目を向けている。うまくいっているクラブは、地元のクラブを応援している大人の姿を見て、子供たちがスタジアムに戻ってくる。カターレのことを本当に思ってくれる人が増えている。それが一番の変化だと思っている」
以上