●渡邉晋監督(仙台):
「お疲れさまでした。日曜日のデーゲームに、本当にたくさんのサポーターが駆けつけてくれました。我々の背中を後押ししていただいたことに感謝を申し上げます。
アディショナルタイムを含めて93分、大方ゲームそのものに関してはコントロールできたのかな、と思っています。前節の名古屋戦の反省から、守備のスイッチをどこで入れようかという話を、中3日の短い準備期間で、トレーニングをしてきました。
本当にその狙いを持って、守備のスイッチをうまく入れながら、狙いどころをはっきりさせてボールを奪う、そこからカウンターで出ていくというシーンをたくさん作ることができたと思います。攻撃に関しても、レイソルの守備陣が割りと人に食いつくということを、1人のチェックの動きで外す、もしくはコンビネーションで外すといったところを、本当にうまく表現して、数多くのチャンスを作り出せたと思います。
ただし、我々が今必要なのは勝点3ですし、リスタート2つで2失点、そこはじゅうぶん反省しなければいけないので、そこをまたしっかり修正・確認してから、残りの4戦に突き進んでいきたいと思います」
Q:8月の横浜FM戦といい、9月の川崎F戦(※注:記録上は後半45分)といい、またしてもアディショナルタイムの失点ということになりましたが、その要因は?
「それぞれのゲームで最後の局面だけ切り取るのか、それまで90分の流れというものを当然ありますし、川崎F戦にしてみれば、あれだけボールを動かされた状況で最後に足にきてしまった部分も当然あったと思います。
ただし、今日のゲームに関して言えば、先程申し上げたとおりに、攻守において、大方コントロールできた内容でしたので、残り数分のところでの失点というものの要因といったところは、今の時点では何なのかというところも自分の中では正直あります。
ただし、リスタートでやられたことが今シーズンは本当に多いですし、そこはじゅうぶんに修正しなければいけない。トレーニングの量なのかトレーニングの質なのか、残り4戦に向けて、まずはそのリスタートが大きな要素を占めてくると思うので、そのへんをしっかり修正したいと思います」
Q:前半と後半のやり方で、2トップの関係といいますか、何か変えたことはありますか? 後半のほうが非常に武藤君もスムーズにボールを受けられていたようですが、何か違いを指示することはあったのでしょうか?
「いえ、狙いは一緒です。ただ、やはりレイソルも徐々に間延びしてきた部分もありましたし、まずは背後を狙おうという立ち上がりの中で、レイソルの最終ラインの背後を、逆に我々が意識させたことで、後半にその間が空いてきたということが狙いどおりだったと思います。その話もミーティングでしていましたし、90分トータルで考えれば、いずれ空いてくるスペースはどこなのかと逆算した中で、立ち上がりの仕掛け方、後半の仕掛け方は変わってくると思うので。ただし、狙いそのものに関しては、チームとして同じ、共通意識を持ってやっていたと思います」
Q:ウイルソン選手がけがをした中で、今日は武藤選手が久し振りに結果を残したわけですが、今シーズンの彼はこれで4点目か5点目ですよね(※注:4点目)。それなりに結果を残している中で、これからはおそらく彼が2トップの一角を担うのかなと思うのですが、彼は今日、どれくらい監督の予想していたような活躍をしたのでしょうか? 今後の残り4試合で、今日の彼の活躍ぶりからして、今日は負けてしまいましたが、これからの手ごたえはあるのでしょうか?
「まず、武藤個人の評価ですが、やはりチームの勝利というものが大前提だと思っているので、勝利に貢献するゴールといったものが必要だったと思います。そういった意味では彼は満足していないでしょうし、私ももっともっとやってほしいとは考えています。
ただし、一つひとつの動きの質であったり、その仕掛けのアイディアであったり、対レイソルというところでの狙いであったり、といったものは、本当に彼が十二分に表現してくれたと思います。周囲も、武藤の良さを引き出そうというような配球も当然ありましたし、そこが勝ちには恵まれなかったのですが、周りの選手との信頼関係というのは、増してくるのかなと思います。
残り4戦に向けて、もちろん武藤自身がこの得点、今日のパフォーマンスで得た自信と、勝利に結びつかなかったのにはもうひとつ何かが足りなかったのではないかといったところを反省してくれると思いますし、もちろんウイルソンも大きいけがではないので、残りの4試合のうちいくつかでは多分戻ってくれると思います。そうなれば、またそれ以外のFW陣も含めて、しっかり競争した中で、ポジションを勝ち取ってくれればと思います」
Q:今まででは角田選手を入れていましたが、今日は後半にサイドの選手に代えて入れなかった狙いは?
「まず、菅井が前節に足を痛めて90分やるのは難しいだろうといったところがありました。村上も本当に日々のトレーニングから力を出してくれましたし、何も心配をせずに村上をスタメンにやってきました。
ただし、最後の勝負どころで、点を取りたいというふうになれば、菅井の感性といったものは我々の武器でもありますので、そのへんを期待して菅井と村上を交代した、というところです。
その先の交代ですけれども、相手とのマッチングであったり、3連戦の最後ということで疲労の具合といったものも見たりしながら、推移をしていきました。先程申し上げたように、レイソルの5(枚)と4(枚)の間がだいぶ空いてきたので、その間で引き出す特徴を出せるのは(佐々木)勇人だろうと。当然、クロスといったものも期待できますし、そこで勇人を入れました。もちろん、カク(角田)を入れて、梁をサイドに回すようなものも考えていたのですけれども、カクがボランチに入って当然守備も締まりますし、高さ対策というものも十二分にできると思うのですが、より仕掛けの部分で点を取りにいきたいというようなメッセージを選手には伝えたかったので、そういった意味で勇人の投入となりました。
最後の中原のところは、クロスに対して中に入りこむパワーを増したいところがあったので、もちろんそのまま赤嶺を残して高い2人を中央に置くということも考えたのですが、何度も申し上げたように、間が空いてきたところでボールを収められるというのも武藤の良さではあったので、そういったところも見て、そのまま赤嶺と中原のスイッチということを決断しました」
以上