●石原直樹選手(広島)
「PKですか?点差も開いていたし、自分でとったPKだということでも緊張することなく蹴れました。次ですか?いやあ、どうですかね(笑)。蹴る準備はできているんで、チーム状況で判断しようと思います。前半はすごく苦しくて、名古屋ペースでした。ただ、サッカーではありがちなところで、たとえ攻められていても失点を許さなかったら、逆の展開になっていくもの。攻められても失点0にDFが抑えてくれた。だからこういう展開になったと思います。先制点のところは、アオ(青山敏弘)がクロスに飛びこんでいったのはわかったし、ヤマ(山岸智)さんもシンプルにクロスを入れると思っていた。自分は(クロスの入る場所には)間に合わなかったんだけど、(佐藤)寿人さんがポストに当ててしまったシュートのこぼれが僕の足下に返ってきた。あとは、押し込むだけでした。準備はできていたし、落ち着いて枠に入れることができた。ヤマザキナビスコカップ準決勝に続いて、ラッキーでしたね。(あそこにいることが大切だから、という問いかけに)そうですね(笑)。3点目となるPKを奪ったシーンは、セカンドボールに対してダニルソンよりも早く対応できた。トラップがちょっと浮いてしまったんだけど、セカンドボールを先に触れたことでPKにつながった。頭に足が当たったし、あそこまで足をあげてしまったら、PKにはなりますね。かかとが頭に当たって痛かったのでピッチの外には出たんだけど、そのPKによって優位に立てたので、よかったです。前々日、体調が悪かったんだけど、チームと離れて休ませてもらった。その分を取り戻したいと思っていたし、しっかりと身体が動けていたのでよかったです。最後まで走りきることができたし、後半は自分たちのペースだったので楽でした。これでリーグ戦は8得点。2年連続二桁得点は、次で決めたいですね。寿人さんも早く11年連続二桁得点を達成してほしいし、それに引っ張られる形で自分も狙いたい。そして、残り試合すべて勝つという気持ちで戦う。浦和も今日負けているし、最後まで何が起きるかわからない。僕たちにできることは、勝点3を積み上げることだけだから」
●水本裕貴選手(広島)
「PKを得たシーンは、逆サイドでボールを受けた時に本当はGKの近くに蹴りたかった。だけど(近くに)闘莉王さんがいたので、とりあえず真ん中に蹴った。(高萩)ヨウジがいいボールを蹴ってくれたし、(セットプレーでも)何回かはマークを外すことができていた。PKを蹴ったのは(佐藤)寿人さんが本来はPKキッカーなんだけど交代していたので。(石原)ナオくんが蹴るかなと思ったんだけど、(ダニルソンとの接触プレーで)頭を傷めて外に出ていたし、ミナ(皆川佑介)にも「蹴るか」って聞いたんだけど「いいです」って言ったんで、僕が蹴らせてもらいました。いつも練習もしているし、自信もありましたね。練習に付き合ってくれるマス(増田卓也)に感謝です。前半は苦しかった。失点してもおかしくなかったです。前半は動けていなかったですね。パスコースに顔を出したりとか。そういう部分ができていなかったから、ボールも回らなかった。(局面で)戦えていなかったし、相手の勢いに少し飲み込まれていた。それではダメだということで、後半はみんなアグレッシブに行こう、と。点も入って余裕も出てきたこともあったけれど、みんなが動いていたからパスコースもできてきた。その結果が4点につながったと思います。相手にも退場者が出たこともあったんだけど、後半のウチの戦い方はよかった。それを前半からやっていけるようにならないと。監督がいつも言っているけれど、90分間の試合ではいい時もあれば悪い時もある。悪い時間帯こそ、みんなで身体を張って守ることが必要。もう少し内容を良くしたいけれど、今日の試合の前半でもCKが4回くらい続いた時に集中して守れたことはよかった。名古屋の得点パターンはセットプレーもあるので。突破されても、みんなでカバーすることはできた。最後をやらせなければ、という割り切りもありました。前半に踏ん張れたからこそ、後半につながった。ヤマザキナビスコカップの決勝も待っている。それまでの3試合、いいサッカーを見せて勝っていくこと。数字としては優勝は厳しいかもしれないけれど、一つでも上の準備にいくために、アウェイ連戦は大切。ACLもまだ狙えるし、頑張ります」
●佐藤寿人選手(広島)
「ゴールシーンの前、(石原)ナオキか(青山)トシかはわかりませんが、球際でボールを自分たちのものにした時、名古屋は「ファウル」と判断したのか足を止めたけど、自分たちは笛が鳴るまでプレーをし続けた。それが得点を生み出してくれた。いいパスを引き出してゴールを決めるのは個人的な収穫ではあるが、いい守備からプレーを止めずにやり続けることができたのはチームとしての収穫。ハーフタイムの時も監督から「笛が鳴るまでプレーを続けよう」という話があったので。名古屋の方がジャッジに対してナーバスになっていたように感じます。ジャッジについては納得のいかないものがあるかもしれないけれど、それはお互い様。その中でもプレーをし続けられたことが勝てた要因だと思う。名古屋は広島に対応するよりも自分たちのサッカーをしてきた。それによって、スペースが生まれたと思う。今の名古屋は、西野(朗)監督が指揮を執る「主導権を握るアクションサッカー」。去年までは(名古屋のスタイルが違ったので)僕自身はなかなか名古屋相手に得点できていなかった。今回は、リスクをかけて攻めてきた相手の隙をうまくつけた。攻撃に出るということは、スペースを与えることにもつながるから。名古屋は能力高い選手が揃っているし、前半の内容を考えると、スコアが逆になってもおかしくない試合だった。特に前半は、圧力を感じた強い名古屋だった。ダニルソンが1枚下がって、(田中マルクス)闘莉王とボールを交換して。前線の僕としては、どちらにプレスをかけていいのかわからない感じだったので。本当は闘莉王にボールを触らせたくなかったんだけど、ダニルソンが下りてきて彼からいいスイッチが入る。2人をケアするのはすごく難しかった。前線の守備がうまくはまらず、押し込まれてしまった。そこをハーフタイムで修正できたことはよかったけれど、できれば前半の内に修正して、あんなに押し込まれなくてもいい形にしたかった。ヤマザキナビスコカップの決勝進出が決まった後の試合で、勢いを持続できるのか、トーンダウンしてしまうのか。それは、その後に影響を与えてしまうもの。今日勝てたことは、いい形でつなげていけると思う。ここからまた連戦になるし、誰が出てもチームとして結果を出さないといけない。若い選手は試合に飢えている。経験のある選手もしっかりとしたプレーをしなければ、すぐに別の選手にとって替わられる。チームの中にほどよい緊張感が張り詰めているし、それを継続していけるようにして、ナビスコカップの決勝につなげたい。今日は浦和が負けてしまったが、やはり優勝争いは簡単ではないし、上位争いもまだまだわからない。少しでも上に這い上がれるよう頑張りたい。(石原)ナオキと一緒に二桁得点とれるように、もっと上を見ていきたい。目標は当初より下になったが、まだ6試合ある。1つ1つ、仕事をしていきたい。お互いの感覚がよくなっているし、イメージが共有できている。ゴール前だけでなくビルドアップのところもいい距離感でいられる。前でしっかりボールを引き出して、時にはイメージ通りのボールが入らなくても身体を張ってボールをキープして、後ろの選手の上がる時間をつくること。理想はあるができない時でも泥くさく身体を張るプレーは、前だろうがどこだろうが必要だと思うし、継続してやっていきたい。前半スコアを動かされていたら、試合は難しくなっていた。4−0で勝てたから、万々歳でOKではない。監督から話もあったが、4−0で勝ったからこそ、内容を厳しく見ないと。よかったところは前向きに捉え、修正すべきはシビアに修正すること。次の試合は力のあるF東京戦だが、そういうチームに勝って初めて自分たちの調子がいいと言える。アウェイ2つ続くが、勝って広島に戻ってきたい」
●楢崎正剛選手(名古屋)
「前半はチャンスがあった。後半、前半からの相手のスローなペースの中で先にやられてしまったのが失敗でした」
Q:1失点目は不運もあったように見えましたが。
「点を取られても取り返しにいくエネルギーは残っていたはず。最近はそういうメンタリティーがあるので。でも、それを出せなかったのが残念です」
Q:あと一息、というところで苦しんでいますが。
「今季はずっと苦しいシーズンですけど、ここ最近は、何とか頑張って勝点を積み重ねてきました。今日は負けましたけど、すぐに次の試合がある。ケガ人が出ていますけど、もう1回踏ん張って、みんなでやるしかないです」
●田中マルクス闘莉王選手(名古屋)
「ダダダッと崩れてしまうのが、一番いけないパターン。広島のシステムに苦労しました。少しのスペースと時間を与えるとサイドで仕掛けられてしまうので、難しいと感じていました。特殊なシステムなので、どうしても後ろの4人と相手の5人がはまらない。どうもうまくいっていない。1点目を取られた後、すぐに2点目を取られたし、自分もPKを与えてしまった」
●松田力選手(名古屋)
「前半の出来は悪くなかったと思います。チーム全体として、やっていることが狙い通りで、いい感じでプレーできていたんですけど…。最後の最後で決められずにいたら、後半は相手に決められて、そこから崩れてしまいました」
Q:2試合連続の先発で、結果が欲しかったと思うが、なかなかシュートまでいけませんでした。
「カウンターの場面で、パスを出して、もう1回、というところまではいっているんですけど、折り返しが入ってこない、というシーンが何度かありました。ただ、1人で崩せなくても、誰かが点を取れば、とポジティブに考えていたんですけど」
Q:前半に1本、センタリングが来たけれど、ヘディングが合わせ切れませんでした。
「ああいうところを、試合に出ていくことで合わせていければ、と感じています。パスが出てくればチャンス、という場面は結構あったので、コンディションも上がってきて、走れていると感じている。アシストでもいいので、しっかり結果を残したいです」
以上