●森保一監督(広島):
「このヤマザキナビスコカップ準決勝の舞台で、我々が第1戦で2−0とリードして、柏でのアウェイの試合でした。2点のアドバンテージがありましたけど、この2点のアドバンテージを守って、易々と準決勝を勝ち切れるとは全く思っていなくて、今日は相当厳しい戦いになるだろうなと僕自身も、選手も覚悟して今日の試合に臨みました。試合は思った通り、レイソルの選手たちの気迫を前面に出した圧力と、ここ柏サッカー場の柏のサポーターが作り出す雰囲気、プレッシャーの中で、我々の選手はグラウンドのプレッシャーの中、雰囲気のプレッシャーの中、相手に押される時間も多かったですけど、タフにしぶとく戦い続けることをやってくれて、決勝の舞台を勝ち取ることができたと思います。本当に厳しい戦い、最後は交代枠を全部使い切った後に怪我人が出てしまい、10人で戦わなければいけない中、我々がこれまでやってきた『チームが団結して、粘り強くタフに最後まで戦い抜く』ということができたことは良かったと思いますし、選手のハードワークに感謝したいと思っています。今日の雰囲気の中で、選手は最後まで集中を切らさず、走り続けられたのは今日も我々のサポーターがたくさん駆けつけてくれました。そのサポーターのおかげだと思っています。今日は勝利という形での決勝進出ではないですけど、この準決勝から決勝に進出したということをサポーターにお届けで来て、広島土砂災害で犠牲になられた、被災者の方々に勝利をお届けできて嬉しく思います。サポーターの皆さんに最後にもう一度感謝したいと思います。ありがとうございました」
Q:2−0から2−2に追い付かれた後、佐藤寿人選手から皆川佑介選手に交代し、結果的に彼の存在がゴールにつながったと思うのですが、彼の起用の目的は。
「まず寿人の腿裏の状態に張りがあったということで、ハーフタイムにも確認していて、行けるところまで行くということで、マックスでも60分ぐらいかな、ひょっとしたら引っ張ったら肉離れを起こしてしまうかなという状況だったと思います。そういった意味での疲労、彼のコンディションの状態で皆川を投入しました。あとは戦術的にも押し込まれている状況であったので、皆川を入れることによって、前線のターゲットという形で起点になれる、そこから前向きに我々が攻撃を仕掛けていくという狙いを持って、交代させました」
Q:ディフェンスラインが日本代表に召集され急造でしたが、清水航平選手のこの2試合をどう思われますか。
「航平に関しては、公式戦で初めてやるセンターバックを、この大切な、しかも強敵の柏戦にセンターバックでプレーしてもらって、彼の持っている体の強さ、予測能力というのをいかんなく発揮してくれたと思います。集中力を切らさず、彼の持っている体の強さ、対人の強さを発揮してくれたと思います」
Q:今後特別なことがない限り、清水選手のセンターバック起用はないですか。
「本人が希望すれば、ひょっとすればポジションの変更はあるかもしれないですけど(笑)、基本的には彼はサイドの選手だと思っていますし、我々にとっては貴重なサイドの戦力で、僕が監督に就任してからサイドを主にプレーしてきましたけど、ACLではシャドーもプレーしましたし、今回はセンターバックでプレーしましたし、彼はいろんなことを経験して、選手としての幅を広げてくれていると思います。次はどのポジションで起用するか分かりません」
Q:後半の早い時間に2点目を取られて2−0になった時、柏は当然3点目を狙ってくると思いますが、広島のゲームプランに変更はありましたか。
「ゲームプランは今日の試合開始から試合終了まで全く変わっていません。2点目を取られたシーンはビルドアップのミスだったと思いますけど、あそこでGKの林(卓人)が判断としては、大きくクリアするというところがあってもよかったと結果的にはなるかもしれませんが、まずつなげるところはGKからボールをつないで、攻撃を組み立てていこう、攻撃を仕掛けていこう、それは今日2−0でリードしている時でもノーリスクというサッカーではなくて、普段我々がやっているサッカーを貫き通していこうということでやりました。結果、ビルドアップからのミスで2点目ということは、しっかり修正して改善していかなければならないことですが、そこでゲームプランが変わったということはありません。むしろ2点目が入ったことで、柏の方が落ち着いたのかなと。そういう感は受けました。我々の選手は、今日2点目を奪われて、そこから顔を上げて奮起してもう一度戦ったというよりも、前半もチャンスは何度も作っていましたし、耐える時間は確かに長くありましたけど、試合の入りから守って今日の試合を終わらせるのではなくて、我々のコンセプトの下、積極的に攻撃をして今日の試合を勝ち切っていこうということで、最後まで選手はプレーしてくれたと思います。結果は1−2ということで、この試合に限っては負けてしまいましたが、選手のプレーにはチームのコンセプト通りやってくれたと思います」
Q:気が早いですけど、決勝に進出してタイトルが懸かっています。そのあたりは。
「我々、過去2年間Jリーグのタイトルを取っていますし、タイトルを取るだけの力が我々にはあると常に言っていますし、今回このタイトルが懸かった、ヤマザキナビスコカップの決勝戦に出られるということは、これまでの頑張りというものが素晴らしかったと、選手にも今日の戦いも素晴らしかったと言いましたが、まだ道半ばだと。必ず決勝の舞台、11月8日、必ず我々が勝ってタイトルをものにすることを選手に伝えました」
以上