●反町康治監督(松本):
「今日の勝利を、先日の御嶽山噴火で残念ながら亡くなられた我々のサポーターである野口泉水さんに捧げたいと思います。札幌戦の前日に災害に合われた方で、その札幌戦もチケットを持って観に来るという話を聞いていました。我々のようなチームはそういう方々に支えられてきているので非常に悔しいと同時に、天国で喜んでいただけるように少なくなってきた残り試合を頑張っていきたいと思っております。またアウェイにも関わらず、会見に来るのが向こうの監督の後かな?と思ってしまうくらいの雰囲気を作り出していただいて、まさにいい雰囲気のなかで先取点、追加点といいリズムで出来たのは、間違いなくサポーターの皆さんのおかげです。合わせて感謝したいと思います。つまり私の力では全くないということです(笑)。
全体的には我々らしさを出せたと思います。逆に前節は全く同じようにCK、FKで失点した。全く同じシチュエーションでしたね。ハーフタイムにも『次の1点が大きく流れを変える』という話をしました。向こうもメンバーや配置を変えてくるなかで、しっかりと最後まで対応することは出来たと思います。出来れば3点目、4点目と取りたいところですが、そうは上手くいかないのがサッカーの世界なので、それは次に取っておきたいと思います」
Q:9月に勝ちなし。チームにプレッシャーもあったのでは?
「いえ、言い方は変ですけどこの位置にいるのは出来過ぎで、他のチームの足踏みもあったからで、プレッシャーはないと思います。ただ、試合の前々日しか来ないメディアの皆さんがずっと来るようになってから皆が意識しただけであって(苦笑)。全部非公開にしても良いんですが、そうするとサポーターの皆さんも困るので。そういうプレッシャーはないですし、僕も全く感じていません。自分がプレッシャーを感じる姿を見せることも良くないことですし、今までどおりいつもどおりの顔をしてサッカーをすること。ただ9月はいい月ではなかったので、選手には少しギアをアップしていかないといけない、と話しました」
Q:犬飼智也選手の先制点の場面について。
「実は横浜FCはCKからの失点がここまで2点なんですよ。しかも一発でドンっというのは一度もない。これは大したものですよ。湘南がCKからの失点がひとつもないので陰に隠れていますけど、ゾーンとマンマークの併用は非常に参考になります。去年の神戸もやっていたと思いますが。我々はこの前CKから失点があって、何とかしてセットプレーでチャンスを作りたいなと考えていました。山口(素弘)もまだ試合があるので、詳細はここで言いません。ただ、一発で取るのは非常に難しいと思っていたので、ああいう形で得点出来て非常にラッキーという言い方になるかも知れません。ただ、ゴールに対する執着心ですとか、犬飼もこの前ボーンヘッドで都倉(賢)にやられていましたが、今日はゴール前でクリアしましたが少しピリッとしたところがワンちゃん(犬飼)なりに出たのかなと思います」
Q:大久保裕樹選手の起用意図について。
「ずっとトレーニングも一所懸命やっていましたし、少しチームが停滞するなかで最終ラインで弱気の部分が見えていたので、ちょっと強気で勝負しないといけないと感じていました。彼は体に力がありますし、セットプレーで跳ね返す力がある。最初はちょっと不安定でしたが、それをしのいでからは及第点を与えていいと思います。多々良(敦斗)はカード3枚貰っていて、どうしても弱気なところが出てきた。それでは全体的に後ろ髪を引かれてしまうので、前髪をセットしたいなと思いました」
Q:ロングスローは相当練習しているのでは?
「いや、練習すると野球選手と同じで肩を痛めちゃうので(笑)正直練習はしていません。向こうも11人PA内に入ってきていて、そうすると正直穴はないですよね。その上をやろうとしても投げられるところは限られてますし。変な話、あそこからGKに返してやり直した方がいいかもしれないですよ。でも、その中で動きを入れたり変化を加えたりはしないといけない。だって横浜FCはCKはマンマークとゾーンの併用ですけど、あの時はFKのようにマンマークで付いてきますからね。それだけ投げるということは精度が高いですからね」
Q:特に山本大貴選手の前線からのプレスも上手くいっていたが?
「守備では貢献したと思いますよ。ただ攻撃ではあれだけ守備していれば疲れているのかも知れないけど、もう少し周りを上手く使えればここで誉めたいですけど。ただ、守備にも攻撃にも関わる力はついてきましたね。あれで精度が高ければもっともっと頼もしくなるんですけどね。(前線でボールを)収めさせてもらったのもあると思いますよ。渡辺匠ですから(笑)」
Q:いいオクトーバーにしたいと話していたが、今週どう立て直したのか?
「かなり新たな状態を作って練習してきたつもりではいます。もう一度しっかり見直そうと選手にもきついことを言って、選手の選定の理由もはっきりして。例えば前節先発の玉林(睦実)を連れてきていないとか。そういうことを話をして緊張感を持たないといけないと。少しメンバーを替えたのはそういう理由もあるんですけどね。逆にこれも言いましたが、僕が試合前のミーティングで40分喋っても自分たちがやるかどうか。そこだけの違いなのであえてあまり言わずに後は自分たちで立ち返ってやれと。勝ちがない時は誰かのせいにしたがるけど、これは全員の問題であって全員の責任だという話もしました。少しずつ皆も責任感持ってやれたんじゃないかと思います。いい流れの時にしっかり勝てたのとゼロで抑えることが出来た。これは良かったし次に繋がると思います」
Q:前半は横浜が3バックにしてミラーゲームのようだったが?
「僕はあまり3バックじゃないんじゃないかと思ってたんですよ。選手に聞いたら『3バックですよ』と言ったので。小池(純輝)が右サイドの外に張ってきたのであれ?と思ったんですが、アルウィンでもそうやってきたので。ただ思ったのは、市村(篤司)とか西嶋(弘之)とかが怪我で後ろの層が全体的に少なくて、3バックで終えている試合はたくさんあるんですよね。だからそういうこともあると思っていました。我々はずっと同じようなやり方でやってきているので、対処としてはそんなに大きな問題はなかった気がします。後半も従来の形に戻って少しサイドで縦関係を作られるとそこで逃げられちゃうこともあったので、途中交替の選手も入れて5−4−1のような形にして試合を締めないといけないかなと感じました。3枚から4枚に替えたことはあまりなかったと思いますが、小池のサイドのところだけは野上(結貴)と縦関係で逃げられちゃうと困るので、そこはファーストディフェンスは気をつけました。変えられることは全然問題ないし、事前にも話もしているし、リードしているということも頭に入れながら選手が良く対応したと思います」
以上