讃岐のJ2入りとともに誕生した、大森一、小谷秀斗、中条さくらの3人組ライターチーム「オフィスひやあつ」。ライター1年生のひやあつメンバーは、なにもかもが手探りの状態で、取材時、監督や選手、また他媒体のメディアの方に様々なことを教えてもらっています(讃岐に関わるメディア関係者は優しい人ばかりで、私たちの質問にも快く答えてくださいます、心から感謝!)。今回は、北野誠監督と話をしていて「そうだったのか!!」と感じたことについて紹介させていただきます。サッカー観戦初心者の皆さん、ぜひ参考にしてみて下さい。
讃岐は、第28節・京都戦以降、“守ってカウンター”という戦い方を徹底しています。具体的には10人でゴール前を固め、FW木島良輔選手を前線に残してカウンターを狙っていく。この戦い方を始めてから讃岐は2勝2分2敗、初の連勝も果たし、これまで課題だった失点数も6試合で6とJ2の中でもかなり少なくなってきました。そして、木島選手は6試合で3得点を挙げています。木島選手の動きや得点力が目立つため、「木島頼み」「木島に任せれば安心」という言葉が少なからず聞こえてきますが(自分の知識のなさをさらすようで恥ずかしいのですが、私も多少なりともそう思っていました)、「そうじゃない」と言うのは北野監督。
「木島が点を取れるのはバルセロナのメッシと一緒。バルセロナはメッシに点を取らせるサッカーをしているわけでしょ、あんなに周りが上手でも。うちだって木島の特徴を生かして、木島に点を取らせるために、今のサッカーをしているわけ。メッシが1人で打開しているとか、木島が1人で打開しているかといえばそうじゃない。バルセロナにはネイマールとかメッシ以外に点を取れる選手がいっぱいいる。でも、メッシなわけ。サッカーってそういうものだし、フットボールっていうのは、やっぱりセンターフォワードが点を取るようにできているものだから、そういう戦い方を選択している。バルセロナは、メッシにお任せじゃない。だから、その辺を勘違いしてほしくない。ほかの選手がいるから木島がいる。木島に点を取らせるためにほかの選手がいる。木島のスピードとかがなかったら、また違うサッカーを考えればいい」
そうだったのか!!
それを意識しながら見てみると、また違った楽しさが見えてきます。「木島への小澤(雄希)のスルーパスが効いてたよね」とか「大沢(朋也)のタメが木島の動きを生み出してたよね」「いやいや、西野(泰正)が体を張って相手をブロックしてたからだよ」「沼田(圭悟)が走り込んで木島のマークが1人はずれたから」「そうじゃなくって、なんといっても藤井(航大)が競り勝ってからの早さでしょ」などなど。試合後、サポーター友達との会話も弾みそうです。また、木島選手が途中交代した際、ほかの選手の動きがどのように変わったのかを注目してみるのもおもしろいでしょう。
長崎の山口貴弘選手に「常に最終ラインと駆け引きしてきた。背後を狙うスピードや駆け引きの脅威は、今年初めてくらいの経験だった」とまで言わしめた木島選手ですが、その裏にはほかの選手の献身的なプレーがあるからなんですね。
以上
2014.09.25 Reported by 中條さくら(オフィスひやあつ)