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【J2:第32節 松本 vs 讃岐】レポート:意地を見せた讃岐が敵地で勝点1の奪取に成功!松本はシュート16本を放ちながらゴールをこじ開けられず。(14.09.21)

後半アディショナルタイム突入寸前のプレー。讃岐ゴール前に飛び込んだ山本大貴のシュートがバーの上を通り過ぎた瞬間、スタンドから一斉に溜息が漏れる――。流れこそ握りながらフィニッシュの精度に欠けた、この試合を端的に現した場面と言える。

松本は負傷の岩沼俊介が欠場となり、飯尾竜太朗がリーグ戦初先発。対する讃岐は、古田寛幸とアンドレアが負傷明けの初戦。序盤はお互いに前線までボールが上手く運べず、決定機らしい決定機のない展開。パスミスによるボールロスト、またホルダーへのフォアチェックで自由を奪ったことが要因だ。木島良輔が厳しいマークを受けた讃岐同様に、松本も19分の岩間雄大が起点となったカウンター以外では流れの中からのチャンスが見出せない。
オープンプレーからチャンスを作れないのなら、セットプレーが大きなカギを握る。26分には讃岐ペナルティエリア前でサビアが倒され、FKの好機。これは直接ゴールに結びつかなかったものの、このプレーを契機に松本が相手陣内へ攻め込む時間が続く。29分には右サイドからのクロスにゴール前で待ち構えていた犬飼智也が合わせる。これは頭の上を通り過ぎたものの、タイミングはピッタリ。ようやく歯車が噛み合い始めた感の松本が流れを掴む。しかし、幾度か讃岐ゴールに迫りながらも迫力とアイディアを欠き、“先制点を奪う”というミッションは達成できずに0−0のまま前半を折り返した。

前半のシュート数は松本の8本に対し、讃岐は1本という状況。攻撃面のてこ入れを図るべく、北野誠監督は復帰直後ということもあり動きに切れのなかったアンドレアを大沢朋也に交替。この采配により前線は確実に活性化され、讃岐が流れを引き寄せる。嫌な雰囲気に傾きかけているだけに松本としては、そろそろ得点が欲しいところ。59分にはCKからのルーズボールを拾ったユン ソンヨルがミドルで狙うが、これは枠を外れる。
後半30分を過ぎ、讃岐は厳しいマークに晒された木島から我那覇和樹に交替し、リフレッシュ。対する松本は両サイドから中央へクロスを挙げてゴールを狙うが、ゴール前に人数を割く讃岐ディフェンスを打ち破れない。終盤に入り、松本は鐡戸裕史を投入する攻撃モードにシフトし、最後のチャレンジに打って出る。何がなんでも勝点1を持ち帰りたい讃岐も意地のディフェンスで対抗。結局その讃岐の意地が勝り、松本に最後までゴールを割らせなかった。

同時刻、味スタで開催されていた東京V対富山で、富山がリードしているという情報が飛び込んできたという北野監督は「これでいいや」と後半途中で完全に割り切った。J2残留のために何としてでも勝点を取ろうと、徹底してリトリート。これはこれで、サバイバルに賭ける執念が実った形だ。20位・東京Vとの勝点差は1縮まり、ついに3差。「次はホームでできる。何とか差を縮めたい」と北野監督は既に次節へ視線を移した。
対する松本は主導権を握りながらのスコアレスドローには悔しさも募るが、キーマンの木島に仕事をさせず、シュート3本に抑えたことは収穫。あとは固められたゴールをどうこじ開けるか。反町康治監督も、「次の北九州も同じスタイルですが、今日の鬱憤を晴らせるように、先制点をとることを目指して頑張っていきたい」と次節へ気持ちを切り替えている。残り10試合、昇格あるいは残留に向けてのラストスパートにこの勝点1はどう作用するか。

以上

2014.09.21 Reported by 多岐太宿
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