●マッシモフィッカデンティ監督(F東京):
「一つ残念なのは平山相太選手のけがです。MRIやデータを見なければ詳しいことは分からない。映像を見返したが、ひどいファールでした。これまで非常に良いプレーを続けていたので、長いけがとなるのは残念です。試合に関しては、前半は非常にすばらしいプレーをしました。スペースを自分たちが埋めたいように埋めることができた。1点リードを奪われても、すぐに追いつきましたし、その後も2点目、3点目を決めた。(河野)広貴の4点目が決まっていれば、4−1にもできたと思います。PKで3−2にされてしまった後は、彼らは順位表でも鳥栖、川崎F、鹿島と争っているので、難しい試合になるという予測はできていました。その後、3点目を取られて同点になった後も4点目を取り返した。最後のPKに関しては、遠くてハッキリ見えませんでした。4−4で試合に終わりました。サポーターもこの試合に関しては非常に勝ちたいという気持ちが強かったと思います。選手たちは気持ちでも、プレーでも出し切ってくれた。まだまだこのチームは、伸びしろがたくさんあるチームだと言えるでしょう」
Q:結果的に前線の3人を交代させましたが、平山選手の負傷で選手交代が難しくなりましたか?
「(平山)相太は、すばらしいプレーを続けていました。彼の特徴としてボールをキープすると同時に、スピードもあるので背後を狙っていける。エドゥーとはまた特徴が違ってくる。彼はどちらかというと、足元でキープしてから展開していくタイプの選手です。あの3−1の時間帯で理想的だったのは、ボールをキープできて推進力もあるFWだったと思います。非常にすばらしいプレーを続けていたので残念です」
Q:組織形成の速さと守備意識の高さが目立っていましたが、河野選手らの意識をどうやって変えたのでしょうか?
「彼はサッカー選手として信じられないようなクオリティーを有していると思います。彼らとはハッキリと物事を言い合える関係性を築いています。もちろん何でも話し合える関係性ではあるんですが、プレーするためには走る必要があるぞということをです。これはベースです。たとえばコンディションが伴っていなければ試合にでないこともあります。逆に伴っていれば、スタメンに戻ることもあると。そういったこともハッキリと全員に言っています。サッカーという競技はチームスポーツなので、すばらしいグループができているのは全員がチームのために、仲間のために走ることができているから。それはすばらしいことだと思っています。だから結果的に彼は走るのでしょう」
Q:本田圭佑選手も走るようになるのでしょうか?
「本田選手はすばらしい選手です。監督がそのチームをいかにしてつくりあげていくかにもよるでしょう。私に関しては、このチームでどんなことでも話し合えるすばらしい関係を築けている。広貴の話でいえば、2歩前進することがあっても、半歩後退することがある。そういったときに、すぐに話しかけて何があったかをお互いが理解することでチームの流れに乗せることができた。そういうことを継続してやっています。チームの成長とは各々の成長が必要不可欠です。このチームには、だからこそ、伸びしろがあるのだと思います」
Q:武藤嘉紀選手が2得点を挙げましたが、今日の出来と、彼の特徴を教えてください
「彼は今年が、実質、Jリーグでプレーする初めての年です。ほかの選手と同じように、すごく成長していると思います。それはJリーグですでに何点とったかで示している。ウイングもできるし、トップ下もできるようになってきた。背後を突くこともできる。実質ルーキーイヤーですばらしい成長を遂げていると思いますが、毎日トレーニングをしている中で自分でも気づいていないほどの伸びしろを持っている。今日数えてみないと分からないが、おそらく7〜8回ほどファールを受けている。あれだけスピードがあってパワーもあるので、相手にとってはやっかいな存在になるのでしょう。今日はハムストリングにも打撲を受けている。そういう意味でも彼が危険な存在と言えるでしょう」
以上