本日、日産グローバル本社「日産ホール」で横浜FM「新加入選手会見」が行われました。
出席者のコメントは以下のとおりです。
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●嘉悦朗 代表取締役社長
「いつも横浜F・マリノスに温かいご支援、熱いご声援をいただき、本当にありがとうございます。
2週間以上前、21年ぶりに天皇杯を獲ることができました。素直に喜びたいとともに、9年ぶりにタイトルをお届けできて、少しだけホッとした気持ちです。
ただ昨年、9分9厘つかみかけていたリーグタイトルを手放してしまいました。この後悔の念、反省は、決して忘れていけないと思っております。そういった振り返りも含めまして、ご説明いたします。
まず昨年のリーグ戦は2位で終わってしまいました。勝点は62、広島との差は1。この結果だけを見れば惜しかったとなりますが、私たちが目指していた勝点は、試合数×2、68。そこに対して6点、つまり2勝分足りませんでした。その要因は、はっきりしています。
守備はいつもどおり堅かったといえます。打たれたシュート数は一番少なく、失点数も2番目に少ないものでした。一方、得点あるいはシュート数は、平凡な結果になりました。これは積年の課題であり、昨年のこの場でも同じような話をしています。抜本的な改善は、残念ながらできておりません。
ただ私たちは、やみくもに得点を狙うわけではありません。やはり、長所であるディフェンス、失点をこのレベルに抑えながら、バランスよく量と質を高めながら、勝利に確実に結びつく得点をいかに増やすかです。
これらのポイントから、新たな戦術の深みや幅も加えていかなければなりません。そういった観点から、チーム編成をしました。
また終盤4試合を1勝3敗で終わってしまいました。ここが悔いの残るところです。いろいろな要因があると思いますが、1つには優勝という重圧の中を戦い抜けなかった。ここが敗因だったと思っています。しかし1つ大事なものを得ることができました。それは優勝経験です。リーグ戦と天皇杯というカテゴリーの違いはありますが、優勝したという経験値が、今後のリーグ戦、あるいはトーナメントを勝ち抜く上で大きな財産になっていくと思っております。
2013年は、ほぼ終始優勝争いをリードし、全34節中18節で首位と優勝戦線の主役でありました。それだけにホームページにも書かせていただきましたけれども「画竜点睛を欠く」、最後の重要な竜の眼を描き損ねました。これが大きな悔いとして残っています。これはどうしても修正しなければなりません。
とはいえ、過去20年間のリーグ戦の成績の推移を見ますと、もちろん頂点を3度極めた時期と比べると、まだまだ足りないのですが、2005年以降に下降線をたどっていたチーム成績も2008年以降は確実に上昇しております。残すは本当に1位、優勝になりますので、今年はぜひ、最後の詰めにも留意してやっていきたいと思っております。
天皇杯では、宿敵・広島を倒して優勝。思い起こしていただきたいのは、2011年と2012年に越えることができなかった準決勝の壁を見事に乗り越えて我々の経験の幅を広げることができました。そういう意味でも非常に価値のある優勝でした。ただ、もう1つのカップ戦、ヤマザキナビスコカップにつきましては、やはりベスト4の壁を乗り越えることはできませんでした。柏に0−4で敗れたのが大きく尾を引いてしまいました。そういう意味では、天皇杯を良い成功体験として今年のカップ戦を乗り越えていくよう、取り組んでまいりたいと思います。
経営の状況についてお話します。
まず、我々が象徴的に取り組んでまいりました入場者数の増加ですが、入場者数の推移は、2005年をピークに下がり続けていた観客数が、皆さまにもご協力いただきまして、東日本大震災があった2011年を除きますと、常にこの4年間の内の3年間、前年比を上回る観客数を記録しました。私たちの努力もさることながら、皆さま方のご協力、ご声援があってのことだと思っています。改めて感謝申し上げます。
そして昨年、おかげさまで1試合62,632名の来場というJリーグ新記録を打ち立てることができました。これに満足することなく、今シーズンは6万人台の試合を1試合ではなく、何試合もできるように頑張っていきたいと思っております。
こういった観客数の増加に比例するように、さまざまの数字も上向きになっております。スポンサー収入もグッズ収入も飛躍的に伸びておりますし、アカデミーも順調に推移しております。これもみなさんのご支援の賜物です。ありがとうございました。
さて、2014年シーズンの新たな目標ですが、まずスローガンは『戦い抜く』="Fight it out !"、これを従来の『All for Win』に重ねて今年固有のスローガンとして掲げてまいりたいと思います。
今年の目標は、すべてのタイトルを獲りに行く。全タイトルは5つあります。ゼロックススーパーカップに始まって、リーグ戦、ACL、ヤマザキナビスコカップ、そして天皇杯。これらをすべて狙いに行きます。今年はアジアの戦いと、これまでとは違う大きなチャレンジも待ち受けております。これを『戦い抜いていきたい』と思っております。ぜひ皆さまの力を貸してください。今年もよろしくお願いいたします。どうも、ありがとうございました」
●樋口靖洋監督
「監督として3年目のシーズンを迎える樋口です。今年も、よろしくお願いいたします。昨年は、入場者数が過去最高を記録するなど、本当に多くのファン・サポーターの皆さまにスタジアムに駆けつけていただきました。ホーム、アウェイを問わず、大きな声援をいただき、私たちの背中を押し、勇気を与えてくれました。チームの大きな力になったことは間違いありません。この場をお借りして、感謝を申し上げるとともに、今年も変わらぬサポートを、ぜひよろしくお願いいたします。
昨年、目標の1つであるACLの出場権をつかみ取ることができました。また21年ぶりとなる天皇杯の優勝も獲得しました。元日の夜は、本当に多くの皆さまから祝福のメッセージをいただき、うれしさとホッとした気持ちでいっぱいでした。
ただ一晩明けて、私の中には達成感はまったくありませんでした。むしろ優勝争いをけん引しながら、最後でつかみ損ねたリーグ戦の悔しさが改めて沸き上がってきました。これは選手も共通する想いです。何としてもリーグタイトルをつかみ取るために、今年もう一度チャレンジしたいと思っています。
この2年で、チームは確実に成長している、そういう手応えを持っています。ただ、まだまだ課題があります。その1つが得点力です。昨年のリーグ戦は、49得点。これでは優勝することはできないと思います。今年は勝ち切る、攻め勝つゲームをどれだけ多くできるかが最大の課題だと思っています。
今日、こうして新加入選手が並んでいます。この課題を克服してリーグ戦、ACL、そのほかの3つのタイトルをつかむため、またハードな日程を乗り切るために、新たな選手が加わってくれました。移籍組の選手は、それぞれのチームで昨シーズンレギュラーとして活躍した選手ばかりです。また新人選手の2人もポテンシャルが高い。そして松本翔も期限付き移籍で多くの経験をつかんできました。
また昨シーズンの後半は、端戸仁、佐藤優平などの若手が力をつけました。熊谷アンドリューあるいは喜田拓也などもレギュラーを狙って頑張ってくれると思います。このように、今年はチーム内の競争が激化します。この競争が、間違いなく個々のレベルアップをもたらし、チーム力を上げてくれると確信しています。その力を結集してタイトルに挑みたいと思います。
相手のボールを奪いに行く積極的な守備、そしてボールをしっかりと握り、イニシアチブを持って相手を崩す攻撃、そういう横浜FMのスタイルを進化させたいと思います。
今シーズンも、皆さまとともに戦いたいと思います。熱いサポートを、改めてよろしくお願いいたします」
●北谷史孝選手
「スピードを生かしたインターセプトやボールを奪うプレーが僕の長所だと思っています。そこを見ていただけたら。小さい頃から中澤佑二選手を見て目標にしてきました」
●天野純選手
「僕は、ボールを持った時に、他の選手との違いを出せると思っています。そこに注目してプレーを見てください。試合に出られるのであれば、ゼロックススーパーカップから出たいです。(中盤は)本当に厳しいポジション争いだと思うけれど、そこに打ち勝たないとプロとしてやっていけないと思っています。トップ下で勝負したいです。そこにこだわっていきたいです」
●下平匠選手
「パスを繋ぎながら積極的に攻撃参加して、オフェンスに厚みを持たせられるように、しっかりチームに貢献したいと思います。(F・マリノスに)知り合いの選手はいないけど、不安はありません。プロとしては試合に出てナンボなので、試合に出られるように頑張ります」
●藤本淳吾選手
「ほかのチームにいた時には、左足のキックが得意と言ってきましたが、今は俊さん(中村俊輔)がいるので、何も言えなくなってしまいました(苦笑)。追いつけるように頑張ります。(昨年、中村選手が付けた背番号25を背負う)その期待に応えられるように、練習からしっかりやっていきたいと思います」
●松本翔選手
「愛媛では攻撃的なサッカーをしていたので、試合に絡めればと思ったけれど、あまりチャンスをつかめませんでした。けれどもチームで唯一、練習を1日も休みませんでした。そのなかで自分に足りない部分を得ることができました。守備とかがむしゃらさとか、サッカーに必要なことを学んで、成長させてもらいました」
●矢島卓郎選手
「移籍を決断したのは、自分自身もっとうまくなりたいという思いからです。年明けからしっかり準備していました。チームの始動日からもしっかり動けるようにしたいです。横浜FMはベテランも頑張っているし、昨年は大きなケガ人もいませんでした。自分自身もすごく勉強になると思いますので、いいところを吸収していきたいです」
●伊藤翔選手
「横浜FMはもともと好きなクラブなので、入ることができてうれしいです。どれだけピッチで結果を出せるか。獲得して良かったと言われるような選手になりたい。ポジションとして、自分に与えられる最初の選択肢は1トップだと思います。ポジション争いは、自分を律しながらやっていくことが大事になります」
●三門雄大選手
「新潟を離れる寂しさもありましたが、この新体制発表を迎えて、やってやろうと気が引き締まりました。始動日の27日から、自分の力をしっかり出せるようにしたい。ずっとボランチでしたが、チームのためになるなら、サイドでもどこでも、与えられたポジションをしっかりこなします。まずは試合に関わることが大事です。目標は、点が取れる中盤の選手です」
以上