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【J2日記】栃木:カミングアウト、自虐、報告、ボケ倒し(13.06.28)

書こう書こうと思いつつ、書きそびれたことってありませんか?

ホーム“グリスタ”で開催された第16節・横浜FC戦のスタジアムイベントが、そのうちの1つでした。試合当日は栃木SCの歴史を彩ってきたレジェンド4名が来場。トークショーで大いに会場を盛り上げてくれました。

栃木在籍時の秘密を暴露してくれたのは、“栃木の闘犬”こと深澤幸次氏。同じレフティの入江利和選手(ポーランド2部グルニク・ウェンチナ所属)とは、同級生ということもあり周囲には仲が良いと思われていたようですが、「実は険悪でした」と衝撃のカミングアウト。会場からは「えー!」という驚きの声とともに笑いが起こりました。そんな深澤氏の思い出と言えば、ゴールパフォーマンス。ある試合のゴール直後、一目散に向かった先は、監督でもチームメイトの下でもなく、ゴール裏に設置されていたスポンサーであるヤクルトの巨大オブジェでした。抑えきれない感情をヤクルトに受け止めてもらったシーンは、いまだに忘れられません。

自虐ネタで笑いを誘ったのは、スピード豊かな縦突破で観衆を魅了した高安亮介氏。J2参入後、初となる10番を背負った生え抜きが、現チームの注目選手として挙げたのは同ポジションの杉本真選手でした。拓殖大学に在学時、練習生として栃木に来ていた杉本選手の能力の高さを絶賛し、「彼のおかげで僕はチームを去ることになりました(笑)」と、観衆がリアクションに困る当時の心境を赤裸々に語ってくれました。そんな高安氏の印象的なシーンは、香川真司選手と乾貴士選手を擁したC大阪を相手に決めたダイビングヘッド。強敵に一矢報いた渾身のゴールは、今でも瞼の裏に焼き付いています。

ファン・サポーターの前でハッピーな報告をしたのは、センス溢れるプレーが光ったレフティボランチの久保田勲氏。イベントの数日前に入籍したことをファン・サポーターに報告すると、会場からは「おめでとう」という祝福の言葉と温かい拍手が送られました。そんな久保田氏の記憶に残るプレーと言えば、やはり精度の高いミドルシュート。荒れたピッチも物ともせずにミドルシュートを突き刺し、その弾道はいまだに鮮やかに蘇ります。キックの精度は当時のチームの中で群を抜いて高く、サイドチェンジも巧みでした。

トークイベントでボケ役を進んで買って出たのは、“栃木の暴れ馬”こと永井健太氏。横浜FCの三浦知良選手と栃木の三都主アレサンドロ選手との元日本代表対決に注目しているかと思いきや、永井氏が口にしたのは既に引退している元日本代表であり栃木在籍経験のある山下芳輝氏の名前。入念に仕込んだネタを披露したものの、会場の反応はもう一つ。それでも怯むことなく、現役時代と変わらぬ積極性でボケを重ね続けた永井氏。その暴走ぶりは一線を退いても衰えを知らず、陽気な人柄に心が和みました。現在、永井氏は地元・足利市の職員として勤務する傍ら、JFLに所属する栃木ウーヴァFCの広報業務も担っており、6月30日に足利で開催される試合に1人でも多くの方に来場してもらえるように汗を流している。そんな永井氏が栃木に記した軌跡と言えば、2006年度の天皇杯4回戦で4−6の壮絶な打ち合いとなった清水戦での活躍。0−4から残り15分で4点を奪うに至る中で永井氏は1ゴール1アシストを記録し、諦めずに最後まで戦い抜く栃木のアイデンティティを体現してくれました。天皇杯の歴史に残る乱打戦の中に、彼は確かに立っていました。

各自が持ち味を発揮したトークショーは大盛況のうちに幕を閉じました。ファン・サポーターの方々は、かなりの満足感を得られた様子。それぞれに歩む道は異なっても、今でも4人はサッカーに関わっており、そのことが聞けただけでなんだか嬉しくて、顔がほころんでしまいました。久々に再会してもサッカーという共通の話題があれば、簡単に距離が縮められる。「やっぱり、サッカーって素晴らしい」。そんなことを改めて思い起こさせてくれた素敵なイベントでした。

以上

2013.06.28 Reported by 大塚秀毅
(C)大塚秀毅

レジェンド4人衆

(C)大塚秀毅

高安氏は自慢の腹筋を披露

(C)大塚秀毅

会場には大勢の観衆が集った

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