前節、岐阜は痛恨の試合だった。福岡を相手に、終了間際まで同点の状態だったが、86分にセットプレーから失点し、1-2の敗戦を喫した。
惜しかった。しかし、もう惜しかった、よくやったという言葉ではくくれない状況に来ていることを認識すべきだ。J2もはやくも16節を消化。あと少しで折り返し地点を迎える。今、岐阜は最下位に位置し、21位と20位との勝点差は4。つまり1回勝っても追いつかない差になってしまっている。しかも得失点差はリーグダントツ最下位の-22。JFLの戦いを見ても、準加盟チームが1位から4位までを独占しており、岐阜は窮地に立たされていると言っていい。
終盤の失点はもちろん実力の問題があるが、メンタル面の問題が大きい。岐阜は試合を見ても勝ちたい気持ちが伝わってこない試合をするときがある。もうこれからは1試合もそういった試合があってはならない状態にあり、それが見えるようだと、いよいよマイナスな面の覚悟をしないといけない。
この試合は絶対に勝たなければならない。多分、これから岐阜のホーム戦のプレビューはこの言葉をずっと使い続けるだろう。相手がG大阪だろうが、神戸だろうが一緒だ。それくらいの危機感を持って戦わないといけない時期に来ているのだから。
岡山は前節、熊本を相手に0-3と圧倒されたが、一昨年まで岐阜にいた押谷祐樹の2ゴールで2−3まで追い上げた。岐阜にとって、この押谷が非常に危険な存在だ。彼は岐阜時代、何度も個人技と鋭い飛び出しで、チームを救うゴールを決めてきた。この彼が今度は敵となって前に立ちはだかる。岐阜のDFラインは裏へのスピードに対する対応が懸念されているため、彼の飛び出す力は非常に脅威だ。
押谷だけでなく、豊富な運動量で前線をかき乱すFW荒田智之、突破力のあるFW桑田慎一朗で構成するアタッカー陣は脅威だ。岡山の基本布陣は岐阜と同じ【3-4-2-1】。各局面でのマッチアップがあるが、連動性という面で岡山の前線が活発になると、はめ込まれて押し込まれる危険性がある。岐阜はどこまでダブルボランチを中心にした守備陣が奮闘し、ショートカウンターに繋げられるか。キーは杉山新と染矢一樹の両ウィングバックだ。カウンターの起点になるポジションだが、重要なのは守備の時のポジショニング。5バック気味に守るのはいいが、相手のウィングバックをどこまで相手陣内に押し込めるか。ここが出来ないと守勢一方になり、効果的なショートカウンターを繰り出せなくなる。ブロックを作って我慢ではなく、強気の守備を期待したい。
最後に改めて言おう。16試合を消化して僅か1勝。しかも、ホームでは1勝も挙げていない。このままでいいわけがない。絶対に勝たないといけない。いつまでホームのファン、サポーターに悲しい顔をさせるのか。岐阜よ、奮い立て。時間はあるようでないのだから。
以上
2013.06.01 Reported by 安藤隆人