●曹 貴裁監督(湘南):
「気温が低くて風が強い中、2013シーズン最初に大宮さんのように力のある相手と公式戦のような雰囲気で試合ができたことは本当に良かった。我々のサポーターもたくさんこの気温の中来ていただいて感謝してます。タイキャンプから帰ってきて選手たちに話しているのは、我々はJ1に昇格したけれどもまだスタートラインに立ったに過ぎない。ということは自分たちのできることをやるのではなく、自分たちが今までもう少しやれてなかったことを積み上げていくしか半年後1年後の成長はないという話をずっとしている。今日は前半に4点取られてさすがJ1の力だなと思ったところはあるが、タイキャンプとその次の試合の課題を選手たちがしっかり認識して、後半、終了のホイッスルが鳴るまで我々が目指すところを表現はしてくれた。ただ、その結果どうだったかということに向き合っていかなければいけない。我々には足を止めて、停滞したムードで1週間を送る余裕はないので、また明日から、今日出た課題を突き詰めて、自分たちが良かったところをさらに伸ばして、挑戦者のつもりでシーズンを送っていきたい。今年は34人という、去年より7人増えた体制で戦うが、一つのことに一喜一憂することなく、自分たちが目指す道はしっかり示し続けて、1年経って「湘南、さらにたくましくなったな」と言ってもらえるように頑張っていきたいと思う。最後に、こういう環境を作ってくださった、関係者の皆様に感謝したいと思います」
Q:今日のメンバーは現時点のベストメンバーですか? それとも何かいろいろ試そうと?
「試すことも必要だし、ベストメンバーで行くことも必要なので、今日出たメンバーは先発で出た選手と途中から出た選手含めてベストだと思っている。プランの中でやろうとしたことは、今日90分の中で試せた。6名の交代を含めて開幕へのシミュレーションをしなければならないので、ベストメンバーがどうこうというより、ベストの方法論でやったつもりです」
Q:試してみて収穫のあった選手は?
「ここで言うと勘違いするのでやめておきます(笑)」
Q:公開される試合はこれが最後になりますが。
「公開しても個人的には良いですが、クラブがダメだというので。見ても何も変わらないから大丈夫ですよ(笑)。僕がここにいるかどうかというのは別ですけど(笑)」
Q:開幕に向けて自信になりましたか?
「もともと自信はまったくないので(笑)。自信があるかどうか分かりません。一所懸命やります」
Q:去年の湘南に比べてボールを奪って速くというより、つなぐような場面も多かったが?
「今日、僕が素直に感じたのは、奪ってから速くというのが、去年のJ2ではたとえば古林や高山が前を取るとMFが完全に置かれて、相手のDFと勝負ができていた。J1のチームは走力があるのでMFがカバーリングに戻ってくる。切り替えだけで崩そうと思っても、もちろん今日は何回か良い形で行った場面はあるが、そこで戻られたときに切り替えて攻めるのは難しいから、当然、ボールを動かしていく作業が必要になる。僕はボールを支配するためのポゼッションは全然やっていなくて、あくまでゴールへ向かうことだけど、そのゴールへ向かう方法論はJ1では間違いなくバリエーションを増やしていかないといけない。今日で言うと、あそこのエリアでボールを動かして、何回かシュートを撃てるなと思っても撃ちきれないとか、斜めに走ってもらったら撃てるのにというところで相手に止められたりとか。我々の課題というのは、2010年にJ1にいたときはボールをそこで動かせなかったというのをコーチとして僕も感じていたので、そこでの彼らの勇気は評価してあげたいが、あとの精度に関しては、動かすことを求めているわけではなくて、そういうシチュエーションになったときは最後はフィニッシュで終わること。ノヴァコヴィッチがガツンとヘディングで決めたような、その精度が我々には間違いなく必要。速く攻めたいんだけど攻めさせてくれないリーグなんだなということは、この間チャンピオンズリーグでドルトムントの試合を見ましたけど、ドルトムントの速攻は速いけど戻りが速くて取れないとなったら、動かさなきゃいけない。で、それを何とかしなきゃいけないというのが、我々に関するハードルだと思う。我々はオンリーワンのスタイルを作るために、そうさせられても自分たちの良さが出るような攻撃を志向していかなければならないなと思う」
Q:2010年には失点の多さも際立っていましたが、守備面のところは?
「我々は守備面ではなくて相手のボールになったときにエネルギーを持って仕掛けていくサッカーを志向しているので、失点したのがキーパーとDFが悪いとか、得点したら点を取った人が良かったという話ではないので、今日結果的に失点した場面は、我々が直さなければならないということは感じている。が、ボールを奪えないと、このリーグで上位に行くとか成長するのはあり得ないと思っているので、僕は、自分たちのゴール前に鍵をかけるよりも、相手陣にあるときにどうにかする。そのときに今日みたいに失点するリスクは去年のJ2でもあった。そこの精度のところをもう少し選手たちに整理させて、やらせなきゃいけないと思う。ただ、失点を5点も10点もしたから自分たちで下がって後ろにスペースをなくすというやり方を僕はやるつもりはないので、その精度を高めていくしかないかなと思っている」
以上