★2013シーズン始動!ニューカマー・レコメンド
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田中達也は常に全力だ。試合の時はもちろん、普段の練習でも手を抜くことはない。いつだって常に100パーセント。あの小さな体のどこに、それだけのエネルギーがあるのかと呆気にとられるほど精力的に走り続ける。それゆえにケガとの付き合いは増えたが、それでも全力プレーをやめることはない。力を抜いた瞬間、田中達也が「田中達也」でなくなってしまうことは、他の誰よりも自分が分かっている。
サッカーに取り組む姿勢において、彼の右に出るものはまずいない。プレーの質を下げるようなことは徹底的に排除し、常日頃からコンディションをトップレベルで維持することに専念する。出場機会に恵まれない時期を過ごしている時でも、いつ出番が来てもいいように準備は決して怠らない。
そのストイックな姿勢は確実にチームメートを刺激する。叱咤激励して味方を鼓舞するようなタイプではないが、その黙々とサッカーに打ち込む姿は後輩たちへの強いメッセージになる。なかなか出番に恵まれない選手から「達也さんのような選手ががんばっているのに腐っているわけにはいかない」という言葉が聞こえてくることも珍しくない。声は出さずとも、小さな背中で雄弁に語りかけているのだ。
どんな時も一生懸命。だからみんなに慕われる。田中達也がホーム最終戦でサポーターに向けて最後の挨拶をする際、柏木陽介、山田直輝、野崎雅也、槙野智章など多くの選手が頬を濡らした。サポーターも泣いていた。ここまで深く愛される選手はそう多くはないだろう。リーグ戦後に控えていた天皇杯では「達也さんのために」という言葉が合言葉になっていた。
田中達也は最終節の挨拶で「これからは違うユニフォーム、違うスタジアムかもしれないけど、元気にピッチを走り回っている姿を見せることが、その人たちへのせめてもの恩返しだと思っています」と力を込めた。自分を信じてくれる人のために走り続けるのが彼の生き様だ。
田中達也と浦和レッズの時間はここで一区切りを迎えたが、彼の冒険はまだ終らない。今度は新潟で元気よく走り回ることになる。これまでがそうであったように、これからも得意のドリブルで様々な障害を打ち破っていくだろう。そして、ひたむきにサッカーに打ち込む姿勢も、これまでと同じようにチームに大きな影響を与えるはずだ。
以上
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★新シーズンの開幕を告げる大会が今年も!★
FUJI XEROX SUPER CUP 2013
2013年2月23日(土)13:35キックオフ/国立
サンフレッチェ広島 vs 柏レイソル
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2013.02.15 Reported by 神谷正明