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【J2:第3節 山形 vs 大分】大分側プレビュー:変革の予感を揺ぎない確信へ変換するには勝利しかない(12.03.16)

開幕2試合を終えて総得点数は5。この数字は上位3クラブと同数である。42試合のうち2試合を終えたに過ぎないが、今季“圧倒的な攻撃的サッカー”でJ1昇格を目指す大分にとって指針となる数値である。得点者が森島康仁の2点、木島悠2点、小手川宏基1点と、ゴール前に最も近いポジションの選手が得点していることも狙い通りで、システムと戦術がハマっていることの現れだ。

5年ぶりのホーム開幕戦では硬さから出足が重く、持ち味を出せなかったが、前節ではプレッシャーの呪縛から解き放たれ本来の力を発揮した。攻守における組織力の高さが際立った。「自分たちのやろうとするサッカーができた」と宮沢正史が語るように、大分は思惑通りに試合を進め、最後まで組織された動きが破綻することはなかった。
なぜか?と問われれば、素早いプレスが機能したことに尽きる。昨季はボールを奪われたら素早く帰陣しブロックを形成していたが、今季はボールを失うと同時に守備がはじまるためアプローチのポイントが高い。全選手の守備意識も高く、規律が徹底されている。加えて、ポゼッションを高めながら、サイドを広く使い、数人が連動して崩す魅力的な攻撃がピッチで展開されている。今週の練習でも、最終ラインを高く設定することを意識させ、仕掛ける位置を確かめコンパクトな守備の構築を図った。

今季初勝利を挙げた田坂和昭監督は「守備の面ではアグレッシブに戦えた。攻撃の面では、しっかり背後と幅のギャップを作りながらボールを動かしてゴールを奪いにいくところが非常によくできていたと思う」と、手応えを口にしている。まだ序盤の勝点3に過ぎない。だがスタイルを貫いて得た勝利は、チームに漂う変革の予感を確信へと変えている。それは監督、選手の表情、練習中の雰囲気からうかがえた。

今節の対戦相手は、ホーム開幕戦を迎える山形である。「3トップが流動的で、中盤の3人も前線の動きに呼応する特殊な4−3−3のシステム」(田坂監督)と警戒している。前節、大分と同じ3−4−3の布陣で松本は敗れたが、「崩せた場面もあった」。指揮官の頭のなかには明確なプランがあり、1週間の練習メニューにプランを落とし込んでいる。目指すサッカーを継続しつつ、一つひとつの精度を高めれば結果はついてくる。アウェイ2連勝で、次節のホーム戦に勢いづけたい。

以上

2012.03.16 Reported by 柚野真也
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